15 / 43
第十四話 新たなる美少女!
しおりを挟む
「―――そう言う事でしたか」
そう言って”刈谷 多津美”は小さく笑った。
あの事件から一週間たった現在、俺たちはいつもの暗転世界で”姫ちゃん”と邂逅している。
”姫ちゃん”からハーレムマスター契約に関する様々な内容を聞いた多津美ちゃんは、それをなぜかあっさりと受け入れ俺のハーレムに入ることになった。
『貴方はあっさり受け入れましたね? 多津美さん?』
「ハーレムマスター契約とか―――、特技だとか―――、
正直、信じられない内容である事は事実なんですが―――、あの時の司郎先輩の動きを見た時に違和感を感じていたんで、―――そうなのか、って感じですね」
『違和感?』
”姫ちゃん”がそう聞くと多津美ちゃんが答える。
「司郎先輩の普段の動きは明らかに一般人です。
―――まあ、かなめさんのツッコミを受けるときは、異常な体捌きをしているのは事実ですが…
一般人であることには変わりありません。
―――でも、あの総馬を倒した司郎先輩の動きは、もはや別人レベルで違いました」
『まあ―――、確かに”別人の特技”を扱ってるわけですしね』
「―――そう、他者の”特技”を扱う能力―――、それがあればあの動きは可能だろうと―――、
だから―――信じてみる気になりました―――、
それに―――」
不意に多津美ちゃんが笑う。
「それが真実であるなら―――、司郎先輩とかなめさんは完全な恋人同士というわけではないと言えますしね―――」
「む?」
その多津美ちゃんの言葉にかなめが反応する。
―――俺は言う。
「いや、一応かなめも俺のハーレムの一員で―――」
「それはわかっています―――、しかし、ハーレムマスター契約の内容を見れば―――」
―――と、その時、周囲の女の子たち(日陰ちゃんを除く)がピクリと反応する。
なに? どういうコト?
「―――どうやら先輩方も気づいてらっしゃるみたいですね?」
「―――」
日陰ちゃんを除く全員が、何やら怖い顔で多津美ちゃんを見ている。
「そうですか―――。
これは、来るべき最終戦争の前段階だったのですね」
そう言って多津美ちゃんがにやりと不敵に笑った。
いや君、何言ってんの?!! どこの異世界の話っすかそれ?!!!
―――俺は心の中でそう突っ込んだ。
少し頬を引きつらせながらかなめが言う。
「多津美ちゃん?
何を訳の分からないことを―――」
「本当にわかってませんか?
かなめさん―――、いや、かなめ先輩」
「―――」
その多津美ちゃんの言葉にかなめが黙り込む。
わざとらしく”先輩”呼びに切り替えたのは、ハーレムマスター契約の話を聞いたからかな?
「―――司郎先輩のハーレムが12人になりすべての試練を終えて一年が経過すれば―――、
当然、それ以降は司郎先輩は試練による死亡はなくなる―――
そうですよね? 女神様?」
『まあ―――そうですね』
「ならば―――それからなら”抜け駆け”OKと―――」
なるほど―――、それは盲点だったぜ!!!
―――って、それは俺にとってかなりマズいんでは?!
「”姫ちゃん”? ―――ソレマジ?!」
『まあ―――間違いじゃありません』
「―――そうか、よく漫画とかで、主人公の男を取り合ってトラブル起きるとかそう言うヤツも”ハーレムモノ”って言うもんな―――、
って!!! そっちのハーレム?!!!」
『あはははは!!!』
「”姫ちゃん”!! 笑い事じゃない!!!!
これって一年後に”修羅場”確定じゃん!!!!!」
『その間にハーレムを維持するための、なんかの対策をするしかないんじゃないです?』
「あっ、そうか―――って?! そんなん基本馬鹿の俺には思いつかないって!!!」
その時、多津美ちゃんがなんか怖い微笑みを浮かべて俺に言う。
「司郎先輩―――、一緒に刈谷道場を復興しましょうね?」
「え?!!!!」
その言葉にかなめが怒る。
「こら!! 今から”抜け駆け”するな!!!」
「―――抜け駆けではありません―――。
先輩方への一種の宣戦布告です―――」
その多津美ちゃんの言葉に、女の子が一斉に彼女を睨み―――、俺は頭を抱えた。
「多津美ちゃん―――、君って結構好戦的?!」
『彼女は元々そうですよ? だって”強くなるために辻斬り行為に勤しむ娘”ですし―――』
「そうだったね―――そう言えば」
多津美ちゃんから暗い影が消えたのを喜ぶべきか?
