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幕間 天鳳真君と凜花女仙の仙境バンザイ!
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――富士赫奕仙洞、中央部統括室にて。
天鳳真君「では……、始めましょうか? 凜花女仙さん」
凜花女仙「また妙な変態行動を始めるのですか?」
天鳳真君「最悪のセリフの割に無表情で、感情が全く読めないね君! そうじゃなくて、他の呪法奇伝との関連なんかを中心とした世界観解説を始めるんだよ!」
凜花女仙「まあ、序の時点に登場したゲストキャラクターが何なのかも、あのお話だけでは理解が及びませんですからね」
天鳳真君「ふう……。では、早速だけど……。この世界は【呪法奇伝】本編と世界観を共有している。その本編に登場した主人公こそ、序に登場した【矢凪潤】くんである」
凜花女仙「壮年の男性になって子供もいた様子ですし、本編よりかなり後の話ですね?」
天鳳真君「そのとおりだね、彼の生年月日は本編中で明言されているので、そこから逆算すればある程度、今回の劇中がいつであるかはわかってしまうぞ」
凜花女仙「ようは近未来という話になりますが……、それにしては、まさしく現代っぽいですね?」
天鳳真君「まあね……、いくら近未来でも――。まさしく近未来SF的なものにすると、更に世界観を解説しなければなりませんし――、そこはかなり都合よく技術的なものを変化させていません」
凜花女仙「で? とりあえず矢凪潤様の活躍は今後ないと?」
天鳳真君「予定はない。まさしくゲストキャラクターだからね。ただ……、彼は現在【播磨法師陰陽師衆・蘆屋一族】の最高戦力として、【土御門本庁】との協力関係をもって様々な治安維持を行う、いわば【中層領域の守護神】となっている。その実力は決して我ら仙人に劣ることもなく、言ってしまえば彼ならば我ら【上層領域】にすら立ち向かえるのだよ」
凜花女仙「寿命ある人の身で、そんなに強いのですか?」
天鳳真君「彼自身は普通に【中層領域の術者】でしかないよ。ただ――、彼の力の本質は【獲得した絆をそのまま自身の力に変える】ことだから、ほぼ絆を結んだヒトの数だけ力を行使できる。まさしく【出会いがあり、交流し、絆が生まれれば、無限に力を増す】のだよ」
凜花女仙「なるほど……、では――」
天鳳真君「彼を多少なりとも退けている【死怨院乱行】は実際はかなりの実力者だ。【中層領域の術式】は火力重視ではなく、相性の有利で相手の上をいくのを基本戦術とする。例えば当たれば即死の物理攻撃を【物理攻撃が効かないという法則】を盾に退けるなどだね。元々、彼らは攻撃が当たれば痛い、簡単に死ぬ、だからダメージ削減よりそもそもそういった要素を回避する方法を極限まで育てたのだ」
凜花女仙「なるほど……、だから彼らは【式神や鬼神】をお供として戦うことが多いのですね?」
天鳳真君「そうです、彼らが扱う【式神や鬼神】は、各種使役法を仲立ちにして【それらの力も自身の力として行使】出来ます。指揮下である【式神や鬼神】が増えれば、そのまま扱える術式は倍々に増えてゆく。【中層領域の術者】はそうやって強くなってゆくのです」
凜花女仙「手元の資料によると、かの【死怨院乱行】が扱う術式は――」
天鳳真君「ええ、精神反応――、すなわち一定レベル上の精神の働き【激情】を、独自の術式によって【霊力】へと変換する仕組みです。それによって、他人が扱う術式を霊力に逆変換して無効にしたり、そもそも激情を起点に相手の力を奪ったり、自身の器に入る限界まで【霊力】を蓄えて【神々にすら適応可能な呪法】を扱ったりするのです」
凜花女仙「それは……、明確に【雷太道士では荷が重い相手】だったのでは?」
天鳳真君「そうですね、宝貝があればどうにかなったでしょうが……。だからこそ泠煌ちゃんは領域管轄の神祇様にお電話したのですが……、まあすでに【矢凪潤】くんが動いてましたし――、その対応の邪魔をする事であると神祇様がたは解釈したのでしょうね」
