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はじまりのはじまり

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僕は、家を出てあたりを散歩した。
そして、あらためて空気のおいしさみたいなものに気がついた。
ここでは、まだ環境を壊すようなものはほとんどないから、こんなに空気が綺麗なんだな。
 空も広くて気持ちが良い。
うん、田舎暮らしっていうのも悪くない…って、そんなこと言ってる場合じゃない。
 僕は自分の世界に戻らなきゃならないんだから!



しばらくすると、おじさんが戻って来るのが見えた。
また昨日と同じように、両手と背中に抱えきれない程の荷物を持って、僕に向かってにこやかな笑みを投げかける。



 「おはようございます~!」

 荷物を揺らしながら、おじさんは駆けて来る。



 「もうおきてらっしゃったんですね。
すみません。すぐに朝食の準備をしますから…」

そう言うと、おじさんは一目散に家の方へ走り出す。
そうか…おじさんは僕よりも早起きをして、朝食に必要なものを調達してくれたんだ。

 僕もなにか手伝えることはないかと家の中に戻ると、居間にはリッチーがいた。



 「おうっ!」

リッチーは僕に気付くと、そう言って大きな口を開けてあくびをした。
 僕に対する尊敬の念は皆無だとわかるあくびだった。



 「おはよう、リッチー。
……エドガーは?」

 「さぁ…まだ寝てるんじゃないか?」

どうやらエドガーは朝が苦手のようだ。
いかにもそんな雰囲気はあるけど…
むしろ、朝から元気にジョギングでもされたらその方が驚いてしまう。
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