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序章 午後の昼下がり?
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時は2001年7月6日、金曜日
夏、街の景色が一望できる高台の丘、大樹の木陰の芝生で寝転がっている者と木に背を凭れ座っている者がいた。
「しっかし、あっちぃ~なぁ~~~せっかく授業サボってここで休んでいるのによッ!」
「当たり前だろ、夏だからなぁ~。夏はごく一部の地域を除いて暑くて当然だ。しかも、からっとしてれば良いが蒸し暑いとくる」
季節の暑さをぼやいている学生に相方の学生がサラッと答えを返していた。
今は授業中。高校三年生の彼等二人は今の授業が自習なのをいい事にこの高台、しかも旧校舎裏、誰も来るはずがない場所の大きな桜の木の陰に居た。
「何とか、ならねぇ~のかこのクソ暑さ?」
そういいながら彼は芝生から身を起こし友達の方を向いた。
「そう思って、風通しのいい校舎裏の高台の木陰に来たんだが・・・、早く対策を講じないとお前の脳みそがドロドロになって余計オ・バ・カになっちまう。クックック」
「今なって言ったんだ、てめぇ~~~?」
その言葉を口にした学生はコメカミをピクピクと動かして、冗談で悪口を言って来た友達の胸座を左手で掴み、右手で拳を作り振り上げる振りを見せ付けた。
「ワッ、まっ、待て、冗談だよ、冗談」
「俺も冗談だよ、こんなくだらねえ事で一々怒てられるかよ。余計暑くなっちまう」
彼はそう言葉にするものの目は笑っていなかった。
「っんで、これからどうする?金曜日の四時限目の授業もそろそろ終わるころだろ?それさえ終われば、今日の授業は、ぉっしまい・・・。
学校のプールでも入って凉しんでから帰るか?」
この学校は夏の期間中、金曜日の四時限目以降、土、日と生徒達にプールを開放しているのだ。なんとも変わった学校である。それと水泳部のプールはちゃんと別にあるからこれまた凄い。さすがは有名私立・・・、関係ないかもしれない。
「却下」
「何だよ、アッサリと答えやがって何が不満なんだ?」
「プールってのは、いいけどよ」
「だから何なんだよ、はっきり言えよ」
それを口にした学生は相方が何を言うか予想していたがあえて尋ねていた。
「プールと言えば水泳、水泳と言えばアイツ、アイツと言えば水泳、水泳と言えば、プール」
問われた方は禅問答の様にその言葉を何回も繰り返していた。
「ダ・カ・ラ、アイツって誰だ?」
わかっていながら、それを言葉にした彼はぶつぶつと口にしている相方に聞き返した。
「全身筋肉少女っ」
「だぁあぁああぁぁぁれが?全身筋肉少女だってぇえええーーーーーーっ」
眼を光らせ、右手に拳を作り、顔の前でブルブルっと震わせながら一人の美少女?が二人の男子学生の前に何処からともなく突然と姿を現した。
「おっ、なんだ、おまえか?」
「誰がお前かよ。それって女の子に対して失礼じゃない?」
「ゲっ、出た、全身筋肉少女」
〈やっ、やべぇ~~~余計なこと口走っちまった〉
「アンタ、人を化け物みたいにっ、ぶぅうぅううっとばすわよっ」
それを言うより早く、その女子の拳は見事に中傷を口に出していた男子の鳩尾に炸裂させていた。
「うっッ!?」と呻きと一緒に彼女に殴られた学生は無残にも地面に倒された。
「うわ~~~目の前に綺麗なお花畑が広がってるぅ~~~。
あっ!向こうには、去年死んだ両親が・・・、・・・、・・・、
ああぁ、刻が見える?」
〈っておい、おい、まだ俺の両親は健在だ!それになんだ、その時が見えるって言うのは、何かのぱくりかぁっ!〉
「おぉおおぉおっおい、お前、確りしろ!大丈夫か?」
「ヒッ・ロ・ユッ・キ君だいじょぉ~~~ぶうぅ?」
殴った彼女はなんの悪びれも無く、抱き起こされたその男子に話しかけていた。そして、彼女の顔は小悪魔的な笑みを浮かべている。
「いってえぇ~~~なぁ、マジで死ぬかと思ったぜ、一瞬ヘヴン見えたし」
殴られたその彼は睨みながら彼女にそう返答していた。
「ヘルの間違いじゃない?
