泡沫の刻(ウタカタノトキ)

神在琉葵(かみありるき)

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 「じゃあ、行こうか…」

 「……行くってどこへ?」

 「どこって、わかっていないのか?
おまえさんの魂は俺が狩った。」

 「魂を…狩った……?」

アルマンは、呆然とした様子で同じ言葉を繰り返す。



 「覚えていないのか?
おまえは、さっき自ら命を断とうとしていた。」

 「ぼ、僕が…自ら命を……」

アルマンは一語一語を噛みしめるように呟いた。



 「そうだ、そのまま放っておけば良かったんだが、俺はそれを見て、慌てておまえの魂を狩ってしまった。
 勝手にけりを付けられたくなかったからな。」

 「……どういうことだい?」

 「カミーユから聞いてなかったのか?
あいつは俺に魂を引き渡す契約をした。」

 「そ、それじゃあ、あんたは……!!」

アルマンは怯えた目をして、男の傍からじりじりと後ずさった。



 「時間通りに来たつもりだったんだが、いささか早かったようだ。
そこで思いがけない光景を見てしまい、俺は慌てて魂を狩った。
それが、カミーユの魂じゃないと気付いたのは狩った後だった。
 全く、俺としたことが…」

 「僕とカミーユが入れ替わってたから間違えたということか…!?」

 「その通りだ。」

 「そ、それじゃあ、僕を元に戻しておくれよ!
そして、カミーユの魂を持って行けば良いじゃないか。」

アルマンの言葉に、男はゆっくりと首を振る。


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