ノイジーセックス・ミックスビーンズ

片里 狛

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 目が覚めたら、口まで布団に埋もれたトキチカさんと目があった。
 いつから起きてたのか、ていうかちゃんと起きてるのかもアヤシイとろっとした寝ぼけ眼で何度か瞬きするのがかわいくて、はよーございますの言葉と一緒にやわらかいキスをした。
 昨日は結構テンパってたしわけわかんなくなってたし、若干場の雰囲気に流されちゃってあーもうスキかわいいなんだこれみたいになっちゃってたような気がしてたけど、朝のさっぱりした日差しの中でもやっぱりトキチカさんはかわいい生き物だった。
 おれの脳味噌は根本的にダメになっているらしい。
 触れるだけのキスをしたら、首に手を回されてもう一回キスを返される。ちゃんと愛情表現受け止めてくれるのが嬉しくて思わず下唇甘噛みしてしまった。
 朝からうっかりはしたない。
「おはよう、ございま……あー……あー、だめだきっと明日隕石落ちてみんな死ぬ……」
「朝からトキチカさんの想像力は元気っすね……今何時?」
「まだ七時……倉科クン今日お仕事は」
「スタジオは休み。ビデオ屋は夜十時から。ちなみにここのチェックアウトは確か十一時。風呂入る時間も余裕もありますねでももうちょいねむい……」
 何時に寝たのか記憶があやふやだ。
 なんかすんごいエロいことして理性ぶっとんでAV女優も真っ青なこと言わせた気がしないでもない。流石に後半は申し訳ないと思って、反省も兼ねて髪の毛撫でて鼻の頭にキスして体調を気遣った。
「……ゆめじゃなかった……下半身感覚ない……」
「あー……あー、うん、ごめんなさい。ちょっとおれ、調子にのっちゃった、自覚ある。……もうしたくないとか言われたらちょうへこみますけどでもトキチカさんがしんどいなら我慢する。していいならもっとやりたいこといっぱいあるけど」
「……想像してエロい気分になっちゃうでしょバカ。したくないなんてことないから気にしないでいいから、むしろなんかもう、キモチイイえっちをアリガトウゴザイマス……」
「ふは、感謝されちゃった。むしろおれこそアリガトウゴザイマスなのに」
 昨日のトキチカさんは想像以上にエロくてやばくて、でも淫乱とかエロいとかそういう言葉にトラウマ持ってそうだったから、エロいねって言葉を全部カワイイに変換した。いや実際ちょうかわいかったし。
 わけわかんなくなって涙目で真っ赤になってすんげー言葉口走ってしがみついてきたのを思い出して、朝から頭が沸騰しそうになる。
 淡泊な方だと思ってたし、今だって別に嫌だっていうなら本当に我慢できると思うけど、それはそれとして鮮烈な思い出だった。
 体に欲情してえっちしたいって思ったわけじゃなかった筈なのに、今はもう鎖骨見てるだけでむらっとしそうだ。トキチカさんは性格が麻薬みたいな人だと思ったけど、身体の方もそうらしい。
 即物的な男にはなんねーぞって決めてたのに、恥ずかしいやら申し訳ないやらで実は結構反省してた。
 大丈夫だって言う言葉を信じてないわけではないけど、個人的な反省の意味も込めてもう一回キスを落とした。
 くすぐったそうに眉を寄せるのがまた壮絶にかわいい。
「……うー……倉科クンまじキス魔……あさからしんじゃうー」
「キス嫌いでした? おれは好きだけど」
「すき、ですけれども。もうそうやってさー普通に日常みたいな顔してさらっとキスとかスキとかそういうのぶっこんでくるから倉科クンこんわいんだよう……ひゃーってなんの。ひゃーって」
「なっていいし。かわいいし。何の問題もないし」
「若人こんわい……鬱ゲイに刺激つんよいー……」