―――その時の俺は苦笑いするしかなかった。
-----
「なあゴリっち?」
「なんだ?」
ある日の昼食時、いつものごとく女の子達と弁当を広げていた俺は、近くで総菜パンをパクつくゴリっちに話しかける。
「ゴリっちって多津美ちゃんにボロ負けしたそうだね」
「―――む、妹に聞いたのか?」
「うん」
ゴリっちは側にいる多津美ちゃんを一瞬睨むと言った。
「―――まあ、本当だ。嘘を言っても仕方がない」
「へ~~~~。ゴリっちって結構弱い?」
「お前な―――」
さすがのゴリっちも少し怒った顔をする。
しかし、すぐにため息をついて言った。
「多津美は―――元々格闘の天才だ―――。
そして、俺との格闘に関する相性は最悪だと言える―――。
俺は負けるべくして負けたんだ―――」
「どういうコト?」
俺の疑問にゴリっちは真面目な顔で答える。
「そもそも俺は―――、
体が大きく、動きが遅い―――、
手さばきで防御しようにもスピードで来られると対応しきれない弱点がある。
だから俺は筋肉を鍛えてそれを鎧にして身を守っている―――」
「ゴリっちはいわば重戦車タイプか?」
「そうだな―――、
しかし、多津美は動きが速いうえに―――、俺の攻撃を捌ける手わざを持ち―――、
さらに”筋肉の鎧”を無効にできる”破皇掌”を持つ―――。
スピードで上をいかれ、攻撃を手で捌かれ、さらには筋肉鎧すら無効にされれば―――、
おれには何もできん―――」
「なるほど―――、じゃあかなめは?」
「かなめ君は―――、
攻撃が基本”通常の打撃”のみだ―――、
それに対しては”筋肉の鎧”が普通に機能する。
そして、彼女の手わざは基本牽制攻撃に使うのみで、防御は体捌きによる打撃軽減―――。
この場合、当然俺の攻撃が当たれば、体捌きだけでは打撃を吸収しきれず―――、そのまま終わる。
―――ただ、彼女の場合、多津美以上のスピードで攻めることが可能だ。
そして、そのスピードにさらに、速攻の蹴り技を持つ―――、
彼女の蹴り技の発動速度は、我々の手わざに匹敵する―――、
一瞬でも隙を見せればそこに”最強の蹴り”が飛んでくるというわけで―――、
俺も多津美も―――負けたのは”隙を見せた”から―――という事になる」
「なるほど―――」
「ついでに―――お前は―――」
「俺?」
「そうだ―――、
お前は基本”頑丈な体”を持つ―――、
そして、反射的に攻撃に対する体捌きによる打撃軽減を行って、かなめ君の蹴りをほとんど無効にしている。
だから、お前はかなめ君のツッコミに、”痛い”という反応だけで、平気でいられる―――」
「む? でも、俺一度多津美ちゃんの”破皇掌”で―――」
「そうか―――、それは多分、”破皇掌”の―――、
軽く手で触れる―――という予備動作を攻撃と認識していなかったからだろうな。
多分、今ならほぼ無効に出来るだろう―――。
少なくとも、お前の各打撃に対する防御性能は、俺の”筋肉鎧”に匹敵するほどもある―――」
ゴリっちはそう言って俺に笑う。
「―――で? お前はどこでその体捌きを―――、
ってやっぱり宮守の爺さんの指導か?」
「―――さすがは刈谷さん。
その通りです」
ゴリっちの言葉にかなめが返す。
「こいつ―――司郎は、昔うちの道場にいたんだけど。
道場が男だらけなのと―――、おじいちゃんのスパルタが嫌で逃げ出したんです。
おじいちゃんはかなり見込んでたんで、がっかりしてましたが―――」
「かなめ―――、
嫌なこと思い出させないで。
あそこまでキツイ練習させられたら、誰でも逃げ出すって―――」
俺のその言葉に、かなめは苦笑いした。
―――と、その時、
「あら? あなた方は―――」
不意にどこかで聞いたことのある、優し気な女性の声が聞こえてきた。