アンタがどっちに逝こうと今のアタシにはどうでもいい事だけどねぇ」
彼女は両手を逆ハの字にした仕草をとって呆れた様な仕草を二人の男子に見せた。
「処で、何でお前がココに居るんだよ?」
彼等二人とも不思議に思って同じ質問をその女子生徒に投げかけた。
「何だとはご挨拶ねぇ~~~、って言うかあんた達の耳、腐ってんじゃないの?」
彼女は呆れ顔を作り、アホ面している二人に向けた。
「誰の耳が腐ってるって?コイツならともかく」
「おい、そりゃテメぇーーーの方だろっ」
「はぁ~~~もういいわ、とりあえず言っておくねぇーっ。
四時限目はとっくの前に終わってるの。
チャイム聞こえなかった?ぁっ、若しかして二人ともこの暑さで頭やられちゃったとか?」
「コイツだけだ!この暑さで逝っちまってるのは」
「オイ、オイ、なに言ってんだ?それは、こっちの台詞だっつぅ~~~のっ!」
「まっ、それは置いといて」
さっき言っていた事はどうでも良いよと、彼女は話を切り替えた。
「勝手に話し切り替えるな。それでなんでお前がここにいるんだ?」
「それを言おうと思っていたのに勝手に話し中断させたのは二人でしょ?」
「アハハハッ・・・・・・・」
彼女の言葉に二人とも苦笑するしかなかったようだ
「アンタ達二人を探してたのよっ!」
そう言葉を口にしてから、その女の子はギロっと二人を睨んだ。
「何だ?俺に愛の告白か?」
短めの調髪に少しだけ癖ッ毛の残った方の男子がその言葉を言うと同時に、
『ゲスッ!バキぃッ』と2連発、そう言った相手へ彼女のパンチがヒット。
「ゲヘッ、グホッ」
殴られた衝撃で彼はよろめきその女子生徒の方へと倒れこんだ。
〈何だ?手に柔らかな感触があるぞ?〉
殴られてしまった男は無意識の内にその手を動かしていた。
『ムニュッ、ムニュッ、モミ、モミ』
〈う~~~ん、とも良い感触だなぁ〉
「ヒ・ロ・ユ・キィイィイイイィイィーーーッ、このドスケベ、へんたぁあぁぁぁーーーいっ。死ンジャエぇぇぇぇえええぇぇ~~~っ」
女の子はその男の子にその豊満な?胸をもまれていたのであった。
そして、彼女は怒りに任せて彼に乱舞撃をくらわしたのである。
「グハッ、ブヘッ、ガハッ、ドワッ、ノゲェ、ノホッ・・・・・・・、以下略」
スポーツ刈りで爽やかそうな風貌の男子はヒロユキと呼ばれた男子を助ける事なく、ご愁傷様と言う表情で傍観していた。そして、最後に「逝っちまったかぁ?」と口にしていた。
* * *
やがて、向こうの世界に逝っていた男子生徒が生還し、本題に入っていた。
「ヒロユキあんた、生活指導の御剣先生が探していたわよ」
女の子は嬉しそうな顔でボコボコニした相手を見ながらそう口を動かしていた。
「あのさぁ、それと慎治、アンタさぁ、掃除当番でしょ?アタシ、一人に掃除、やらせってバックレルきっ!」
彼女はキツク睨みながら当番相手に尋ねた。
「・・・・・・・・・・」と二人して沈黙。
「二人とも逃げようなって思ってなんかイ・ナ・イ・ワ・ヨ・ネぇ~~~?」
その女の子は両拳を鳴らしながら彼等、二人を威圧するように問い詰めていた。
「ヒロユキ、これで逃げたら御剣先生の説教がもぉおぉ~っと長くなると思わなくて?」
ニコニコし嬉しそうにヒロユキと言う名の生徒にそう言っていた。
「それと慎治、サボったらどうなるか分かってるわよね」
