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一緒に時を過ごす度に、エメットとアーサーはすっかり意気投合してしまい、お互いのことを好きになってしまったのです。 



 「ブレンダー王…いかがでしょうか?」

 「そ、そう言われても急なことだし…
エメット…本当なのか?
おまえは、本当にアーサーと一緒になりたいと思っておるのか?」

 「はい、陛下。
 私は、アーサー様の誠実なところに惹かれました。
 愛国心も強いお方ですし、行動力もあり…
私は、アーサー様以外とは誰とも結婚するつもりはございません。」

 真っすぐな視線でそう言ったエメットの言葉には、強い意志が込められていました。
ローランド王国とフォモール国の戦いを止めたのはアーサーの知恵によるもの…ブレンダー王はアーサーには最初から良い印象を抱いていましたし、そうでなくとも、エメットを溺愛するブレンダー王には、王女の願いを断ることなどとても出来ません。



 「……そうか、わかった。
……ミルトン王、それでよろしいかな?」

 「私には異存はありません。
フォモールには他の王族等いませんし、いつも、貴族の者か城に勤める者から結婚相手を選ぶのがこの国の習わしでした。
ローランド王国の、しかも、こんな美しい姫様に来ていただけるなんて、本当にありがたいことです。」

 「ありがとうございます!」

アーサーとエメットはとても幸せそうに微笑みました。
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