カベ越シカイダン

片里 狛

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てんじょうにうつる-2

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 ……うわぁ。なにそれ、ちょうかわいいです。
 もう本当に、天井の顔とか一気にどうでもよくなった。
「桑名さん、あの、……すいません、でした、今のちょっと流石に自分でもどうかと、思、……あの、かわいいんでちょっと落ち着いてください」
「……落ち着いていられるかって話だよ、もー……今のもう一回言って? って言ったら言ってくれるやつじゃないでしょう。あー……ボイスレコーダーっていくらくらいなのかな」
「何怖いこと言ってるんですか。つかおれ相手にボイレコとか使ったら確実に人間じゃない声も入りますよ。断言できる」
「そうなんだよねーくっそ、それがおっかなくて動画もなかなか残せないし」
「……何撮る気なの怖い……桑名さん本当にむっつりだから怖い……」
「何度も言うけどムッツリじゃなくて普通にスケベだって。ねぇ木ノ下くん、さっきのもう一回言ってほしいな」
「いやです。桑名さんって思ってたよりエロ親父属性――……っ、ん、ぁ……っ」
「えろおやじだよ。……『かわいいおねだりが聞きたいな』とか、言っていいなら言いたいよ。引かれるかなって思って随分と自重してるんだから」
「おねだりって、ぁ、AVかよってはなし……っ、ん、ぁ……ヤダ、触る、ならちゃんと脱がし……」
 耳に痒い言葉を吹きこまれながら、桑名さんの手がおれのソレをぐりぐりと刺激する。寝まきがわりのハーフパンツの上からぎゅっと揉まれて、むずむずとしたどうしようもない感覚に身体が動いてしまう。
 なんとなく気が付いていたけど桑名さんは焦らし系えろおやじだ。
 見た目は爽やかリーマンの割に、えっちなことをしている時は中々にしつこい。でもうまいというか気持ちいいしこっちも馬鹿になってしまっているから、それも快感になっちゃって、おれどMになったらどうしようと心配になってきている。
 桑名さんに焦らされて、あのエロい響きの声で『おねだりして?』って囁かれたらうっかり口走ってしまいそうだ。怖い。桑名さん怖い。
 でも誘ったのはたぶんおれの方なので文句なんか言えない。というか、楽しそうに触ってくれるのがちょっと嬉しいとか思ってしまう。
「…………っ、……あ、だめ、もっと、……その触り方、やだ……っ」
「うん? ゆるゆるって触られるの、くすぐったくて気持ちいいんじゃない?」
「きもちいい、っていうか、あの……、擦って、ほしくなる、……くわなさ、ちゃんと触っ……くわなさんのて、すき」
「……本当に生姜焼きに媚薬入ってたんじゃないかな」
「入ってないって、ぁ、……っ、あ、それ、ぎゅって握って、擦られるの、……イイ、すき、ぁ……」
「こう? ……すごい、とろっとろだね木ノ下くん」
「ひぅ……!? っ、あ、やだ、音……っだめ…………っ」
「うん、ぐちゅぐちゅだね。きもちいい?」
「ん……っ、ぅ、……、きもち、イイ……っ、…………、ぁ……あ……」
 あんまりにも気持ちよすぎて、口が開いたままになる。
 頭が働いてなくて、直に握られて扱かれているのがたまらなくて、素直に吐息の合間に気持ちいいからもっとと垂れ流してしまう。唾液と一緒に漏れる言葉は濡れていて意味なんかない。
 気持ちいい、もっと触って、って言うと桑名さんはすごくえろい顔で笑ってキスしてくれて、耳に舌を入れられてまた腰が浮いた。
「はぁ……っ、ひぅ、あ、ソレ、やだ……ぁっ、……みみ、だめだって、っ……だめ!」
「んー……木ノ下くん、耳、弱いよね、かわいいなー……耳攻めされると、木ノ下くんのコレ、びくんってするんだよ。あと最近は乳首も結構良い感じになってきたよね。……今日はちょっと、後ろも挑戦してみてもいいかな?」
「え、うしろ、って、え、やだ、ちょ、まさか、え、……あ、あなる……?」
「というか前立腺? ちょっとお勉強はしてみたんだけど、指一本くらいならローション使ってゆっくりやったらそんなに無理なモノでもないって話で、ちょっとちょっと逃げないの。大丈夫痛くしないしローションあるし指しか入れないし指もゴムして入れるから怖くないから、ね?」
