上 下
105 / 192
第二の依頼

30

しおりを挟む
背中にいやな汗が流れた。

……いやだ!
これと言って記憶に残るほどの楽しいことも体験しないまま…しかも、こんなへんちくりんな世界で消えて行くなんて、あんまりじゃないか!



 「良い奴らだと思って目をかけてやってたのに、裏切りやがって……許せねぇ!」



……泣きそうだ。
 怖過ぎて漏らしそうだ。

リッチー達は勇敢にも武器を構えた。
やめろよ…どうあがいても勝ち目はない相手だぞ……
そうだ……謝まってみようか!?
 僕が悪うございましたって。
 許してもらえるなら、土下座でもなんでもするぞ。



 「……あ…あの……す、す……」
 「やってやろうじゃないか!」

 勇気を振り絞って謝ろうとしたら、リッチーがそんな強気な台詞を吐き、僕は口から心臓が飛び出そうになった。
なんてことを言うんだ。
 僕達がマック達に勝てる確率なんて、宝くじで一等を当てるよりももっとずっと低いんだぞ!



 「……ほぅ、面白い。
 地獄で今の言葉を後悔するんだな!」



ひぃぃぃぃぃーーーーー!

しおりを挟む

処理中です...