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第二の依頼
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「……遅いですね。
まさか、狼煙に気付いてないんじゃ……」
おじさんのその言葉が僕を心細い想いにさせた。
確かに夜の狼煙は見えにくい。
でも、二人も狼煙には常に注意してくれてるはずだし、今夜は月も明るいから気付かないことはないと思うんだけど……
でも、本当に気付いてなかったらどうしよう!?
そのうち、マック達に先にみつかって……そんなことになったら僕達……
「いーさん!」
暗い洞窟の中で不意に名前を呼ばれ、僕は数メートル飛びあがった。
いや、もちろん、気持ち的にだけど……
「リッチー!エドガー!
来てくれたんですね!」
「遅くなってすまない。
夜は、昼間以上に魔物の出現が多くてな……
それで、羽衣は手に入ったのか?」
「ええ…今夜はほとんどの者達が劇場にアイリンさんを見に行っていて、連れて行ってもらえなかった下っ端共はネムリダケで眠っています。
詳しい話は後です。とにかく急ぎましょう!」
「あ、あぁ、わかった!」
手下達なら軽く倒す魔物達に苦戦しながら、僕達はどうにかやっと町に辿りつき、そのままアイリンさんのいる劇場へ向かった。
羽衣をアイリンさんに渡したら、それで依頼は成功だ!
そしたらすぐに町を離れて……
ところが、その途中で運悪く僕達はマック一味と鉢合わせしてしまったんだ。
「……おじー、それにいーさんじゃないか…
こんな所で何してるんだ?」
マックがきょとんとした顔で僕達をみつめる。
「は、走れ!」
リッチーの号令と共に僕達は駆け出した。
何してるって聞かれても、答えられるはずないんだから……
「お、おい、どうして逃げるんだ!?」
「お頭、あいつらどうもあやしいですぜ!
追いかけましょう!」
カメババの奴、余計なことを……
でも、会った瞬間逃げ出すなんて、誰が考えたって怪しいのは怪しい。
「待て~~!」
待てと言われて素直に待つ馬鹿はいない。
追いかけて来る盗賊達の気配に、心臓が押し潰されそうになりながら、僕達は決死の想いで駆け続けた。
「……遅いですね。
まさか、狼煙に気付いてないんじゃ……」
おじさんのその言葉が僕を心細い想いにさせた。
確かに夜の狼煙は見えにくい。
でも、二人も狼煙には常に注意してくれてるはずだし、今夜は月も明るいから気付かないことはないと思うんだけど……
でも、本当に気付いてなかったらどうしよう!?
そのうち、マック達に先にみつかって……そんなことになったら僕達……
「いーさん!」
暗い洞窟の中で不意に名前を呼ばれ、僕は数メートル飛びあがった。
いや、もちろん、気持ち的にだけど……
「リッチー!エドガー!
来てくれたんですね!」
「遅くなってすまない。
夜は、昼間以上に魔物の出現が多くてな……
それで、羽衣は手に入ったのか?」
「ええ…今夜はほとんどの者達が劇場にアイリンさんを見に行っていて、連れて行ってもらえなかった下っ端共はネムリダケで眠っています。
詳しい話は後です。とにかく急ぎましょう!」
「あ、あぁ、わかった!」
手下達なら軽く倒す魔物達に苦戦しながら、僕達はどうにかやっと町に辿りつき、そのままアイリンさんのいる劇場へ向かった。
羽衣をアイリンさんに渡したら、それで依頼は成功だ!
そしたらすぐに町を離れて……
ところが、その途中で運悪く僕達はマック一味と鉢合わせしてしまったんだ。
「……おじー、それにいーさんじゃないか…
こんな所で何してるんだ?」
マックがきょとんとした顔で僕達をみつめる。
「は、走れ!」
リッチーの号令と共に僕達は駆け出した。
何してるって聞かれても、答えられるはずないんだから……
「お、おい、どうして逃げるんだ!?」
「お頭、あいつらどうもあやしいですぜ!
追いかけましょう!」
カメババの奴、余計なことを……
でも、会った瞬間逃げ出すなんて、誰が考えたって怪しいのは怪しい。
「待て~~!」
待てと言われて素直に待つ馬鹿はいない。
追いかけて来る盗賊達の気配に、心臓が押し潰されそうになりながら、僕達は決死の想いで駆け続けた。
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