凜花女仙「……一般市民が襲われていますが?」
天鳳真君「それが?」
凜花女仙「……」
主のその言葉に、凜花女仙はいつもの無表情を保てなかった。
天鳳真君「ふふふ……、とてもいい顔ですね? その顔を見れただけでこの場を設けた甲斐がありましたよ」
凜花女仙「……遊ばないでくださいませ」
天鳳真君「――ヒトは死ぬものです。毎日、それこそ沢山死んでいます。領域の管理が役目の神祇様がたが、個人個人の救いを望むと本当に考えていますか?」
凜花女仙「……それは」
天鳳真君「管轄領域が安定しない可能性があるから【死怨院乱行】の排除を望むが……、その役目を持つ【矢凪潤】くんはすでに動いており、そして彼を退けるのは確実――。ならばその確実な内容に下手に干渉してくる【不確定要素】を彼らは望まない」
凜花女仙「一般人の死を見ないふりして?」
天鳳真君「ええ……。そして彼らは【見ないふり】しているのではなく――、そもそも【目にうつっていない】のです。霊的生命を出自とする神様でなければ、そもそもが【霊的生命の死】の意味を根本から理解しないのです」
凜花女仙「……暉燐教主様が、彼らを嫌う理由が――、少しわかった気がします」
天鳳真君「……まあ、泠煌ちゃんの性格なら当然ですね? でも……、一応取り決めですから、律儀に彼女は電話をしました。――彼女は基本、真面目な遵法主義者ですし」
凜花女仙「……ふう。一応暉燐教主様であれば普通に【死怨院乱行】の制圧は可能だったのすよね?」
天鳳真君「無論ですね……。伊達に教主様を名乗ってはいませんし――、まあ【不確定要素】だと考えた神祇様がたに邪魔されましたが。かの者が泠煌ちゃんの神気を見て気絶したのは不幸中の幸いでしょう」
凜花女仙「なるほど……」
天鳳真君は朗らかに笑って凜花女仙に言った。
天鳳真君「では――、気を取り直して。これ以降は、作中に出てきた宝貝の解説といきましょう!」
◆◇◆
●猫爪:機能等級:Ⅰ
解説:
攻撃威力、攻撃精度、等のバフを一切持たない、起動した瞬間の姿勢から放つことが出来るすべての斬撃のうち、三つを選択して本当に放った一撃と共に再現する剣型宝貝。その外観は使用者・小玉玄女の趣味である。
機能としては限定的であり、誰でも扱えて天命数への負担もほぼ存在しない。しかし、そもそも剣が扱える者でなければただの適当な追加攻撃が三回増えるだけであり、その真価を発揮出来るのはかの【黒毛獣剣神】とか、剣術に長けた者のみである。
●召飛盾:機能等級:Ⅰ
解説:
守る対象に攻撃が迫った瞬間、その動きを阻害するように現れる帆型の盾型宝貝。
盾としての硬さは天命数によってある程度強化されるが限定的であり、その反応速度こそが大幅に強化される。
ようは緊急時に命を拾うための防御盾であり、普通はそのように扱うだけのモノなので、紅月子のような扱いは天命数の多さを利用した特別なものである。
●円月刃:機能等級:Ⅰ
解説:
使用者の望みのまま飛翔するチャクラム型宝貝。
天命数による斬撃力へのバフは限定的であり、速度と精度にほぼ全ふりされている遠近両方に対応可能な攻撃宝貝。
たいていの者は、その動きを光線としか認識出来ずに避けることも叶わず切り刻まれる事になるが、当然と言えば当然であるが小玉玄女は普通に対応していた。
普通、切り払って撃墜することも不可能であり、結構脆い宝貝であった。
●写水鏡:機能等級:Ⅱ
解説:
巨大な円輪の内部に薄い水の膜――、すなわち水鏡を形成した鏡形宝貝。
性能としては召飛盾と似ているが、こちらは受けた攻撃をそのまま鏡写しにコピーして、反撃として相手に返す機能を持つ。
機能等級が高いために、使用する一定時間ごとに【天命数が削られてゆく】が、その攻撃吸収能力はかなり高く、【猫爪】による四斬撃程度なら普通に防ぐことが出来る。
小玉玄女がその水鏡の正面を避けるように回避したのは、鏡形宝貝ということから【攻撃の反射】を予測したものであり、この時点で実は自分の【猫爪】の斬撃を返されると考えており、直後の挑発とその後の対応につながる。――要するに、紅月子の考えは丸々予測されていたのである。
