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隣町を目指して

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 「なぁ、さっきから思ってたんだけど……」

 長い長い沈黙の後、リッチーがようやく口を開いた。



 「どうしたのです?」

 「なんでこんな風に道を歩いてるんだ?
あの森に行くなら、こんな道を歩くよりこっからまっすぐ進んだ方がずっと近いじゃないか。」

リッチーはそう言いながら,森の方を指差した。

 確かにリッチーの言う通りだ。
 僕もそれは不思議に思ってた。
だけど、先頭のおじさんが道に沿って歩いて行くから、なんとなくそれに続いてて……



「リッチー、忘れたのですか?
 街道というものは、魔物の出現率がものすごく低いのですよ。
その証拠に、いまだに一匹も出会ってないじゃありませんか。」

 「その話なら俺だって聞いたことはあるさ。
だけど、考えてみろよ。
 俺達は、最初の町で普通の者の何倍も働いて完全な装備や道具を揃えて来た。
このあたりじゃ、そう強い魔物も出て来ないはずだし、少しくらい冒険しても良いんじゃないか?
っていうより、こんな用心深く進んでたら、強くもなんともなれないぜ!」


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