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「その通りだな、感謝してるぜ。
それはそうと、一体、何があったんだ?」

 目が暗さに慣れ、あたりの様子がぼんやりと映し出される。
その光景に僕は息を飲んだ。



 「こ、これは……」

 「え?」

 他の者達も、周りの様子に驚き、言葉を失った。



 「……隕石だ。」

 「隕石……?」

 「とにかく、ここではなんだ。
 皆、ついてきてくれ。」




 僕達は、男達の後について歩いた。
 歩くにつれ、あたりの様子が良く分かり、僕は自分の見ているものが信じられない想いだった。



 建物らしきものは全て壊れ、あたりは瓦礫の山と化していた。
まだ所々火がくすぶっているところもある。
 僕の頭の中には、400年程前の光景しかないけれど、きっとこのあたりには見上げるような高い建物が立ち並んでいたはずだ。



なのに、今、ここにはそんなものは一棟もない。
まるで、戦場のようだった。
すべてが破壊尽くされ、死に絶えている。



 「入ってくれ。」



 男は、僕らを掘っ建て小屋のような所へ案内した。
その近辺には似たような粗末な建物がいくつかあった。



 「そこらに座ってくれ。」

 地面に薄いシートのようなものが敷かれただけの所へ、僕達は腰を下ろした。



 「挨拶が遅れたな。俺はマックス。
それと、こいつがアラン、こっちがジェームスだ。」

 僕達も各自、簡単に自己紹介をした。



 「それで、さっきの話なんだが…この惨状は隕石が落ちたせいだっていうのか?」

 「あぁ、その通りだ。
 隕石が地球に近付いていることは、前から分かっていた。
だが、隕石はミサイルによって破壊されることになっていた。
 万一の場合にも備え、ミサイルの迎撃は三段階準備されており、地上には何の支障もないと言われていたから、俺達もあまり心配はしていなかった。
だが…コンピュータの計算が合わなかったのかなんだかわからないが、ミサイルは隕石にかすりもしなかった。
 三度目の迎撃で少しだけかすったものの、それはほんの少し隕石の軌道を変えただけだった。
 二つの隕石は、地表に落下した。」

 「な、なんだって?隕石が二つも落っこちて来たっていうのか?」

マックスは頷いた。
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