宿星の恋人

神在琉葵(かみありるき)

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『信じられない!私の声が聞こえるなんて…』

 「こちらこそ、信じられん。
なぜ、猫と会話が出来るのだ?」

 『私は猫ではありません。
 信じられないと思いますが、私こそが本物のリンなのです。』

 「何!?本物のリン??
 一体、どういうことなのだ?」

 『私は魔物に体を乗っ取られたのです。
 異界からやって来た魔物です。
 私の体を乗っ取る時に、私の魂をエルザに移したのです。』

 「な、なんだって!?あのリンが魔物だと?」

アーロンは、一際大きな声で問いました。



 『はい、体に魂が合わないせいか、魔物に乗っ取られてから、私の体は弱っていくばかりです。
エルザの体も、弱っています。』

 「なんと…そんなことが…
しかし、なぜそのようなことになったのだ?」

 『魔物は、愛する王子を長い間探していると言いました。
そして、王子と結婚するために、私の体が必要なのだと言いました。』

 「どういうことなのだ?
 私には意味が良くわからぬ。」

 『私もよくはわかりません。
 魔物は、私には申し訳ないことをしたと謝ることもあるのですが、それでも、どうしても王子のことが諦めきれないと言って泣くのです。』

アーロン王子は事情が良く呑み込めずに戸惑いました。



 「それではどうすれば良いのだ?
あの魔物を退治すれば良いのか?」

 『いえ、そんなことをしてしまったら、私の体は死んでしまいますし、私は一生元の体に戻れなくなります。』

 「ならば、どうすれば良いのだ!?」

アーロンは、苛立った声でエルザに訊ねました。



 『とにかく、まずは家に戻りましょう。
もう一度、詳しい事情を魔物に訊いてみましょう。
もしかしたら、王子様になら話してくれるかもしれません。』


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