その前の時点で、焦らずに【攻撃の反射】をしていれば、あるいは勝利する目は残っていたかもしれない。
天鳳真君「では……、始めましょうか? 凜花女仙さん」
凜花女仙「また妙な変態行動を始めるのですか?」
天鳳真君「最悪のセリフの割に無表情で、感情が全く読めないね君! そうじゃなくて、他の呪法奇伝との関連なんかを中心とした世界観解説を始めるんだよ!」
凜花女仙「まあ、序の時点に登場したゲストキャラクターが何なのかも、あのお話だけでは理解が及びませんですからね」
天鳳真君「ふう……。では、早速だけど……。この世界は【呪法奇伝】本編と世界観を共有している。その本編に登場した主人公こそ、序に登場した【矢凪潤】くんである」
凜花女仙「壮年の男性になって子供もいた様子ですし、本編よりかなり後の話ですね?」
天鳳真君「そのとおりだね、彼の生年月日は本編中で明言されているので、そこから逆算すればある程度、今回の劇中がいつであるかはわかってしまうぞ」
凜花女仙「ようは近未来という話になりますが……、それにしては、まさしく現代っぽいですね?」
天鳳真君「まあね……、いくら近未来でも――。まさしく近未来SF的なものにすると、更に世界観を解説しなければなりませんし――、そこはかなり都合よく技術的なものを変化させていません」
凜花女仙「で? とりあえず矢凪潤様の活躍は今後ないと?」
天鳳真君「予定はない。まさしくゲストキャラクターだからね。ただ……、彼は現在【播磨法師陰陽師衆・蘆屋一族】の最高戦力として、【土御門本庁】との協力関係をもって様々な治安維持を行う、いわば【中層領域の守護神】となっている。その実力は決して我ら仙人に劣ることもなく、言ってしまえば彼ならば我ら【上層領域】にすら立ち向かえるのだよ」
凜花女仙「寿命ある人の身で、そんなに強いのですか?」
天鳳真君「彼自身は普通に【中層領域の術者】でしかないよ。ただ――、彼の力の本質は【獲得した絆をそのまま自身の力に変える】ことだから、ほぼ絆を結んだヒトの数だけ力を行使できる。まさしく【出会いがあり、交流し、絆が生まれれば、無限に力を増す】のだよ」
凜花女仙「なるほど……、では――」
天鳳真君「彼を多少なりとも退けている【死怨院乱行】は実際はかなりの実力者だ。【中層領域の術式】は火力重視ではなく、相性の有利で相手の上をいくのを基本戦術とする。例えば当たれば即死の物理攻撃を【物理攻撃が効かないという法則】を盾に退けるなどだね。元々、彼らは攻撃が当たれば痛い、簡単に死ぬ、だからダメージ削減よりそもそもそういった要素を回避する方法を極限まで育てたのだ」
凜花女仙「なるほど……、だから彼らは【式神や鬼神】をお供として戦うことが多いのですね?」
天鳳真君「そうです、彼らが扱う【式神や鬼神】は、各種使役法を仲立ちにして【それらの力も自身の力として行使】出来ます。指揮下である【式神や鬼神】が増えれば、そのまま扱える術式は倍々に増えてゆく。【中層領域の術者】はそうやって強くなってゆくのです」
凜花女仙「手元の資料によると、かの【死怨院乱行】が扱う術式は――」
天鳳真君「ええ、精神反応――、すなわち一定レベル上の精神の働き【激情】を、独自の術式によって【霊力】へと変換する仕組みです。それによって、他人が扱う術式を霊力に逆変換して無効にしたり、そもそも激情を起点に相手の力を奪ったり、自身の器に入る限界まで【霊力】を蓄えて【神々にすら適応可能な呪法】を扱ったりするのです」
凜花女仙「それは……、明確に【雷太道士では荷が重い相手】だったのでは?」
天鳳真君「そうですね、宝貝があればどうにかなったでしょうが……。だからこそ泠煌ちゃんは領域管轄の神祇様にお電話したのですが……、まあすでに【矢凪潤】くんが動いてましたし――、その対応の邪魔をする事であると神祇様がたは解釈したのでしょうね」
凜花女仙「……一般市民が襲われていますが?」
天鳳真君「それが?」
凜花女仙「……」
主のその言葉に、凜花女仙はいつもの無表情を保てなかった。
