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第一の依頼
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「……どう?これでわかった?」
勝ち誇ったようなエミリーちゃんの言葉に、僕達はただ黙って頷いた。
「……す、すげぇ。
だ、だけど、なんで、おまえ、そんな魔力を持ってるんだ?」
「そんなこと、知らないわ。」
「……あ、もしかしたら……」
アンジュさんの視線が宙をさ迷い、小さな声で呟いた。
「なにか思い当たることでもあるんですか?」
「ええ…エミリーちゃんが元々魔法の素質を持っていたのは事実ですが、この子はとにかく小さな頃からよく森に出掛けてました。
そして、そこで好んで魔力の実を食べていたのです。」
「なるほど……きっとそのせいですね。
小さな頃から魔力の実を食べ続けたことで、エミリーちゃんの魔力はどんどん増幅されていった……」
「じゃ…森からよく聞こえてたあの絶叫は……」
なんてこった。
こんなすごい魔法使いなら、なにも心配して探しに行く事はなかったんだ。
なんせ、苛められてたのは森の魔物の方だったんだから。
その後、僕達は魔力の実を取りに森へ向かった。
エミリーちゃんの姿を見ると、魔物達は血相を変えて逃げて行く。
なんてすごいんだろう…こんなちっちゃい時から、森の魔物達を震え上がらせるなんて…
僕は羨望の眼差しで、エミリーちゃんをじっとみつめた。
「これです。これが魔力の実です。
昔はここら一帯にあったんですが、今は……」
アンジュさんの指差す先にあったのはたった数本の木だった。
実もわずかしかついていない。
他の木は無残にへし折られている。
なんでも、エミリーちゃんは実に手が届かないから、魔法でへし折って採っていたのだという。
「私はてっきり魔物の仕業だと思ってました……」
へし折られた木の前で、アンジュさんはそう言って複雑な表情を浮かべた。
「……この分では再生は望めませんね。
残った木だけでも、なんとか枯らさないようにしなくては……
エミリーちゃん…この木は大切なものですから、もう折ってはいけませんよ。」
「わかってるもん!」
エミリーちゃんは、不機嫌そうにそう答えると、ぷいと顔を背けた。
勝ち誇ったようなエミリーちゃんの言葉に、僕達はただ黙って頷いた。
「……す、すげぇ。
だ、だけど、なんで、おまえ、そんな魔力を持ってるんだ?」
「そんなこと、知らないわ。」
「……あ、もしかしたら……」
アンジュさんの視線が宙をさ迷い、小さな声で呟いた。
「なにか思い当たることでもあるんですか?」
「ええ…エミリーちゃんが元々魔法の素質を持っていたのは事実ですが、この子はとにかく小さな頃からよく森に出掛けてました。
そして、そこで好んで魔力の実を食べていたのです。」
「なるほど……きっとそのせいですね。
小さな頃から魔力の実を食べ続けたことで、エミリーちゃんの魔力はどんどん増幅されていった……」
「じゃ…森からよく聞こえてたあの絶叫は……」
なんてこった。
こんなすごい魔法使いなら、なにも心配して探しに行く事はなかったんだ。
なんせ、苛められてたのは森の魔物の方だったんだから。
その後、僕達は魔力の実を取りに森へ向かった。
エミリーちゃんの姿を見ると、魔物達は血相を変えて逃げて行く。
なんてすごいんだろう…こんなちっちゃい時から、森の魔物達を震え上がらせるなんて…
僕は羨望の眼差しで、エミリーちゃんをじっとみつめた。
「これです。これが魔力の実です。
昔はここら一帯にあったんですが、今は……」
アンジュさんの指差す先にあったのはたった数本の木だった。
実もわずかしかついていない。
他の木は無残にへし折られている。
なんでも、エミリーちゃんは実に手が届かないから、魔法でへし折って採っていたのだという。
「私はてっきり魔物の仕業だと思ってました……」
へし折られた木の前で、アンジュさんはそう言って複雑な表情を浮かべた。
「……この分では再生は望めませんね。
残った木だけでも、なんとか枯らさないようにしなくては……
エミリーちゃん…この木は大切なものですから、もう折ってはいけませんよ。」
「わかってるもん!」
エミリーちゃんは、不機嫌そうにそう答えると、ぷいと顔を背けた。
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