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(し)ジャージ上下
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(よし。決めた!)
明日からの連休…私は実家に帰ることを決めた。
今まで、仕事だなんだって理由を付けては、お正月でさえなかなか実家に帰らなくて…
気が付いたら、もう四年も帰っていなかった。
そのことに気付いたら、妙に罪悪感を感じてしまって、ここんとこ、落ち着かない日々を過ごしてしまった。
母さんに電話しようと思ったものの、その手を止めた。
どうせなら急に行ってびっくりさせてやろう。
そんなことを考えると、ちょっとわくわくした。
*
日頃の申し訳なさから、ちょっと高価なお土産を買って、電車とバスを乗り換えて、実家に戻った。
家を出てから四時間半…確かに遠いといえば遠いけど、四年も帰れないような距離じゃない。
ますます罪悪感が募った。
バス停から歩いて10分。
荷物が多いと、それなりに疲れる。
そう…交通の便が悪いから、帰るのが面倒だっていうのもあった。
母さんにはとりあえず毎日メールはしてるし、わざわざ帰らなくても…そんな風に考える事もあった。
でも、さすがに四年も帰らないのはやっぱり心が痛んだ。
何も言わずに戸を開ける。
引き戸にはやはり鍵はかかっていなかった。
玄関に上がった時、母さんが奥から出て来た。
「美和子!どうしたの?」
「ただいま。」
母さんは驚いてたけど、私も驚いた。
だって、母さんが私の中学時代のジャージを着てたから…
「とにかく早くあがって。」
茶の間に座ると母さんがお茶を入れてくれた。
家ではペットボトルのお茶しか飲んでなかったから、なんだかほっとする。
「母さん、そのジャージ…」
「あはは、バレちゃった。
これ…着やすいから家にいる時、着てるのよ。
それより、あんた、どうしたのよ。」
「うん、連休だから、ね。」
「そう…」
どうして、母さんは私のジャージなんて着てるんだろう?
「そんなに変?」
「え?う、うん。」
「これ着てるとね…なんだか落ちつくのよ。」
しみじみとそう言った母さんの言葉に、やっぱりこれからはもっと帰って来ようと…ふとそんなことを思った。
明日からの連休…私は実家に帰ることを決めた。
今まで、仕事だなんだって理由を付けては、お正月でさえなかなか実家に帰らなくて…
気が付いたら、もう四年も帰っていなかった。
そのことに気付いたら、妙に罪悪感を感じてしまって、ここんとこ、落ち着かない日々を過ごしてしまった。
母さんに電話しようと思ったものの、その手を止めた。
どうせなら急に行ってびっくりさせてやろう。
そんなことを考えると、ちょっとわくわくした。
*
日頃の申し訳なさから、ちょっと高価なお土産を買って、電車とバスを乗り換えて、実家に戻った。
家を出てから四時間半…確かに遠いといえば遠いけど、四年も帰れないような距離じゃない。
ますます罪悪感が募った。
バス停から歩いて10分。
荷物が多いと、それなりに疲れる。
そう…交通の便が悪いから、帰るのが面倒だっていうのもあった。
母さんにはとりあえず毎日メールはしてるし、わざわざ帰らなくても…そんな風に考える事もあった。
でも、さすがに四年も帰らないのはやっぱり心が痛んだ。
何も言わずに戸を開ける。
引き戸にはやはり鍵はかかっていなかった。
玄関に上がった時、母さんが奥から出て来た。
「美和子!どうしたの?」
「ただいま。」
母さんは驚いてたけど、私も驚いた。
だって、母さんが私の中学時代のジャージを着てたから…
「とにかく早くあがって。」
茶の間に座ると母さんがお茶を入れてくれた。
家ではペットボトルのお茶しか飲んでなかったから、なんだかほっとする。
「母さん、そのジャージ…」
「あはは、バレちゃった。
これ…着やすいから家にいる時、着てるのよ。
それより、あんた、どうしたのよ。」
「うん、連休だから、ね。」
「そう…」
どうして、母さんは私のジャージなんて着てるんだろう?
「そんなに変?」
「え?う、うん。」
「これ着てるとね…なんだか落ちつくのよ。」
しみじみとそう言った母さんの言葉に、やっぱりこれからはもっと帰って来ようと…ふとそんなことを思った。
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