 恥ずかしくなっちゃったらしいトキチカさんはおれの首元に頭擦りよせてくる。かわいくてにやにやしちゃって、耳擽ったら鎖骨を噛まれた。痛いけどまたにやにやしてしまう。
「昨日言ったこと覚えてます? 朝起きたら言ってって言ったこと」
「…………おぼえて、ます」
「じゃあお願いします」
「え、いま?」
「……風呂の中で言いたいなら待ちますけど」
「やだ茹る」
 もう十分真っ赤な顔で、トキチカさんはぐっと息を飲む。
 別に言葉なんかなくたって、びしばし伝わってくる。付き合いましょうって宣言して付き合うカップルなんか大人になったら世の中そうそういないんだろうなって思ってる。そういうのは十代の思い出だ。
 でもトキチカさんには分かりやすいくらいしっかりはっきりと言葉で示したいと思った。
 なんとなくじゃなくて。わかるでしょ? って感じじゃなくて。わかってても言って確認したい。
 数秒、もごもごと口ごもった後に、おれの鎖骨あたりに触れたままの唇が動く。くすぐったい。
「あのー、えーと、そのー、うん…………くらしなくんが、好き、です」
 言葉がふわりと耳から入り込んで体の中で花咲くみたいに浸透して指先までうずうずした。
うれしい。かわいい。……どうしようか、本当にかわいい。
「面倒くさいオレのこと、こいびとにしてくれて死ぬほど感動してるしバカみたいに嬉しくていつ何時でも泣けそう。もうだめだこれ向こう十年の幸運全部一気に使ってる気がする」
「相変わらず大げさっすね。でもまあ、嬉しいですそんな風に喜んでもらえる程大した人間じゃないですけど。ただの生意気な若造っすよ。煙草やめらんないし。髪の毛とんでもねー色だし。もしかしたらどSかもしんないし」
「どSでもヘビースモーカーでも髪の毛ピンクでもなんでもいいよ倉科クン好き。ちょう好き」
「……やばい想像以上に嬉しくて素でふへへって笑いそうになった」
「そういうさー甘くてかわいいことさらっと言っちゃうとことかもさー、オレ好きだよ。ねえほんと、ほんと。……好きになってくれて嬉しい」
 どういたしましてなんて余裕ぶったこと言いながらも、嬉しくてかわいくてちょっと泣きそうになったなんて秘密だ。
 あー良かったなぁトキチカさんが途中で諦めて死ななくてよかった。
 高校生の時に罵倒した奴らとか。何人か付き合ってきただろう屑な元彼たちとか。昨日全力でメンチ切ってやった槙野とか。そういうのに疲れて人生棒に振らない強さ持ってて良かった。
 本当に良かった。
 タマコさんが優しくて強い人で良かった。
 カヤさんがダメで甘い人で良かった。
 勿論おれもこの二人には世話になってるけど、何よりもトキチカさんを支えてくれるのがタマコさんとカヤさんで良かったと思う。
 おれも、後悔されるような男にはなりたくない。
 いつかもし何かあって一緒に居られなくなっても、倉科クンと会って、一緒に居れた時間があって良かったって思われるような人間になりたいと思った。
 感極まってぎゅうぎゅうとトキチカさんを抱きしめながら、とりあえず写真撮りまくろうと思った。
 なんかこう、きちんと自立したい。胸張ってトキチカさんをこういうとこに連れてきたい。
 養いたいとまでは流石に思わないけれど、せめて人生設計ちゃんと立て直そうと思った。
 まずはどっかの賞に応募して入賞してうちの所長に媚び売るとこからのスタートだ。
 その為には被写体が必要なわけで、それはやっぱりおれ的には一人しか思い浮かばなくて、腕の中のかわいい人間を抱きしめながら今度の休みいつだっけなぁって思い返した。
 向日葵が咲く季節だ。ひまわり畑の黄色と浅い緑に彩られたら、どんな色になるんだろう。
 海も良い。でもそれよりは川の方が似合う気がする。強い日差しを遮る木漏れ日と透明な水の組み合わせはきっと最高の背景になる。