「え?」
俺たちが声のした方を見ると―――、そこに”あの人”がいた。
「あ!!!! ”高円寺 晃”さん?!」
「―――ふふ、覚えていていただいて、とってもうれしいわ」
かなめの言葉に夫人が微笑む。
「―――そう、貴方たち、そこの多津美ちゃんも。
この高校だったのね」
「―――この前は、ありがとうございます」
多津美ちゃんが夫人に丁寧に頭を下げる。
俺は疑問を夫人にぶつけた。
「でもなんでここに?」
「―――実は、わたくし来週初めに、この天城高校の理事長に就任することになったのよ?」
「え―――まじっすか?!」
「ええ―――”まじ”よ」
そう言って優しく微笑む。
「その関係でちょっと下見に来たんだけど―――、
ミリアム―――」
「はい―――」
夫人の声に反応するように一人の少女が現れる。
それは、肩までの銀髪に青い瞳をした、色白の肌の美少女だった。
「この子は、私の”娘”―――、
Miriam・J・Enfield(ミリアム・ジェイ・エンフィールド)って言うの、
今度ここに転校する事になったからよろしくお願いね?」
「マジっすか!!!!」
その夫人の言葉に、俺は喜びの声をあげる。
それほど彼女は美少女であった。
「―――」
しかし、彼女は俺たちを見ても無表情で、ただ軽く会釈しただけで去っていく。
人見知りなのかな?
「あら―――ミリアム?
もう、あの子ったら―――」
夫人は困った顔で彼女を見送る。
これが、第六の試練―――、その対象であるミリアムとの初めての出会いだったのである。
そう言って”刈谷 多津美”は小さく笑った。
あの事件から一週間たった現在、俺たちはいつもの暗転世界で”姫ちゃん”と邂逅している。
”姫ちゃん”からハーレムマスター契約に関する様々な内容を聞いた多津美ちゃんは、それをなぜかあっさりと受け入れ俺のハーレムに入ることになった。
『貴方はあっさり受け入れましたね? 多津美さん?』
「ハーレムマスター契約とか―――、特技だとか―――、
正直、信じられない内容である事は事実なんですが―――、あの時の司郎先輩の動きを見た時に違和感を感じていたんで、―――そうなのか、って感じですね」
『違和感?』
”姫ちゃん”がそう聞くと多津美ちゃんが答える。
「司郎先輩の普段の動きは明らかに一般人です。
―――まあ、かなめさんのツッコミを受けるときは、異常な体捌きをしているのは事実ですが…
一般人であることには変わりありません。
―――でも、あの総馬を倒した司郎先輩の動きは、もはや別人レベルで違いました」
『まあ―――、確かに”別人の特技”を扱ってるわけですしね』
「―――そう、他者の”特技”を扱う能力―――、それがあればあの動きは可能だろうと―――、
だから―――信じてみる気になりました―――、
それに―――」
不意に多津美ちゃんが笑う。
「それが真実であるなら―――、司郎先輩とかなめさんは完全な恋人同士というわけではないと言えますしね―――」
「む?」
その多津美ちゃんの言葉にかなめが反応する。
―――俺は言う。
「いや、一応かなめも俺のハーレムの一員で―――」
「それはわかっています―――、しかし、ハーレムマスター契約の内容を見れば―――」
―――と、その時、周囲の女の子たち(日陰ちゃんを除く)がピクリと反応する。
なに? どういうコト?
「―――どうやら先輩方も気づいてらっしゃるみたいですね?」
「―――」
日陰ちゃんを除く全員が、何やら怖い顔で多津美ちゃんを見ている。
「そうですか―――。
これは、来るべき最終戦争の前段階だったのですね」
そう言って多津美ちゃんがにやりと不敵に笑った。
いや君、何言ってんの?!! どこの異世界の話っすかそれ?!!!
