竜の里

神在琉葵(かみありるき)

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「フリード!シュミットー!」

エヴァは二人に大きく手を振りました。
 二人は三人の所に向かって駆け出しました。



 「あ、二人に紹介するわね!
こっちが次男のシュミット…飾り職人の修行中よ。
それから、こっちがフリード…王都の騎士団に入ってるの。昨年、奥さんと別れたから今は独身よ。」

 「母さん…そんなこと、言わなくて良いだろ!」

フリードの抗議に、エヴァは小さく肩をすくめました。



 「フリード、シュミット…この二人はね、私の古くからの友人なの。
あんた達にも良く話してるでしょ?
 同じ村の双子の…」

 二人は頷きました。



 「こちらがレイナ。
そして、こちらがライアよ。」

 「初めまして。」

 四人はお互いに握手を交わしました。



 「フリード…初めてじゃないのよ。
あなたが生まれたばかりの頃、一度会ってるのよ。」

 「そうなんですか…」



 (綺麗な人だな…)

フリードは、なぜだかライアに特別な感情を抱きました。



 (精悍で素敵な人…)

それは、ライアも同じでした。
フリードはライアよりずいぶん年下でしたが、強く惹かれるなにかを感じたのです。



 「あら?」



その時、黒い大きな影が射し、皆が空を見上げましたが、そこにはただ青い空が広がっているだけでした。



 ~Fin.
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