 水族館の青も奇麗だろうな。普通にペンギンみてはしゃぐ姿を撮っちゃいそうだけど。それじゃ作品じゃなくてただの恋人との思い出になってしまう。
 ドライブガイドとか、観光ガイドなんか興味なかったけど。
 とりあえず本屋行こうって思えたから、恋ってやっぱこえー。
「……風呂はいろっか。トキチカさん、立てる?」
 妄想はいつだってできるけど時間は有限だ。
 でっかい浴室に二人だけっていうシチュエーションは、今後そうそう無いと思う。
 額にキスひとつ残して上半身だけ少し起こすと、起き上がろうとしたトキチカさんはペタン、とベッドに崩れ落ちた。
 ……くっそかわいい。何だ今の小動物みたいな動き。
「やっばい、力入んない……し、内腿あたりがいったいー……」
「……ゴメンナサイ」
「いや、いいのよ、うん、楽しかったし、オレ今日シフト入って無かったような気がするし、うん……まあ帰る頃にはきっと歩けるんじゃないかと。思いたい」
「じゃあ浴室まではおれが運びますわ。お姫様だっこしてみていい? あれちょっとやってみたいんすよねー」
「……オレ成人男子なんでそこそこ重いっすよ。ちびでもないし。普通に女子なんかより重いっすよ」
「存じてますよ。だから落としたらサーセン」
「怖いこと言うのヤメテよダーリン愛で持ち上げ続けてチョーダイ」
「善処しますハニー」
 アホみたいな掛けあいをして、なんかキャラじゃ無さ過ぎて笑えて、トキチカさんもあははって笑ってくれた。
 あー。
 なんか、いいな。結構頭んなかお花畑だけど、でもこういう下らない言い合いが普通にできてなんか、楽しい。
 立ったらおれも腰痛くて、男子相手だと結構変な筋肉使うことを思い知らされた。重さも違うしな。仕方ない。そこはもう慣れるしかない。
「腹筋痛い」
「あるある。オレもいったい。セックスってさースポーツよね。運動会っぽい」
「不健全な運動会っすね。あーでも普段使わない筋肉使うから痛いんすよねー。つまり毎日やったら慣れるんじゃ、ちょ、逃げないでくださいよ流石に実践しませんよ、第一休み被んないでしょおれたちどっちも夜シフトなんだから」
「……就職しようかな……」
「え、まじで。いやすごくいい案だと思うけど、セックスは別に夜じゃなくてもできますよ?」
「ばーかばーか違うっての、倉科クンが帰ってくる時にご飯作ってお帰りって言いたいじゃんそういうのやってみたいじゃんあと年上としてさーなんかアレだしきちんと働いて心おきなく人生設計立て直して楽しく前向きに生きたいなぁって思ったわけですよ、今更って感じするけどさ!」
 断じてえっちがしたいだけじゃないって膨れるのがかわいくて、その上そんなおれみたいなこと考えてたのも嬉しくて、またキスしそうになって避けられた。
 減るもんじゃないしさせてくれたっていいのに、トキチカさんは好きって開き直ったらちょっとガードが固くなった気がする。
 今更なんてことない。
 今からだって、人生楽しむのは遅くない。
「とりあえず風呂入って家帰ってシフト確認してそっから始めましょうか。あと腹減ったんでなんか食いましょう。そういやトキチカさんって料理出来る人なんすか?」
「……あんま得意じゃないけどやれないことは無いと信じてる」
「前向きなのはイイと思う。じゃあ本屋行って料理本買いましょ」
 ついでに旅行雑誌も忘れないように頭の隅にメモをして、よいしょっとトキチカさんを持ちあげて案外重くて腰痛めそうって笑ったら怒られた。
 お花畑すぎてカヤさんにもタマコさんにも呆れられそうだから、この部屋を出たらちょっと頭冷やそうと思っているけれど。
 せめて風呂上がるまではベタ甘だっていいでしょって自分に都合のいいように考えた。


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