さんにんの子どもたち

小池竜太

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あたらしい旅

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さんにんとおうじょは、よろこんで魔王の居城へとむかいました。


 魔王の居城は、くにからすこし離れた砂丘にありました。

 もう夜です。夜になると魔物は力をはっきします。

 それでも行かなければなりません。よにんは向かいます。

 くにをとりもどさなければなりません。
 なんとしてもとりもどさなければならないのです。

 よにんは魔王の居所をつきとめて、広間に入ります。

 広間には魔王が一人でいました。灯りがともっています。


魔王がいいました。

「己(おれ)は世の中というものが、退屈だった。そこに、悪という灯りをともしたのはたしかに己だ。たから、世の中がこうなった。さておまえたちよにんをほふらせてもらう」



 魔王が火の魔法で攻撃してきました。

 ポンやももがそれを防ぎ、りくはふたりの傷をいやしました。
 おうじょはペンダントをにぎりしめたまま、ふるえています。

 魔王はももの氷の魔法を使い、さんにんをとりえてしまいました。
 

 さんにんはぜつぼうします。


「もっとぜつぼうしろ、子どもたちは、君らの苦しみで世界は明るくなる」

 しかしおうじょのもっていたペンダントは、輝きをはなち、さんにんを開放します。

そうしてさんにんにちからをあたえます。


 ポンの剣が、魔王を追いつめ、ももの魔法で、魔王をとらえました。

しかし魔王は、一向に死ぬようすを見せません。

 りくは魔王を哀れに想い、魔王の傷をいやそうとしました。


 と、りくがいやしを与えると、魔王は浄化し、消えてしまいました。

「どうしてだろう?」

 ポンがいい、よにんはふしぎにおもいました。
『それは、哀れみの愛のひかりによる浄化だよ、君たち。魔王は、いやされ消えてしまった。魔王は呪いだったのだ。もう家へおかえりなさい。子どもたち、おかあさんおとうさんが待っているよ』


 さんにんは家へとかえり、おとうさんおかあさんにだきしめられました。


 くにはだんだんとなおりつつあります。


 さてさんにんは、次はどんな物語を見せてくれるのでしょうか?


おしまい。
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