CRoSs☤MiND ~ 過ぎ去りし時間(とき)の中で ~ 第 二 部 涼崎 春香 編 ☆ 共有、心の支え ☆

Digital&AnalogNoveL

文字の大きさ
4 / 23
第 一 章 静寂した闇の中で

第三話 一 方 通 行

しおりを挟む
 季節は夏から秋に代わりそして冬へと移行していた。しかし、春香にそれを知る術を与えられていなかった。
 冬、外気が人の体温を下げて行くように心の中も下げてしまうそんな季節。だが、今、春香のいる空間は何処となく恥ずかしさの空気で暑くなっていた。
 今日は詩織ちゃんがお見舞いに来てくれていた。
 いつもの様に何も出来ない状態で彼女のお話を闇の中で聞いているだけ。
 翠は毎日、私の所に来てくれている。妹が無理していないか心配、大丈夫かなぁ?
「春香ちゃん、お見舞いに来てさしあげましたよ」
「アッ、詩織センパァ~~~~イ。こんにちは、ですぅ~~~」
「翠ちゃん、こんにちはいつも元気がよろしいようで。フフッ」
「今日も元気いっぱいですぅ!ッて、さっきお会いしたばかりじゃないですかぁ~」
「フフッ、そうでしたね。お元気が良いのは宜しい事ですが余り無理をしないでください。翠ちゃんが倒れてしまいましたら春香ちゃん、悲しみますから。私もそうですが無論、貴斗君もですよ」
「エッ、貴斗さんガデスカ?」
「そうですよ。貴斗君、顔にはお出しになりませんけど昔からとても心配性なのです」
「ふぅ~ん、そうなんだぁ。アッ、それより今からお姉ちゃんの体、拭き拭きするんですけど」
「それでは私もお手伝いさせていただきますね」
「はぁ~~~いですぅ」
 妹と彼女は私の身体を労わるよう丁寧にキレイにしてくれた。
 その後はいつもの手順で私の体のストレッチ。
「ハイッ、コレで全部しゅーりょーでぇ~す。お疲れ様でした先輩!」
「フゥ~~~」
「どうしたんですか溜息なんかついちゃってぇ?」
「春香ちゃんの身体綺麗だなぁ~~~ってお思いしただけです」
「!??????????????」
〈・・・・ナななナッ、何言ってるのよ、詩織ちゃん、へっ、変な事、言わないでよぉ~~~。そんな事ないもん、絶対詩織ちゃんの方が綺麗だよぉ〉
「・・・、女の性なのでしょうね・・・、他の人と自分の身体を見比べてしまうのは・・・・・」
 親友はそれだけ言うと顔を赤らめてしまったの。
「詩織先輩・・・・、贅沢ですぅ」
「翠ちゃん?今、何か申されました?」
「・・・何でもないですよ、ムッ」
〈翠、自分の小さい体を気にしているのね。でも大丈夫、そのうち大きくなるから・・・、保障出来ないけど、ハハッ〉
「アッ、私、詩織先輩が持ってきてくれたお花、活けてきますぅ」
 翠はそう言葉にすると私の部屋から出て行ってしまう。
 妹が出て行ってしまった後、詩織ちゃんが話しをかけてきた。
「ネェ、春香ちゃん。私、今日はですね、お花の中にスノードロップと言いますお花をお混ぜして見てみました。春香ちゃん貴女ならこの花言葉お判りになりますよね」
〈・・・ウンっ、判るよ。有難う詩織ちゃん〉
 詩織ちゃんとの共通の趣味、占いや花言葉。
 女の子だったら一度くらいは興味を持ってもおかしくないごく有り触れた趣味。
 そんな事はしないよぉ~~~って人にはごめんなさいね。
「アハハッ、ねえ春香ちゃん?少しお惚気てしまっても宜しいかしら」
〈ハハッ、藤原君の事ネェどんな事かなぁ?〉
「ネェ、春香ちゃん以前、柏木君とキスしたってお言いになりましたよね。ソッ、そのどのくらいしたのでしょうか」
〈!?何聞くのよ、詩織ちゃんそんな事を言えるわけないじゃない・・・・・週に一、二回くらいは・・・、ポッ〉
「って、申して見ましたけど答えてはくれませんよね。こっ、この前のですね、クリスマス・イヴであっ、あのその・・・、貴斗君と初めてその・・・ファーストきっ、キスをさせていただいたのです。貴斗君、鈍感だからそのようなムードまで持って行きますのが大変だったのですよ。でもね、貴斗君、私の期待、裏切りませんでしたからとても嬉しかったです」
〈・・・、いいなぁ~~~、何か凄くロマンティック。詩織ちゃんお淑やかそうな顔して結構大胆なのね・・・、ハハッ、それと詩織ちゃん大変そうだねぇ。そのてん宏之君は大丈夫・・・・・・はぅ、私、何を言っているんだろぅ〉
 詩織ちゃんの一方的な会話が丁度一区切りついた頃、妹の翠は戻ってきた。
「おねぇちゃぁ~ん、詩織センパァ~イィ、ただいまですぅ」
〈お帰り翠〉
「フフッ、お帰りなさいませ。そろそろ、お家に帰って勉強でもしませんか翠ちゃん」
「はぁ~~~いですぅ」
「春香ちゃん、それではまたお見舞い参りますね、それでは」
「おねえちゃん、まったあっしたぁ」
 二人はそう帰りの挨拶を残すとこの空間から消えて行ってしまった。
 彼女達が居なくなってしまったら何だか急激に当たりの温度が落ちてしまった気がするの。
 季節はまた冬から春に移り人々は新しいスタートラインに立とうとしていた。春香以外のすべての人が・・・。
 彼女はこの月の半ばごろに18歳の誕生日を向かえていた。
「ハッピーバースデーですぅ」
「春香ちゃん、お誕生日オメデトウ、御座います」
「祝福」