 ね? じゃねーよ馬鹿尻の穴に指突っ込まれる危機にそんな笑顔まき散らされてもだまされないぞ、と理性は一歩引いてるのに気持ちよすぎてとろとろになったうえに桑名さん大好きちょう好きもう好きにしてぇってなってる本能とわけわかんない感情の方が、『……それ、きもちいいの?』なんて口走らせる。
「最初はまあそうでもないらしいんだけど、うまくいけばすごく気持ちいらしい」
「……でも、別に桑名さんのモノつっこむわけでもないんでしょ……? おれの尻なんかいじって、桑名さん楽しいの……?」
「それはやってみないとわかんないけど、多分楽しいと思うよ。もしどろどろに乱れる木ノ下くんなんてものが見れたらそれはもう素晴らしい体験――……ちょっと、だから引いちゃだめだって。セックスなんてノリでするものなんだから。ね。ほらおいで。とりあえず一回最後まで気持ちよくなろうか」
「あ、ぅん……っ…、…………ぁ、」
 桑名さんのエロい手が、おれのソレを握って擦り上げてくる。すっかりその気になっている先端からは恥ずかしいくらいに滑った液が垂れていて、そのせいでぬるぬるとすべって気持ちいい。塗り込めるように動く手は最高にえろい。いつもこんな風に自慰してんのかな、とか考えてしまって余計に興奮してしまった。
 おれだけいじられてんの悔しいけど、今はそんなことより気持ちよくて何も考えられない。
 握られて擦られて扱かれて合間にぐりぐりと括れのところを指で刺激されて親指で先端をぬるぬるされて、イイとモットを繰り返して桑名さんの名前呼んでモットって言ったらたまんなかったらしく、ひときわ強く扱かれた。
「あ、出る……も……っぁ、あ……ッ、あ……………!」
 びくびくと腰が震えて、つま先から快感が駆け上がる。肌が泡立つ感覚の後、じわりと快感が出て行く。白い液となった快感は、最後まで桑名さんの手に扱かれながら出されて、枕元にあったティッシュに拭われた。
 あー……くそ。何度やってもこの瞬間の恥ずかしさと居たたまれなさは無くならない。
 それでも最近は、別に辱しめられているわけでもないし、恋人のセックスみたいなもんだと思えば居たたまれなさは少なくなってきたけれど、代わりに恥ずかしさは増した。
 だって桑名さんめっちゃ幸せそうにキスして頭撫でてくれるんだもん。なにその顔。恥ずかしい。ちょう好きですって顔に書いてある。もうやめて死んじゃうっていうかおれもしたい。おれも桑名さんのアレいじってイカセタイ。
 のにその旨を舌っ足らずに伝えたら嬉しいけどでもとりあえず木ノ下くんが気持ちよくなってるうちにコレね、と言われてローションとゴムを見せられた。
 うわぁ。本当にやる気だこの人。
 気が付けば天井の顔は無くなっていたけれど、そんなことより桑名さんの方が怖い。
 いつも通りの優しいジェントル笑顔に見せかけて、結構うきうきしているのがわかる。わかってしまう。
 そんなおれの視線に気が付いたのか、真面目な笑顔で視線を返されてしまった。
「どうした?」
「……ヤメマセンカ」
「え、まあ、木ノ下くんがどうしても嫌だっていうなら……でも別にほら、アナルセックスしようっていうんじゃないしさ」
「でも行く行くはおれ突っ込まれるんじゃ……」
「そんなことないよ。俺はただ前立腺マッサージというもので悶えるかわいい木ノ下くんが見たいだけであって、実際もしアナルセックスをしましょうっていうことになったらちゃんとどっちがどういう役目をするか話し合うよ。それとこれとは別モノだから安心してさあ腰浮かせてください。クッション入れるから」
 なんか不穏な言葉も混じってたけど、最終的には指一本くらいなら、うん……と譲歩してしまう。
 開発されたらどうしよう、とか。尻穴って広げた後にちゃんと元に戻るのかな、とか。なんか色々心配だったけどさっき手でイかされた快感がまだ身体に残っていて、一回ぶっとんでる理性は好奇心に敗北した。
 腰を浮かせてクッションを入れてもらう。四つん這いでもいいよと言われたけれど、なんかそれもそれで恥ずかしいしもうこのままでいいですと返した。
 桑名さんの手で暖められたローションが垂らされる。ぬるりとしたその液体はあんまり感触がなくて、本当にこれで痛くないのかなって不安になった。
 ぴりぴりとコンドームのパッケージを開けて伸ばしてゆびに巻きつけ、それにもローションをまぶしている。研修室でたまに使うゴム手袋の方が効率よさそうだなと思ってしまった。
「痛かったら言ってね。ちょっとへんな感じかもしれないけど……」