そして、彼女は右手の人差し指を〝ビッシ〟っと慎治と言うもう一方の生徒に突きつけた。
「・・・・・・・・・・・・逃げよっか?」
彼等二人、顔を合わせてそう口にした。そして、その瞬間、女子生徒の目が鬼の眼と変化した。
「しぃっ、慎治中尉、いっ、今、逃げるのは得策ではない!」
「わっ、私も今そう思ったところであります、宏之大佐!」
彼等は一瞬その場から逃げた後のことを想像してそんな軍属風口調の言葉を吐いていた。
「そっれじゃ~~お二人さん、教室に戻りましょうか」
彼女はさも嬉しそうに二人を連行して校舎へと進路をとり始めていた。
「そういえば、何で隼瀬、オマエが態々、呼びに来たんだ?」
「ヒロユキ、ちゃ~~~んと校内放送あったんだよ。やっぱ聞こえなかったみたいね」
「そりゃそうだな、チャイムは学校全体に聞こえても校内放送は校舎の中だけだからな、しかもここかなり離れだし」
慎治と呼ばれる学生は分った様にもう宏之と呼ばれる学生に代わって代弁。
「俺が聞きたいのは」
「分っているは、何でアタシがココに来たかって事でしょ?」
「だってココに二人がいるって想像できるのはァ~~~」と一瞬間を置いてから、
「アタシ、貴斗、春香としおりンくらいなもんでしょ?」
彼女は『そんなの分っているはずだよ』と言う感じで彼等二人に言って聞かせていた。
「んじゃ~~~何で貴斗や涼崎さんじゃなく隼瀬なんだ?」
「はぁぁぁああぁあああああぁ・・・」
『そんなのもわかんないの』っという感じで、隼瀬と呼ばれる女の子は大きな溜息を吐いていた。
「貴斗はバイトがあるからって、チャイムが鳴ると同時に即行で教室出てった。それと春香と詩織は問題外でしょクラス違うし」
「貴斗、薄情だな、俺達がこんな目に合っているってぇ~~~のに!?
・・・、分ったさては貴斗のヤツ、藤宮さんとラブラブデートだなぁ~、こんちくしょうが!」
「なに言っての馬っ鹿じゃない?しおりンは、私と同じ水泳部よ。
しおりン、今まで部活サボったことないんだから。
それに貴斗はバイトだって言ったでしょ」
「何でそこでお前が怒った口調で言うんだ」
「ヒロユキがあまりにも馬鹿なこと言っているからでしょ」
「宏之、お前はどうなんだ。
こんな所でブラブラしていていいのか?
サッサと御剣先生の用事済ませて涼崎さんとデートでもしたらどうなんだよ、オイ」
「慎治には、関係ないだろ」
〈そろそろやばくない?〉
〈えっ、何が?〉
〈気付かないのか?ここまで会話だらだら流しておいてまだなんだよな、あれ・・・、・・・。
あれだって言ってるっしょ、あれだよ、あれ、
あぁあぁあぁ、本当にお前等、分からないのか?
あっ、そうかよ、じゃ~~~俺は勝手にやらせてもらうからな!読者の皆様、前置きが大変長く自己紹介まだでしたね、申し訳、御座いません。手遅れになる前に自己紹介しておくな。〉
〈俺は聖稜大学付属学園高等部3年普通科C組の八神慎治、自慢じゃないけど成績の方は結構上位。クラスの仲間からも程々に信頼されている?
ただ厄介な事にスポーツ以外まったく能無しの優柔不断、ドスケベで、馬鹿で、最低最悪男な宏之の悪巧みに何時も引っ掻き回されている。
それでも宏之とは馬が合ってしまう。奴とはとりあえず親友ランクな同級生〉
〈オイッ、慎治!誰が、無農薬?