「・・・貴斗さん、それお祝いの言葉と違いますよぉ」
「祝辞」
「それも違います」
「祝詞」
「貴斗さぁ~~~ん若しかして態とやってませんかぁ~~~素直におめでとうって言えないんですかぁ?」
「俺は大マジの積りだが」
「ハァー、本当に貴斗君ったら、もう少し言葉をお選びした方が宜しいのではなくて?特に女性に対しては」
「ムッ#」
〈ハハッ、詩織ちゃん、厳しい〉
 私は、誕生日を祝ってくれた三人に感謝の思いで胸がいっぱいになってゆくのを感じた。
 今日は18回目の誕生日のようですねぇ。本当に今日がその日なのか分かりません。でも、とても嬉しい事です。香澄ちゃんと宏之君が来てくれていないのはどうしてでしょうか?とても残念です。
「おねぇちゃぁ~ん、私はお子様なので何も差し上げられませんがパパとママからプレゼント、預かってきましたよぉ~~~」
〈ゥん、ゥん、いいの、翠気持ちだけで充分、有難う〉
「わたくしは貴斗君とご一緒に買いましたプレゼントです。アンティークなブックマーカーのセット。お選びしましたのは貴斗君ですよ、フフッ、とてもよろしいセンスですのでお早めに見ていただきたいです」
「詩織、余計な事を言うな」
「別によろしくてはないのですか?減るモノではなくてよ」
「ムムッ###」
〈有難うねぇ、詩織ちゃん、藤原君。早く見てみたいなぁ、藤原君一体どんなもの選んでくれたのかぁ楽しみです〉
「今日もお花お持ちいたしましたよ。その花束の中に紫雲英(ゲンゲとも発音します)と言います花をお混ぜしました。今の貴女には似つかわしく思いますが春香ちゃんの誕生花なのでお添えして見たのです。時期が一月早いので手に入れるの、苦労したのですよ」
〈・・・、紫雲英の花言葉は確か・・・ハッ!?〉
 闇の中で本当に嬉しくて詩織ちゃんやみんなに感謝して私は泪を流してしまったみたい。
〈有難う・・・、本当に有難う、今こんなじゃなかったらみんなに抱きついてお礼したかったのに、でも今の私にはどうする事も出来ないのね〉
 詩織ちゃんと翠、私を含めて楽しい一方的な談笑をしていました。
 藤原君は居心地が悪かったのか途中で言葉を残して出て行ってしまうの。
「俺ちょっと、医局に用事があるから、暫く席を外す」
 そして、彼は誰の反応も聞かずここから出て行ってしまった。
 藤原君の戻ってきた頃は詩織ちゃんも翠も帰る準備をしている事でした。
「おねぇちゃぁん、合格ですぅ!」
〈翠、合格オメデトウ〉
 今日は妹の高校合格発表があったようですね。
「合格発表の掲示板中々見れなくて大変だったんですよぉ。その時ですぅ、貴斗さんが・・・、とても大胆な事するから・・・・・・・・・」
 翠はそこまで言い終わると頬を幾分上気させていたみたいなの。
 とおもっていたら急にダウン。
「ハァ~、貴斗さんは私の事、女の子だと思ってないのかなぁ、何だかとってもガックリですぅ」
〈ハハッ〉と私は闇の中で思わず苦笑してしまったの。
「えへへっ、だからその腹癒せに貴斗さんのお財布の中身をスッカラカンにしちゃってあげましたぁ~~~~」
〈・・・・・・、ハァ~~~~~〉
 呆れて何も考えられなかったの。そして、いくらか妹が私に話しかけた後、いつものように体をキレイにしてくれて、ストレッチをしてくれました。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』

まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。 朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。 「ご主人様の笑顔が見たいんです」 その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。 全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!? 甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。 ​「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」 ​「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」 ​「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
 女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!  HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。  跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。 「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」  最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...