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私は、加害者の妻となった。
私を酷い目に遭わせた男の妻になるなんて、どうかしている。
私の中の冷静な人格はそう言うのだけど、それよりも野心の方が強かった。
私は今頃になって初めて加害者のことを知った。
横山重行、28歳。
私より3つ年下ということも、今回初めて知った。
ある大手の建設会社の会長の次男だった。
なんと、この年ですでにバツ2らしい。
きっと、問題のある男なのだろう。
だけど、そんなことはどうでも良い。
私は、愛を求めて結婚を望んだわけではないのだから。
私が欲しかったのは、地位と名誉だけなのだから。
三度目ということで、式は質素にする…と言われていたが、いざ蓋を開けてみると、けっこうな人が集まっていた。
一流のホテルでの結婚式で、着飾った私に皆が注目する。
それは快感以外の何者でもなかった。
「あくまでも形式上の結婚だからな。
俺はこれからも自由にする。
おまえも好きにしろ。
だが、スキャンダルになるようなことだけは絶対にだめだからな。」
「はい、わかっています。」
薄い唇から冷たい言葉が吐き出された。
彼は、私が被害者だということを知っていながら、謝罪の一言もなかった。
きっと、なんとも思っていないのだろう。
でも、それならそれで良い。
ここまで割り切った関係なら、却って清々しいというものだ。
私は、また夢を叶えた。
それも、思ってたよりもずっと容易く…
両親には黙っていたかったけど、そうもいかないから、籍を入れてから報告した。
相手の両親に挨拶したいだのなんだの言うから、海外にいると嘘を吐いた。
考えてみれば、あの事故以来、私は親には嘘ばかり吐いている。
いつかバレるかもしれないけれど、やはり今は本当のことを言う気にはなれなかった。
私を酷い目に遭わせた男の妻になるなんて、どうかしている。
私の中の冷静な人格はそう言うのだけど、それよりも野心の方が強かった。
私は今頃になって初めて加害者のことを知った。
横山重行、28歳。
私より3つ年下ということも、今回初めて知った。
ある大手の建設会社の会長の次男だった。
なんと、この年ですでにバツ2らしい。
きっと、問題のある男なのだろう。
だけど、そんなことはどうでも良い。
私は、愛を求めて結婚を望んだわけではないのだから。
私が欲しかったのは、地位と名誉だけなのだから。
三度目ということで、式は質素にする…と言われていたが、いざ蓋を開けてみると、けっこうな人が集まっていた。
一流のホテルでの結婚式で、着飾った私に皆が注目する。
それは快感以外の何者でもなかった。
「あくまでも形式上の結婚だからな。
俺はこれからも自由にする。
おまえも好きにしろ。
だが、スキャンダルになるようなことだけは絶対にだめだからな。」
「はい、わかっています。」
薄い唇から冷たい言葉が吐き出された。
彼は、私が被害者だということを知っていながら、謝罪の一言もなかった。
きっと、なんとも思っていないのだろう。
でも、それならそれで良い。
ここまで割り切った関係なら、却って清々しいというものだ。
私は、また夢を叶えた。
それも、思ってたよりもずっと容易く…
両親には黙っていたかったけど、そうもいかないから、籍を入れてから報告した。
相手の両親に挨拶したいだのなんだの言うから、海外にいると嘘を吐いた。
考えてみれば、あの事故以来、私は親には嘘ばかり吐いている。
いつかバレるかもしれないけれど、やはり今は本当のことを言う気にはなれなかった。
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