いやいや、敏速行動派で、紳士で、最高至高の万能男だ。
ぅぅうん?褒め言葉じゃないか、照れるな・・・、
まったく本当の事言いやがって〉
〈いってねぇ~~~って、そんな事〉と彼は宏之の言葉に黄昏目を作り、溜息を吐く。
〈なぁ~~~んだ、宏之アンタ、自覚してなかったの?っていうかかなり間違った解釈しているわね、あんた。どうやったらそんな風に聞こえるわけ?〉
〈男は誰でもスケベだろがぁーーーっ!〉
〈宏之のバ・ア・イ、ドスケベだろ、違かったか?〉
〈うぬぅうぅうううっ、このままでは、読者にあらぬ誤解を招いてしまうかも・・・。
ちゃんと自己紹介すっか?柏木宏之とは俺の事だ。慎治、隼瀬と同じ学校の同学年同科、成績の方は、まあまあかな?学校の人気は・・・、よくわからんって言うか気にしていない。友達・・・、いや親友と呼べる奴らはココの二人と貴斗、藤宮さんと彼女の春香くらいかな?それと性格は自分でもよくわからんが慎治と隼瀬が言った事は間違いだから勘違すんなよ。俺の自己紹介終わり。ほれ、次は全身凶器少女の番だ〉
〈宏之、アンタ、シツッコイはよ!まったく学習能力足りないんじゃない?少し黙ってなさい〉
再び、香澄の鉄拳がまたも宏之の鳩尾にクリーンヒット。
〈グハぁッ、ヘル腹へるヘヴン!!?〉と意味不明な言葉を残して再び地面とファーストじゃないキスを交わしていた。
〈煩い奴も黙ったことだし、アタシも自己紹介しよっかなぁ~~~。・・・オホホッホ、アタクシ、何時もはこんなでなくてよ?隼瀬香澄、水泳部所属。自慢じゃないけど国内記録保持者、卒業後、実業団に入って水泳を続けていこうかなって思っています。オリンピックにも出て見たいなぁ、金色メダル取る自信すっごくあるしねぇ。成績は水泳の練習の方が大変で余り良くないけど、赤点は今まで採った事ないのよ、これはホント。ちぃ・なぁ~・みぃ・にぃ~、宏之さっき普通って言っていたけど、何時も赤点ギリギリ、大学進学も危ういってくらい。友達は、男女ともに結構居るけど何気に話せる男友達は宏之、慎治、貴斗の三人だけ。春香と詩織は親友で付け加えると詩織は幼馴染みで一緒に居る時は詩織の事をあだ名で呼んでいるわ。宏之、慎治は二年生、貴斗とは三年生になってからの付き合い。このあたりの事情は何時か、何処かで、明らかになると思うわよ。・・・・・・・・・それではお話の続きをどうぞ〉
「ほら起きろ、宏之!生活指導室の前まで来たぜ」
そう呼びかけながら宏之の両肩を掴み揺さぶっていた。
「・・・ううぅううっぅうっ!とうとう着いちまったか」
嫌そうな顔を造り宏之はそう口に出して言っていた。
「ご愁傷様ぁぁああぁっ!」
「がんばれよッ!」
「慎治、お前もな」
この後、慎治が香澄に扱き使われると思った宏之は苦笑し、その友の顔を見てから生活指導室へと入って行く。そして、宏之は2時間もの説教を受け、慎治は掃除の8割方を担当させられた。
夏、街の景色が一望できる高台の丘、大樹の木陰の芝生で寝転がっている者と木に背を凭れ座っている者がいた。
「しっかし、あっちぃ~なぁ~~~せっかく授業サボってここで休んでいるのによッ!」
「当たり前だろ、夏だからなぁ~。夏はごく一部の地域を除いて暑くて当然だ。しかも、からっとしてれば良いが蒸し暑いとくる」
季節の暑さをぼやいている学生に相方の学生がサラッと答えを返していた。
今は授業中。高校三年生の彼等二人は今の授業が自習なのをいい事にこの高台、しかも旧校舎裏、誰も来るはずがない場所の大きな桜の木の陰に居た。
「何とか、ならねぇ~のかこのクソ暑さ?」
そういいながら彼は芝生から身を起こし友達の方を向いた。
「そう思って、風通しのいい校舎裏の高台の木陰に来たんだが・・・、早く対策を講じないとお前の脳みそがドロドロになって余計オ・バ・カになっちまう。クックック」
「今なって言ったんだ、てめぇ~~~?」
その言葉を口にした学生はコメカミをピクピクと動かして、冗談で悪口を言って来た友達の胸座を左手で掴み、右手で拳を作り振り上げる振りを見せ付けた。
「ワッ、まっ、待て、冗談だよ、冗談」