―――俺は心の中でそう突っ込んだ。
少し頬を引きつらせながらかなめが言う。
「多津美ちゃん?
何を訳の分からないことを―――」
「本当にわかってませんか?
かなめさん―――、いや、かなめ先輩」
「―――」
その多津美ちゃんの言葉にかなめが黙り込む。
わざとらしく”先輩”呼びに切り替えたのは、ハーレムマスター契約の話を聞いたからかな?
「―――司郎先輩のハーレムが12人になりすべての試練を終えて一年が経過すれば―――、
当然、それ以降は司郎先輩は試練による死亡はなくなる―――
そうですよね? 女神様?」
『まあ―――そうですね』
「ならば―――それからなら”抜け駆け”OKと―――」
なるほど―――、それは盲点だったぜ!!!
―――って、それは俺にとってかなりマズいんでは?!
「”姫ちゃん”? ―――ソレマジ?!」
『まあ―――間違いじゃありません』
「―――そうか、よく漫画とかで、主人公の男を取り合ってトラブル起きるとかそう言うヤツも”ハーレムモノ”って言うもんな―――、
って!!! そっちのハーレム?!!!」
『あはははは!!!』
「”姫ちゃん”!! 笑い事じゃない!!!!
これって一年後に”修羅場”確定じゃん!!!!!」
『その間にハーレムを維持するための、なんかの対策をするしかないんじゃないです?』
「あっ、そうか―――って?! そんなん基本馬鹿の俺には思いつかないって!!!」
その時、多津美ちゃんがなんか怖い微笑みを浮かべて俺に言う。
「司郎先輩―――、一緒に刈谷道場を復興しましょうね?」
「え?!!!!」
その言葉にかなめが怒る。
「こら!! 今から”抜け駆け”するな!!!」
「―――抜け駆けではありません―――。
先輩方への一種の宣戦布告です―――」
その多津美ちゃんの言葉に、女の子が一斉に彼女を睨み―――、俺は頭を抱えた。
「多津美ちゃん―――、君って結構好戦的?!」
『彼女は元々そうですよ? だって”強くなるために辻斬り行為に勤しむ娘”ですし―――』
「そうだったね―――そう言えば」
多津美ちゃんから暗い影が消えたのを喜ぶべきか?
―――その時の俺は苦笑いするしかなかった。
-----
「なあゴリっち?」
「なんだ?」
ある日の昼食時、いつものごとく女の子達と弁当を広げていた俺は、近くで総菜パンをパクつくゴリっちに話しかける。
「ゴリっちって多津美ちゃんにボロ負けしたそうだね」
「―――む、妹に聞いたのか?」
「うん」
ゴリっちは側にいる多津美ちゃんを一瞬睨むと言った。
「―――まあ、本当だ。嘘を言っても仕方がない」
「へ~~~~。ゴリっちって結構弱い?」
「お前な―――」
さすがのゴリっちも少し怒った顔をする。
しかし、すぐにため息をついて言った。
「多津美は―――元々格闘の天才だ―――。
そして、俺との格闘に関する相性は最悪だと言える―――。
俺は負けるべくして負けたんだ―――」
「どういうコト?」
俺の疑問にゴリっちは真面目な顔で答える。
「そもそも俺は―――、
体が大きく、動きが遅い―――、
手さばきで防御しようにもスピードで来られると対応しきれない弱点がある。
だから俺は筋肉を鍛えてそれを鎧にして身を守っている―――」
「ゴリっちはいわば重戦車タイプか?」
「そうだな―――、
しかし、多津美は動きが速いうえに―――、俺の攻撃を捌ける手わざを持ち―――、
さらに”筋肉の鎧”を無効にできる”破皇掌”を持つ―――。
スピードで上をいかれ、攻撃を手で捌かれ、さらには筋肉鎧すら無効にされれば―――、
おれには何もできん―――」
「なるほど―――、じゃあかなめは?」
「かなめ君は―――、
攻撃が基本”通常の打撃”のみだ―――、
それに対しては”筋肉の鎧”が普通に機能する。
そして、彼女の手わざは基本牽制攻撃に使うのみで、防御は体捌きによる打撃軽減―――。
この場合、当然俺の攻撃が当たれば、体捌きだけでは打撃を吸収しきれず―――、そのまま終わる。
―――ただ、彼女の場合、多津美以上のスピードで攻めることが可能だ。
そして、そのスピードにさらに、速攻の蹴り技を持つ―――、
彼女の蹴り技の発動速度は、我々の手わざに匹敵する―――、
