身代わり聖女は「君を孕ますつもりはない」と言われたのに死に戻り王子に溺愛されています

ささゆき細雪

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prologue

《2》

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「君を花嫁に迎えることが叶って嬉しいよ」
「リシャールさま……」

 全身に塗りたくられた媚薬効果のある香油が、花嫁の身体をじんわりと火照らせていることもあり、ヒセラは紅潮していた。これから自分の身に何が起こるのか、あたまのなかでは理解しているものの、彼女は本当にこれでいいのだろうかと不安そうに瞳を伏せる。だが、リシャルトは憂い顔を見せた彼女を前に自制していた分身が昂るのを感じているようだった。

「媚薬に侵されて身体がつらいのだろう? 心配しないで。俺の手と口でたっぷりイかせてあげる」
「あっ……」

 広大な魔力を持つデ・フロート公爵家の一人娘、ジゼルフィア――それがいまの自分の立場であることは理解している。生まれながらの聖女ジゼルフィアと次期国王と目されている第一王子リシャルトの婚姻は王国の地盤を固め結界を強化するために結ばれたもので、ふたりは幼い頃に一度顔をあわせたきりだったということも。
 けれど、リシャルトはジゼルフィアとの結婚を心待ちにしていたらしく、結婚式の場に現れた彼は終始笑顔を見せていた。自分が偽物の聖女だと知ったら、彼は何を思うだろう。

「――ジゼ」
「んっ」

 考え事に逃げようとするヒセラをリシャルトは許してくれない。結婚式を終え、初夜の場へと連れていかれた彼女は身体のラインが丸見えの紗でできた夜着一枚だけの淫らな姿だ。啄むような口づけを受け、ヒセラは甘い声をあげる。媚薬に侵された身体はリシャルトにふれられただけで歓喜するようにひくりと震えた。

「脱がすよ」

 唇同士を重ねたまま、リシャルトはヒセラの夜着の肩紐をそうっと引く。肌を隠していた薄い布が花びらのように落とされ、王子の手で彼女は一糸まとわぬ姿になった。ふだんは新雪のように真っ白な肌は香油のせいか、うっすら桜色に染まっている。リシャルトにまじまじと見つめられ、ヒセラは恥ずかしいとばかりに両腕で己の胸を覆い隠そうとするが、それよりも先に彼に腕をとられ、左胸に顔を差し込まれてしまう。

「リシャールさま!?」
「――君の心臓に誓いの接吻を」

 そう口にするのとほぼ同時にリシャルトがヒセラの左胸を強く吸い上げる。噛み痕にも似た所有の証を刻み付けられ、ヒセラは与えられた快感に抗う間もなく高みに押し上げられてしまう。

 ――忘れていた。彼もまた強い魔力を持つ人間であることを……!

「あぁぁああっ……!」
「これでもう、君は俺だけのものだ。聖女ジゼルフィア――いや、ジゼ」

 リシャルトの勝ち誇った顔を前に、ヒセラははぁはぁと呼吸を整えながら潤んだ瞳を向ける。その瞳の色は魔力を注がれて血のように赤く染まり、ミルクティ色をしていた髪もストロベリーブロンドのように赤みがかっていた。魔女が魔力を放出することで髪や瞳の色を変化させることは稀に起こることだが、一方的に魔力を与えられることでも起こるのだとヒセラは身をもって痛感する。それだけリシャルトが持つ魔力は強大だった。聖女でなければ受け止められないほどの――……。

「どう、して」
「君がほんものの聖女であると証明するために。魔力を注ぐことで髪と瞳の色が変わるとは聞いていたが、ここまで鮮やかだとは」

 その言葉にヒセラは何も返せなくなる。リシャルトは聖女とのあいだに強い魔力を持つ子どもがほしいのだろう。ヒセラも生まれながらの魔力は持っているが聖女のような特別なちからはない。それでもリシャルトは彼女の変化に満足したようだった。

「清楚なジゼも素敵だが、こちらのジゼも妖艶で美しいな」
「あっ」

 ヒセラの胸の頂をちゅうっと吸って、リシャルトは愛撫を開始する。疼く身体を慰めるように、ヒセラを丹念に快楽の底へ堕としていく。ぷっくりと膨らんだ乳首は彼の唾液に濡れ、まるで花開く時を待つ蕾のように赤らんでいる。

「あぁっ、りしゃ、る、さまっ」
「気持ち良い?」
「そ、そのようなはしたな……あぁんっ」
「すでに一度達しているというのに、まだ恥じらいを残しているんだね。可愛い」
「ひんっ」

 両方の胸を揉まれながら勃ちあがった乳首に噛みつかれ、ヒセラのあたまに星が散る。今までに感じたことのない快楽を前に、ヒセラは声にならない声をあげる。何度も執拗に左右の乳首を舐め、吸われ、しゃぶられて、ヒセラはふたたび絶頂に屈する。それと同時に下腹部の疼きがひどくなる。まるで魔力を溜めているときのような感覚に陥り、ヒセラは悲鳴をあげる。

「だ、だめぇえっ~~~!」
「そうは言っても、こっちも物欲しそうにしているよ」
「あぁっ……り、りしゃーるさまぁぁアあっ!」

 下半身に手を伸ばされ、自分でもふれたことのない秘芽にキスされて、敏感な身体は限界を越える。
 そのままぺちゃぺちゃと舌先で弄ばれて、ヒセラは身体をヒクヒク痙攣させる。

「あぁ、なんて可愛いんだ。俺の聖女さま」
「ふぁああんっ」
「下の口はまだ狭いみたいだね。今夜は指で慣れることからはじめようか」

 そう言いながら蜜口へ指を伸ばすリシャルトを見て、ヒセラはこくりと頷く。このままひとつに繋がってしまったら、きっと戻れなくなる。ほんの少しの罪悪感を残しつつも、ヒセラは彼に与えられる快楽に溺れていく。

 ――だってあたし、聖女じゃない……のに。
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