「俺も冗談だよ、こんなくだらねえ事で一々怒てられるかよ。余計暑くなっちまう」
彼はそう言葉にするものの目は笑っていなかった。
「っんで、これからどうする?金曜日の四時限目の授業もそろそろ終わるころだろ?それさえ終われば、今日の授業は、ぉっしまい・・・。
学校のプールでも入って凉しんでから帰るか?」
この学校は夏の期間中、金曜日の四時限目以降、土、日と生徒達にプールを開放しているのだ。なんとも変わった学校である。それと水泳部のプールはちゃんと別にあるからこれまた凄い。さすがは有名私立・・・、関係ないかもしれない。
「却下」
「何だよ、アッサリと答えやがって何が不満なんだ?」
「プールってのは、いいけどよ」
「だから何なんだよ、はっきり言えよ」
それを口にした学生は相方が何を言うか予想していたがあえて尋ねていた。
「プールと言えば水泳、水泳と言えばアイツ、アイツと言えば水泳、水泳と言えば、プール」
問われた方は禅問答の様にその言葉を何回も繰り返していた。
「ダ・カ・ラ、アイツって誰だ?」
わかっていながら、それを言葉にした彼はぶつぶつと口にしている相方に聞き返した。
「全身筋肉少女っ」
「だぁあぁああぁぁぁれが?全身筋肉少女だってぇえええーーーーーーっ」
眼を光らせ、右手に拳を作り、顔の前でブルブルっと震わせながら一人の美少女?が二人の男子学生の前に何処からともなく突然と姿を現した。
「おっ、なんだ、おまえか?」
「誰がお前かよ。それって女の子に対して失礼じゃない?」
「ゲっ、出た、全身筋肉少女」
〈やっ、やべぇ~~~余計なこと口走っちまった〉
「アンタ、人を化け物みたいにっ、ぶぅうぅううっとばすわよっ」
それを言うより早く、その女子の拳は見事に中傷を口に出していた男子の鳩尾に炸裂させていた。
「うっッ!?」と呻きと一緒に彼女に殴られた学生は無残にも地面に倒された。
「うわ~~~目の前に綺麗なお花畑が広がってるぅ~~~。
あっ!向こうには、去年死んだ両親が・・・、・・・、・・・、
ああぁ、刻が見える?」
〈っておい、おい、まだ俺の両親は健在だ!それになんだ、その時が見えるって言うのは、何かのぱくりかぁっ!〉
「おぉおおぉおっおい、お前、確りしろ!大丈夫か?」
「ヒッ・ロ・ユッ・キ君だいじょぉ~~~ぶうぅ?」
殴った彼女はなんの悪びれも無く、抱き起こされたその男子に話しかけていた。そして、彼女の顔は小悪魔的な笑みを浮かべている。
「いってえぇ~~~なぁ、マジで死ぬかと思ったぜ、一瞬ヘヴン見えたし」
殴られたその彼は睨みながら彼女にそう返答していた。
「ヘルの間違いじゃない?
アンタがどっちに逝こうと今のアタシにはどうでもいい事だけどねぇ」
彼女は両手を逆ハの字にした仕草をとって呆れた様な仕草を二人の男子に見せた。
「処で、何でお前がココに居るんだよ?」
彼等二人とも不思議に思って同じ質問をその女子生徒に投げかけた。
「何だとはご挨拶ねぇ~~~、って言うかあんた達の耳、腐ってんじゃないの?」
彼女は呆れ顔を作り、アホ面している二人に向けた。
「誰の耳が腐ってるって?コイツならともかく」
「おい、そりゃテメぇーーーの方だろっ」
「はぁ~~~もういいわ、とりあえず言っておくねぇーっ。
四時限目はとっくの前に終わってるの。
チャイム聞こえなかった?ぁっ、若しかして二人ともこの暑さで頭やられちゃったとか?」
「コイツだけだ!この暑さで逝っちまってるのは」
「オイ、オイ、なに言ってんだ?それは、こっちの台詞だっつぅ~~~のっ!」
「まっ、それは置いといて」
さっき言っていた事はどうでも良いよと、彼女は話を切り替えた。
「勝手に話し切り替えるな。それでなんでお前がここにいるんだ?」
「それを言おうと思っていたのに勝手に話し中断させたのは二人でしょ?」
「アハハハッ・・・・・・・」
彼女の言葉に二人とも苦笑するしかなかったようだ
「アンタ達二人を探してたのよっ!」
そう言葉を口にしてから、その女の子はギロっと二人を睨んだ。
「何だ?俺に愛の告白か?」
短めの調髪に少しだけ癖ッ毛の残った方の男子がその言葉を言うと同時に、
