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愛彩

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(あのお客様……私のコーディネートを着て下さってるかなぁ?)



 余程、印象深かったのか、度々思い出してしまう。
お店の中をあちこち歩きまわっては、溜め息を吐く姿が、妙に目について…



私は、初めてお客さんに自分から声をかけた。
お声がけは推奨されてはいるけれど、今までなかなか出来なかった。
だけど、あのお客様は明らかに悩んでらっしゃったようだから…



私がおすすめした服は、とても良く似合われていた。
 嬉しいことに、お客様は私のコーディネートを信じて下さったのか、おすすめしたものすべてをお買い上げして下さった。



すごく嬉しかった。
 私みたいな新人のおすすめを信じて下さって…



あのお客様は、あの服をどこに着て行かれるのだろう?
やっぱり、デート?
 地味な服装をされてたせいか、目立たないタイプの方だったけど、スタイルが良くて、理知的な顔立ちをされていたから、もちろん彼女さんはいるだろうな。
あ…年齢的に考えると、奥様でも不思議はないな。



 羨ましいな…
あんな素敵な方と一緒にデート出来る方が…
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