詩集 始まりの時

春がやって来た

春がやっとやって来た
それなのに
僕はさびしく春を過ごす

彼女はもういない
アイゼン、君はもういない
君との時は永遠の時
しかしその時間も去ってゆく
時よ、君は悲しい

一人で寂しく生きる僕は
どうやって春や夏や秋や冬と
向き合っていくのだろう？

さみしい気持ちで散歩する
通りを一人歩いていると
桜が悲しく咲いている

もっと君と会いたかった
もっと君とこの桜を眺めて
楽しい時を過ごしたかった

アイゼン　永遠の瞳を持つ君
いつか君に会いたい
いつか君と話しあいたい
けれどそれも無駄だろう
時は全てを飲み込む忘却の河
君とのことも全て僕は
忘れ去ってしまうだろう

それでいいのか？
それで本当にお前はいいのか？
彼女も他の女も何もかも
お前は忘れるつもりか？
全てを忘却の河に
流して忘れ去るつもりのなのか？

それでもいいだろう
それも人生だ

けれど残る物もある
いつかは僕も他の誰かと
誰かと結ばれて幸せになる

けれど忘れないでいて
僕のことを
僕はかつて君を愛し
君が愛した人だもの