身代わり聖女は「君を孕ますつもりはない」と言われたのに死に戻り王子に溺愛されています

ささゆき細雪

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chapter,2

02. 第二王子と謀叛の誘い《2》

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 ――まさか聖女は監禁されているのか? それとも兄上が骨抜きにされて……騙されているのか?

 実際に聖女と顔を合わせることができていないシュールトには判断ができない。だが、これはゆゆしき事態だと唯一信頼できる側近ホーグを通じて隣国花鳥公国ヴェロニカ・バードと内密に連絡を取るようになった。大魔女を盲信している父王をはじめ、魔法ありきで考える王族の人間に訴えたところで愛妾の息子の戯れ言だと一蹴されると思ったからだ。騎士団長として周辺諸国と外交に勤しんでいるシュールトはこれが王国に対する謀反に当たるとはこの時点では考えておらず、ホーグ以外の周囲の人間にも特に報告はしていなかった。

「シュールト・ステラデ・ハーヴィック。貴殿の始祖が妖精王の血縁だとかそれらしいことを言ってはいるが、この状況下でもマヒの一族を縛り付け魔女たちをひとつの場所に囲い混んでいるのはなぜだ。これからは精霊なしで生きていくことが当たり前の時代となるというのに前時代的な王族の婚姻でいまの状況が好転するとは到底思えぬ」
「そのことについては俺も同意見です」

 公国の人間は王国の異分子である第二王子シュールトが単独で動いていることから、自国にとっての好機となるのではないかと訝しんでいるようだった。
 向こうの言い分ももっともだとシュールトは素直に頷き、第一王子と聖女の結婚の不自然さを強調する。
 現にこの結婚によって大陸に現れる魔物の数自体は減っているが、魔法を扱える人間や精霊の減少を考えると、このままの状態が続けば続くほど事態は悪化するだろうとシュールトは踏んでいた。

「聖女の本来のちからを発揮させられていないと、考えているのか」
「いえ、そこまでは」
「だが、聖女は王位継承者の子を産むための器でしかないと、古くからハーヴィックでは言い伝えられておる。リシャルト・ステラデ・ハーヴィックが聖女の子を孕ませることができない可能性もあるのでは?」
「……?」
「子種を持っていないから、正当なちからを引き継げない。または、聖女自身が彼を拒んでいるか」
「そのようなことが?」
「なぜなら王位を継承できる魔力を持っているのは第一王子リシャルトだけではないからだ」
「それ……は」

 シュールトの驚く顔を見て、男はにやりと口角をあげる。聖女が持つ魔力は特別ゆえ、万人が扱えるものではない。古来から魔女は聖女を神聖なものとみなし、国の運命を委ねさせてきた。かつての花鳥公国も、同じだったのだ。

「聖女を選定せず、自身が公国の主となった魔女の愚かな最期を知っているだろう?」
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