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(すべては成り行きに任せるしかないな…)



俺には開き直ることしか出来なかった。
おそらくは、メアドの収集のための迷惑メールだったのだろう。
なんと、単純なものにひっかかってしまったことか…
いい年をしてるから、もうありきたりの迷惑メールにはひっかからない自信があった。
なのに、あのメールは、そんな俺の意表を突くものだったのだ。
よくある内容とはまるで違うものだった。
ただ、俺の心の中に何十年も居座っていたある「想い」に、真正面からぶつかって来られたから、俺にはもう逃げる術がなくて…



今更、なにくだらない言い訳をしているんだろう…
俺が騙されたことに違いはないのに…



それに、あんなメール…
もし、本当に過去の俺が見たとしても、絶対に無視だ。
俺の才能をねたんだ奴が送ってきたんだろうとしか思わない。



そう…俺は自信があった…



俺の未来は輝かしいものだって、信じてた…



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