『ゲスッ!バキぃッ』と2連発、そう言った相手へ彼女のパンチがヒット。
「ゲヘッ、グホッ」
殴られた衝撃で彼はよろめきその女子生徒の方へと倒れこんだ。
〈何だ?手に柔らかな感触があるぞ?〉
殴られてしまった男は無意識の内にその手を動かしていた。
『ムニュッ、ムニュッ、モミ、モミ』
〈う~~~ん、とも良い感触だなぁ〉
「ヒ・ロ・ユ・キィイィイイイィイィーーーッ、このドスケベ、へんたぁあぁぁぁーーーいっ。死ンジャエぇぇぇぇえええぇぇ~~~っ」
女の子はその男の子にその豊満な?胸をもまれていたのであった。
そして、彼女は怒りに任せて彼に乱舞撃をくらわしたのである。
「グハッ、ブヘッ、ガハッ、ドワッ、ノゲェ、ノホッ・・・・・・・、以下略」
スポーツ刈りで爽やかそうな風貌の男子はヒロユキと呼ばれた男子を助ける事なく、ご愁傷様と言う表情で傍観していた。そして、最後に「逝っちまったかぁ?」と口にしていた。
* * *
やがて、向こうの世界に逝っていた男子生徒が生還し、本題に入っていた。
「ヒロユキあんた、生活指導の御剣先生が探していたわよ」
女の子は嬉しそうな顔でボコボコニした相手を見ながらそう口を動かしていた。
「あのさぁ、それと慎治、アンタさぁ、掃除当番でしょ?アタシ、一人に掃除、やらせってバックレルきっ!」
彼女はキツク睨みながら当番相手に尋ねた。
「・・・・・・・・・・」と二人して沈黙。
「二人とも逃げようなって思ってなんかイ・ナ・イ・ワ・ヨ・ネぇ~~~?」
その女の子は両拳を鳴らしながら彼等、二人を威圧するように問い詰めていた。
「ヒロユキ、これで逃げたら御剣先生の説教がもぉおぉ~っと長くなると思わなくて?」
ニコニコし嬉しそうにヒロユキと言う名の生徒にそう言っていた。
「それと慎治、サボったらどうなるか分かってるわよね」
そして、彼女は右手の人差し指を〝ビッシ〟っと慎治と言うもう一方の生徒に突きつけた。
「・・・・・・・・・・・・逃げよっか?」
彼等二人、顔を合わせてそう口にした。そして、その瞬間、女子生徒の目が鬼の眼と変化した。
「しぃっ、慎治中尉、いっ、今、逃げるのは得策ではない!」
「わっ、私も今そう思ったところであります、宏之大佐!」
彼等は一瞬その場から逃げた後のことを想像してそんな軍属風口調の言葉を吐いていた。
「そっれじゃ~~お二人さん、教室に戻りましょうか」
彼女はさも嬉しそうに二人を連行して校舎へと進路をとり始めていた。
「そういえば、何で隼瀬、オマエが態々、呼びに来たんだ?」
「ヒロユキ、ちゃ~~~んと校内放送あったんだよ。やっぱ聞こえなかったみたいね」
「そりゃそうだな、チャイムは学校全体に聞こえても校内放送は校舎の中だけだからな、しかもここかなり離れだし」
慎治と呼ばれる学生は分った様にもう宏之と呼ばれる学生に代わって代弁。
「俺が聞きたいのは」
「分っているは、何でアタシがココに来たかって事でしょ?」
「だってココに二人がいるって想像できるのはァ~~~」と一瞬間を置いてから、
「アタシ、貴斗、春香としおりンくらいなもんでしょ?」
彼女は『そんなの分っているはずだよ』と言う感じで彼等二人に言って聞かせていた。
「んじゃ~~~何で貴斗や涼崎さんじゃなく隼瀬なんだ?」
「はぁぁぁああぁあああああぁ・・・」
『そんなのもわかんないの』っという感じで、隼瀬と呼ばれる女の子は大きな溜息を吐いていた。
「貴斗はバイトがあるからって、チャイムが鳴ると同時に即行で教室出てった。それと春香と詩織は問題外でしょクラス違うし」
「貴斗、薄情だな、俺達がこんな目に合っているってぇ~~~のに!?
・・・、分ったさては貴斗のヤツ、藤宮さんとラブラブデートだなぁ~、こんちくしょうが!」
「なに言っての馬っ鹿じゃない?しおりンは、私と同じ水泳部よ。
しおりン、今まで部活サボったことないんだから。
それに貴斗はバイトだって言ったでしょ」
「何でそこでお前が怒った口調で言うんだ」
「ヒロユキがあまりにも馬鹿なこと言っているからでしょ」
「宏之、お前はどうなんだ。
こんな所でブラブラしていていいのか?
