詩集 始まりの時

N

その大きな瞳で悲しんでいる
自然は泣いている
その大きな瞳で悲しんでいる




一人電車に乗っていると
景色はどんどん移っていく
それと共に思い出す
苦しい過去の思い出を

一人で夜の電車に乗り
頭痛の中を
「クライベイビークライ」を聴いていたあの頃のことを
僕はこっそり思い出す


自転車に乗り
朝焼けの道を
走っていた頃のことを思い出す

それから愛しい彼女のことを
Ｎ　もう君には会えないね

苦しい過去の思い出も
いつかひっそり過ぎていく

幸せな午後の来ることを
いつか楽しく待っている

地球よ　僕はここに残るよ
あの太陽よ、大地よ
どうか僕に祝福を・・・・・



外はいちょうの葉っぱでいっぱい
窓から見える人々は
くつろいで、イスに座り
飲み物を飲んでいる


季節は冬、外は雨
暗くさびしいこの景色に
病人は黙って人々の話す声を
聞いている


やがて戦争は終わり
明るい平和がやってくる
君も来る。僕も行く
クリスマスの頃には
みんな楽しい生活が・・・・・


思えば苦しい生活だった
去年の冬の頃は・・・・
明るい希望も無く
救世主も出ず
地球には嵐が吹き荒れていた


けれど時は偉大な医者で
みんな全部を癒してくれる
Ｎ　君にも幸せが・・・・