天鳳真君「ふふふ……、とてもいい顔ですね? その顔を見れただけでこの場を設けた甲斐がありましたよ」
凜花女仙「……遊ばないでくださいませ」
天鳳真君「――ヒトは死ぬものです。毎日、それこそ沢山死んでいます。領域の管理が役目の神祇様がたが、個人個人の救いを望むと本当に考えていますか?」
凜花女仙「……それは」
天鳳真君「管轄領域が安定しない可能性があるから【死怨院乱行】の排除を望むが……、その役目を持つ【矢凪潤】くんはすでに動いており、そして彼を退けるのは確実――。ならばその確実な内容に下手に干渉してくる【不確定要素】を彼らは望まない」
凜花女仙「一般人の死を見ないふりして?」
天鳳真君「ええ……。そして彼らは【見ないふり】しているのではなく――、そもそも【目にうつっていない】のです。霊的生命を出自とする神様でなければ、そもそもが【霊的生命の死】の意味を根本から理解しないのです」
凜花女仙「……暉燐教主様が、彼らを嫌う理由が――、少しわかった気がします」
天鳳真君「……まあ、泠煌ちゃんの性格なら当然ですね? でも……、一応取り決めですから、律儀に彼女は電話をしました。――彼女は基本、真面目な遵法主義者ですし」
凜花女仙「……ふう。一応暉燐教主様であれば普通に【死怨院乱行】の制圧は可能だったのすよね?」
天鳳真君「無論ですね……。伊達に教主様を名乗ってはいませんし――、まあ【不確定要素】だと考えた神祇様がたに邪魔されましたが。かの者が泠煌ちゃんの神気を見て気絶したのは不幸中の幸いでしょう」
凜花女仙「なるほど……」
天鳳真君は朗らかに笑って凜花女仙に言った。
天鳳真君「では――、気を取り直して。これ以降は、作中に出てきた宝貝の解説といきましょう!」
◆◇◆
●猫爪:機能等級:Ⅰ
解説:
攻撃威力、攻撃精度、等のバフを一切持たない、起動した瞬間の姿勢から放つことが出来るすべての斬撃のうち、三つを選択して本当に放った一撃と共に再現する剣型宝貝。その外観は使用者・小玉玄女の趣味である。
機能としては限定的であり、誰でも扱えて天命数への負担もほぼ存在しない。しかし、そもそも剣が扱える者でなければただの適当な追加攻撃が三回増えるだけであり、その真価を発揮出来るのはかの【黒毛獣剣神】とか、剣術に長けた者のみである。
●召飛盾:機能等級:Ⅰ
解説:
守る対象に攻撃が迫った瞬間、その動きを阻害するように現れる帆型の盾型宝貝。
盾としての硬さは天命数によってある程度強化されるが限定的であり、その反応速度こそが大幅に強化される。
ようは緊急時に命を拾うための防御盾であり、普通はそのように扱うだけのモノなので、紅月子のような扱いは天命数の多さを利用した特別なものである。
●円月刃:機能等級:Ⅰ
解説:
使用者の望みのまま飛翔するチャクラム型宝貝。
天命数による斬撃力へのバフは限定的であり、速度と精度にほぼ全ふりされている遠近両方に対応可能な攻撃宝貝。
たいていの者は、その動きを光線としか認識出来ずに避けることも叶わず切り刻まれる事になるが、当然と言えば当然であるが小玉玄女は普通に対応していた。
普通、切り払って撃墜することも不可能であり、結構脆い宝貝であった。
●写水鏡:機能等級:Ⅱ
解説:
巨大な円輪の内部に薄い水の膜――、すなわち水鏡を形成した鏡形宝貝。
性能としては召飛盾と似ているが、こちらは受けた攻撃をそのまま鏡写しにコピーして、反撃として相手に返す機能を持つ。
機能等級が高いために、使用する一定時間ごとに【天命数が削られてゆく】が、その攻撃吸収能力はかなり高く、【猫爪】による四斬撃程度なら普通に防ぐことが出来る。
小玉玄女がその水鏡の正面を避けるように回避したのは、鏡形宝貝ということから【攻撃の反射】を予測したものであり、この時点で実は自分の【猫爪】の斬撃を返されると考えており、直後の挑発とその後の対応につながる。――要するに、紅月子の考えは丸々予測されていたのである。
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