サッサと御剣先生の用事済ませて涼崎さんとデートでもしたらどうなんだよ、オイ」
「慎治には、関係ないだろ」
〈そろそろやばくない?〉
〈えっ、何が?〉
〈気付かないのか?ここまで会話だらだら流しておいてまだなんだよな、あれ・・・、・・・。
あれだって言ってるっしょ、あれだよ、あれ、
あぁあぁあぁ、本当にお前等、分からないのか?
あっ、そうかよ、じゃ~~~俺は勝手にやらせてもらうからな!読者の皆様、前置きが大変長く自己紹介まだでしたね、申し訳、御座いません。手遅れになる前に自己紹介しておくな。〉
〈俺は聖稜大学付属学園高等部3年普通科C組の八神慎治、自慢じゃないけど成績の方は結構上位。クラスの仲間からも程々に信頼されている?
ただ厄介な事にスポーツ以外まったく能無しの優柔不断、ドスケベで、馬鹿で、最低最悪男な宏之の悪巧みに何時も引っ掻き回されている。
それでも宏之とは馬が合ってしまう。奴とはとりあえず親友ランクな同級生〉
〈オイッ、慎治!誰が、無農薬?
いやいや、敏速行動派で、紳士で、最高至高の万能男だ。
ぅぅうん?褒め言葉じゃないか、照れるな・・・、
まったく本当の事言いやがって〉
〈いってねぇ~~~って、そんな事〉と彼は宏之の言葉に黄昏目を作り、溜息を吐く。
〈なぁ~~~んだ、宏之アンタ、自覚してなかったの?っていうかかなり間違った解釈しているわね、あんた。どうやったらそんな風に聞こえるわけ?〉
〈男は誰でもスケベだろがぁーーーっ!〉
〈宏之のバ・ア・イ、ドスケベだろ、違かったか?〉
〈うぬぅうぅうううっ、このままでは、読者にあらぬ誤解を招いてしまうかも・・・。
ちゃんと自己紹介すっか?柏木宏之とは俺の事だ。慎治、隼瀬と同じ学校の同学年同科、成績の方は、まあまあかな?学校の人気は・・・、よくわからんって言うか気にしていない。友達・・・、いや親友と呼べる奴らはココの二人と貴斗、藤宮さんと彼女の春香くらいかな?それと性格は自分でもよくわからんが慎治と隼瀬が言った事は間違いだから勘違すんなよ。俺の自己紹介終わり。ほれ、次は全身凶器少女の番だ〉
〈宏之、アンタ、シツッコイはよ!まったく学習能力足りないんじゃない?少し黙ってなさい〉
再び、香澄の鉄拳がまたも宏之の鳩尾にクリーンヒット。
〈グハぁッ、ヘル腹へるヘヴン!!?〉と意味不明な言葉を残して再び地面とファーストじゃないキスを交わしていた。
〈煩い奴も黙ったことだし、アタシも自己紹介しよっかなぁ~~~。・・・オホホッホ、アタクシ、何時もはこんなでなくてよ?隼瀬香澄、水泳部所属。自慢じゃないけど国内記録保持者、卒業後、実業団に入って水泳を続けていこうかなって思っています。オリンピックにも出て見たいなぁ、金色メダル取る自信すっごくあるしねぇ。成績は水泳の練習の方が大変で余り良くないけど、赤点は今まで採った事ないのよ、これはホント。ちぃ・なぁ~・みぃ・にぃ~、宏之さっき普通って言っていたけど、何時も赤点ギリギリ、大学進学も危ういってくらい。友達は、男女ともに結構居るけど何気に話せる男友達は宏之、慎治、貴斗の三人だけ。春香と詩織は親友で付け加えると詩織は幼馴染みで一緒に居る時は詩織の事をあだ名で呼んでいるわ。宏之、慎治は二年生、貴斗とは三年生になってからの付き合い。このあたりの事情は何時か、何処かで、明らかになると思うわよ。・・・・・・・・・それではお話の続きをどうぞ〉
「ほら起きろ、宏之!生活指導室の前まで来たぜ」
そう呼びかけながら宏之の両肩を掴み揺さぶっていた。
「・・・ううぅううっぅうっ!とうとう着いちまったか」
嫌そうな顔を造り宏之はそう口に出して言っていた。
「ご愁傷様ぁぁああぁっ!」
「がんばれよッ!」
「慎治、お前もな」
この後、慎治が香澄に扱き使われると思った宏之は苦笑し、その友の顔を見てから生活指導室へと入って行く。そして、宏之は2時間もの説教を受け、慎治は掃除の8割方を担当させられた。
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お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
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