一瞬でも隙を見せればそこに”最強の蹴り”が飛んでくるというわけで―――、
俺も多津美も―――負けたのは”隙を見せた”から―――という事になる」
「なるほど―――」
「ついでに―――お前は―――」
「俺?」
「そうだ―――、
お前は基本”頑丈な体”を持つ―――、
そして、反射的に攻撃に対する体捌きによる打撃軽減を行って、かなめ君の蹴りをほとんど無効にしている。
だから、お前はかなめ君のツッコミに、”痛い”という反応だけで、平気でいられる―――」
「む? でも、俺一度多津美ちゃんの”破皇掌”で―――」
「そうか―――、それは多分、”破皇掌”の―――、
軽く手で触れる―――という予備動作を攻撃と認識していなかったからだろうな。
多分、今ならほぼ無効に出来るだろう―――。
少なくとも、お前の各打撃に対する防御性能は、俺の”筋肉鎧”に匹敵するほどもある―――」
ゴリっちはそう言って俺に笑う。
「―――で? お前はどこでその体捌きを―――、
ってやっぱり宮守の爺さんの指導か?」
「―――さすがは刈谷さん。
その通りです」
ゴリっちの言葉にかなめが返す。
「こいつ―――司郎は、昔うちの道場にいたんだけど。
道場が男だらけなのと―――、おじいちゃんのスパルタが嫌で逃げ出したんです。
おじいちゃんはかなり見込んでたんで、がっかりしてましたが―――」
「かなめ―――、
嫌なこと思い出させないで。
あそこまでキツイ練習させられたら、誰でも逃げ出すって―――」
俺のその言葉に、かなめは苦笑いした。
―――と、その時、
「あら? あなた方は―――」
不意にどこかで聞いたことのある、優し気な女性の声が聞こえてきた。
「え?」
俺たちが声のした方を見ると―――、そこに”あの人”がいた。
「あ!!!! ”高円寺 晃”さん?!」
「―――ふふ、覚えていていただいて、とってもうれしいわ」
かなめの言葉に夫人が微笑む。
「―――そう、貴方たち、そこの多津美ちゃんも。
この高校だったのね」
「―――この前は、ありがとうございます」
多津美ちゃんが夫人に丁寧に頭を下げる。
俺は疑問を夫人にぶつけた。
「でもなんでここに?」
「―――実は、わたくし来週初めに、この天城高校の理事長に就任することになったのよ?」
「え―――まじっすか?!」
「ええ―――”まじ”よ」
そう言って優しく微笑む。
「その関係でちょっと下見に来たんだけど―――、
ミリアム―――」
「はい―――」
夫人の声に反応するように一人の少女が現れる。
それは、肩までの銀髪に青い瞳をした、色白の肌の美少女だった。
「この子は、私の”娘”―――、
Miriam・J・Enfield(ミリアム・ジェイ・エンフィールド)って言うの、
今度ここに転校する事になったからよろしくお願いね?」
「マジっすか!!!!」
その夫人の言葉に、俺は喜びの声をあげる。
それほど彼女は美少女であった。
「―――」
しかし、彼女は俺たちを見ても無表情で、ただ軽く会釈しただけで去っていく。
人見知りなのかな?
「あら―――ミリアム?
もう、あの子ったら―――」
夫人は困った顔で彼女を見送る。
これが、第六の試練―――、その対象であるミリアムとの初めての出会いだったのである。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~
エース皇命
ファンタジー
学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。
そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。
「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」
なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。
これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。
※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる