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デイジーとは裏腹に、二人の王は、浮かない顔をしていました。 
なにせ、二人の王には何も見えず、何も聞こえないので、デイジーの言うことが信じられなかったのです。



ですが、次の日の朝、湖から溢れ出た水がだいぶ引いていたのです。
 人の膝近くまで水に浸かっていた城下町は、足首のあたりまでに水位が下がっていました。
その後も順調に水は引き、一週間もしないうちにメイラー湖の水位は元に戻りました。 
その現状を目にしたら、二人の王もデイジーの話を信じないわけにはいきません。



 (良かった…私の力が役に立ったのね…)

アルバは、胸が熱くなるのを感じました。



 「本当にありがとう!君達にはとても世話になったな。」

デイジーやダリルは、お城に呼ばれ、ミルトン王からたくさんの褒美を受け取りました。
アルバも当然、ダリル達の傍にいましたが、その姿はやはり国王達には見えません。

 三人は、やり遂げた充実感を胸に、地上に戻って行きました。
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