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回想
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(一体どういうつもりなんだろう…あんなおかしなことを言うなんて…)
私には男性の言葉の意味が皆目わからなかった。
その場の勢いで出て来てしまったけれど、これからどうしたら良いのかもわからなかった。
だけど、もしも、あの男性の言うことが本当なら…
おかしなことは言ったけれど、この村に電話がないというのは本当のことかもしれない。
そう思ったのは、この村に電柱のようなものが一本もないことに気付いたから…
だとしたら、この村にいても仕方がない。
あたりは真っ暗で不安だけど、早く隣の村に行くべきだ。
疲れてるし、お腹も減ってるし、不安で仕方なかったけれど、私はとにかく道なりに歩き続けた。
しばらく歩いても、やはり、電柱はなかった。
この村に電話がないというのは嘘ではないと思えた。
点在する民家、田畑、馬小屋や牛小屋、桜並木…そういうものを通り過ぎながら、私は月明かりの下、ただひたすらに歩き続けた。
思ったよりも広い村だったのか、疲れてるからずいぶん歩いたような気がするだけなのか、足が痛くなるほど歩いた時、森のような場所に出くわした。
暗い中、明かりも持たずに森に入るのは気が進まなかったけれど、私には行くしかない。
(ここまで来て引き返すことは出来ない!
前に進まなきゃ…!)
私は自分自身を励まし、森の中に足を踏み入れた。
歩を進める毎にあたりは暗さを増す。
木々の間から差し込むほのかな月明かりだけを頼りに、私は森の中を進んだ。
何かがぬっと出てきそうな不気味な気配に怯え、泣きそうになりながらも、私は森の中を進み続けた。
それは前向きな気持ちからではなく、もう引き返すだけの気力がなかったから…
心も身体もくたくたで、出来ることならその場に身を横たえたい気分だった。
だけど、こんな真っ暗な森の中で横になるだけの勇気はない。
早くこの森を抜けたいという本能だけが、私の足を動かしていた。
やがて、あたりが少しずつ明るくなり、木々がまばらになり始めた。
ようやく森を抜けたのだ。
ほっとして、いつの間にか私の頬を熱い涙が濡らしていた。
私には男性の言葉の意味が皆目わからなかった。
その場の勢いで出て来てしまったけれど、これからどうしたら良いのかもわからなかった。
だけど、もしも、あの男性の言うことが本当なら…
おかしなことは言ったけれど、この村に電話がないというのは本当のことかもしれない。
そう思ったのは、この村に電柱のようなものが一本もないことに気付いたから…
だとしたら、この村にいても仕方がない。
あたりは真っ暗で不安だけど、早く隣の村に行くべきだ。
疲れてるし、お腹も減ってるし、不安で仕方なかったけれど、私はとにかく道なりに歩き続けた。
しばらく歩いても、やはり、電柱はなかった。
この村に電話がないというのは嘘ではないと思えた。
点在する民家、田畑、馬小屋や牛小屋、桜並木…そういうものを通り過ぎながら、私は月明かりの下、ただひたすらに歩き続けた。
思ったよりも広い村だったのか、疲れてるからずいぶん歩いたような気がするだけなのか、足が痛くなるほど歩いた時、森のような場所に出くわした。
暗い中、明かりも持たずに森に入るのは気が進まなかったけれど、私には行くしかない。
(ここまで来て引き返すことは出来ない!
前に進まなきゃ…!)
私は自分自身を励まし、森の中に足を踏み入れた。
歩を進める毎にあたりは暗さを増す。
木々の間から差し込むほのかな月明かりだけを頼りに、私は森の中を進んだ。
何かがぬっと出てきそうな不気味な気配に怯え、泣きそうになりながらも、私は森の中を進み続けた。
それは前向きな気持ちからではなく、もう引き返すだけの気力がなかったから…
心も身体もくたくたで、出来ることならその場に身を横たえたい気分だった。
だけど、こんな真っ暗な森の中で横になるだけの勇気はない。
早くこの森を抜けたいという本能だけが、私の足を動かしていた。
やがて、あたりが少しずつ明るくなり、木々がまばらになり始めた。
ようやく森を抜けたのだ。
ほっとして、いつの間にか私の頬を熱い涙が濡らしていた。
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