「ん……、…………あ、すごい、結構簡単に……入る、もんです、ね」
 何度か穴の周りを捏ねまわされた後に、ちょっとだけ爪の先端が入った気がした。
 つぷ、と侵入した異物にびっくりして、筋肉が勝手に押し出そうとするのがわかる。まだちょっと入っただけだけど、もっと痛いもんだと思ってたので案外さくっと入った事にびっくりした。
 まあでも、そういやそこ排泄物出るとこだもんなそら指くらいは入るよな、と思ってしまう。やめよう思考がスカトロになりそうだ。
「…………なんか、……むず痒いっていうか、……へん」
「うん、まあ、なんとなく想像はできちゃうな。痛くない? もうちょっと奥に入れても平気?」
「んー……痛くは無い、ですけど異物感というかなんというか……ぁ、ちょ、動かさな……そこ、むずむずする……」
「うん、たぶんこのへんなんだけど。これかなーっていうの、結構分かるな。痛くないなら何より」
「痛くない、けど、………これ、気持ちよくなるの?」
「なるらしい、のでまあ気持ちよくなるまでこっちでもいじっとく?」
「え、や……っ、だめ、ダメダメ、だめ……っ、擦っ、らな、」
「……うわぁ。ローションで、ぐっちゃぐちゃだね。えろい」
 えろいのは桑名さんの方でおれじゃないよ馬鹿。
 言われた通り垂らされたローションのお陰さまで感度二倍だ。滑りが良くなりすぎてて、つるんと手が滑る感触がたまらない。握られるんじゃなくてもみくちゃにされる感じでやわやわと揉みこまれてまた勃ってしまう。
 止めさせようとして思わず桑名さんの手を掴んで、その瞬間先端に爪を立てられて背中がはねた。
「ひっ、や……ッ、あ、ぁ……痛……ん、ばか、何す……っ、あ、だから、握らな……」
「若いね。さっき出したのにもう元気……てかそうか、同居人いるとなかなか、自分で処理できない?」
「自分で、しなくても、桑名さんがすんじゃん……、あ……っ、ちょ、一緒に動かさな……中、」
「こりこりしてる。たぶん、ここだと思うんだけど、もうちょいかな」
「何……、ぁ、あ、桑名さ……えろ、だめ……」
 えろいのはきのしたくんのほうだよ、なんて言いやがる。絶対に嘘だ。
 おれをえろくしちゃってるのは桑名さんの方なのに。
 暫く前をぐっちゃぐっちゃにもてあそばれながら後ろの中をこりこりと捏ねまわされる。
 壁を撫でられるような刺激は不思議な感じで、なんとなくもぞもぞとしてしまう。でも、所詮その程度で、普通に前を扱かれている方の刺激の方が気持ちいい。
 ……と、思っていたのに。
「……――ッ!? ひッ!? え、は……ッ、え、何、あ、ヤダッ、え……!?」
 急に、ずくん、と身体がとろけるような快感が走った。
 それは確実に後ろに入った桑名さんの指からだ。なんかこう、性器を後ろからちょうえろく刺激されているような……とにかく、身体がびくんと浮いてしまう程気持ちいい。中側全部が、気持ちいい。
「ヤダ……ッ! 何、ヤダ、ソレ、だめ……ぇッ、ひゃん!? ぁッ、あ、だめ、怖……ッ、中、何……っ!?」
「……きもちよくなった?」
「きもち、いいっていう、か、変……ッ、あ、やだぁ……っ、ぁ、それやだっ、やだ……!」
 だめって何度も懇願してるのに、桑名さんは優しく髪を撫でて大丈夫だよって微笑んで流してしまう。このむっつりどえろSめ……!
 本当におれはもうどうにかなってしまいそうで、とにかくコリコリとそこを刺激される度にヤダダメヤメテって枯れた声で喘ぐことしかできなかった。
 頭がおかしくなりそうだ。性器の裏から全部、下半身がどろどろに溶けてしまいそう。
 中から押される快感は半端なくて、擦られるだけでも腰が動いてしまう。それなのに桑名さんの指は擦るだけに飽き足らず、叩きつけるようにトントンと動きを変えてくる。
「ふぁ!? あ、あぁ、や……ぁっ、ダメぇ………っ、叩くの、だめ、っあ、や……ッ!」
「すごいね、もう、どろっどろだね……ここ、気持ちいい?」
「きもちい……っよすぎて、変にな……っ、あ、ダメだって言っ、も、やだぁ……っ」
 全身が性感帯になったようにびくびくと震える。
 中からの刺激が本当に辛くて、強くて、イイところを重点的に摘まんでこねくり回すような桑名さんの指を切り落としたくなった。こんなにお願いしているのに、桑名さんはやめてくれない。
 すごく優しい笑顔で、かわいいって呟きやがる。くそ、こっちは気持ちよすぎておかしくなりそうなのに……!
「やだぁ……っ、やだ、だめ……ぇ、あ、やだ、イク、ソレ、イっちゃ……っ、あ、あ……っ、くわな、さ…………コリコリするの、すご……おれイっちゃう、だめ、それおかしくなる、やだ、擦らな、あ……っ!」
「本当に木ノ下くんは快感にまみれちゃうとなんていうか……えっちな子になるよね。すごくかわいい。いっちゃっていいよ。ほらもう、びくびくしてるし。こっちも一緒にぐちゃぐちゃにしちゃおうか」
「ひぅ!? あ、やぁ……っ、前、いじっちゃ、ダメぇ……っ、あ、ぁ、中、熱……っ、だめ、だめ……っ」
 中を叩きつけながら、ローションでぐちゃぐちゃになったおれのアレも握られちゃって、もうどこがきもちいいんだかわからなくなった。
 全部、全部おかしくなるくらい気持ちいい。開いた足の先がつっぱって、太ももが痙攣するのがわかる。唾液が呑み込めなくて頬を伝う。ああおれ、今すごい顔してる。そう思うのにどうしようもない快楽が勝っていて、あえぎ声を洩らすことしかできない。
 ヤダって言ってもダメって言っても桑名さんの猛攻は止まらない。
 前を扱かれたまま後ろをゴリゴリと擦られて、もうたまんなくて、おれは桑名さんにしがみつきながら二回目の射精をしてしまった。最初の時とは全然違う。なんかこう……魂全部もってかれるような、もう本当にどろっどろになるような快感が脳味噌から腰まで突き抜けた。
 イった筈なのに暫く性器がびくびくしてて、キスされただけで肩がびくんと揺れてしまった。
 全身の皮が一枚はがされたような気がする。触られただけで、声が出そうで唇を噛む。
 震える身体を自分で抱きしめて、潤んだ視界で桑名さんを見上げた。目じりが熱い。喉がからからで、声がへばりついてうまく音にならない。
 はぁはぁと息を整える間に指が抜かれて、ゴムを捨てた桑名さんは、ごめんねって苦笑しながら髪の毛を梳いてくれた。
「……なんで、謝る、んですか……」
「んー……なんか、思っていたより大変なアレだったかなって。ちょっと、想像以上だったし」
「あー……うん……びっくりした。まだ、中、じりじりするけど……でも、別に痛いとか、なかったし……またおれだけいっちゃったし……ていうかこれ、桑名さん楽しいってほんと?」
「ほんと。ちょう楽しい。むしろ俺だけ楽しくてごめんね? って思っちゃうくらい。すごくかわいかった。襲っちゃってごめんなさい」
「……それはその、ええと……おれこそ、誘っちゃってごめんなさい?」
 恥ずかしくなってシーツに隠れるようにもごもごと言うと、桑名さんに抱きしめられた。
 あーとかうーとか言ってたから、感極まってしまったらしい。なんか、そういう反応されると案外チョロいのかもしれないなとか思っちゃう。
「桑名さんってもしかしてアレですか。自分が言うのは平気だけど、言われるのダメなタイプ?」
「……そうかもね。あんまり、がつがつくるタイプの子とはお付き合い経験がないし、っていうか俺本当に仕事しかしてないからさ最近。木ノ下くんに反撃されると、うわぁってなっちゃうかも」
「え、ほんと? なにそれかわいい。じゃあおれ反撃していいの?」
「……でも今日は疲れちゃったでしょ?」
 ソレは確かに、おっしゃる通りだ。
 二回も出して、しかも慣れない前立腺とやらを刺激されてもうへとへとだ。桑名さんに触りたいという欲求以上に、身体が睡眠を求めている。
 すごく残念だけど。すごく、触りたいけど。
 今日のところは諦めるしかないだろう。
「怖いものは、えっちで撃退できると学んだかなー」
「いやな学習ですね……おっしゃる通りで反論できない」
 おれ、桑名さんとえっちなことするの好きかもしれない。
 そういうと、反撃に弱い桑名さんは一瞬目をぱちって開いてから、ふわりと赤くなってキスをしてくれた。
「……木ノ下くんはさらっと俺を垂らし込んでくるね。なんかこう……あーもう、ってなるわ」
「わかんなくもないですけど抽象的ですね……でもおれもあーもうってなる」
「じゃあ一緒だ」
 ふふふと笑われてまたキスを落とされて、うっかりまたちょっと興奮しそうになってしまった。
 汚れてしまったからもう一回風呂に入らないといけないかもしれない。風呂はいつだって怖くて、毎回戸をあけたまま入ってたんだけど、もう面倒だから一緒に入ったらいいんじゃないかなと思う。
 男二人で何やってんだろうなって、たまに冷静になっちゃうけど。
「…………うしろ、くせになったらせきにんとってくださいね……」
 ぎゅっと抱きついて呟くと、でれっとした声で勿論なんて返してくるからやっぱり桑名さんはエロいお人だと思った。
 怖いものが襲ってくるたびにこんなことされてたら、身体が持たない。
 でも口下手なおれが誘うには恰好の言い訳で、生まれて初めてほんのちょっとだけ心霊現象に感謝した。あくまで、ほんのちょっとだけ。


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