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(どうしてこんなことに……)
私は汗と涙にまみれながら、敷地に深い穴を掘った。
さっきの咲哉の言葉が、頭の中を駆け巡る。
『おまえみたいな年増の相手はもうこりごりだ。
いくら金のためだって思っても、俺にも限界ってもんがある。』
嘘よ…
さっきのことはきっと夢…
質の悪い夢なんだわ…
『俺が別荘で何してたか、知ってるんだろ?
やっぱり若い女は良いよなぁ…
誰かさんとは肌の張りも違うし、感じ方も全然違う…』
そう言って、咲哉ははくすくすと笑って…
『おまえもいい年してるんだから、いい加減気付けよな。
いくら金持ってるったって、おまえみたいな女が、俺に本気で愛されるはずなんてないだろ?』
彼がそう言って馬鹿笑いをしている時、私はそばにあったスコップを咲哉の頭に振り下ろしていた。
それは一瞬の出来事だった。
生温かいものが私の全身を濡らし、咲哉が低い呻き声を上げて倒れ…
そのまま動かなくなった。
手足の震えが止まらなかった。
私はその場にしゃがみこみ、しばらく咲哉を見ていたけれど、彼はその後ぴくりとも動くことはなかった。
「咲哉……咲哉!」
呼びかけても揺さぶっても、彼は全く反応をしない。
目の前の状況が、現実なのか夢なのか、私にはまだよくわからなかった。
(咲哉……)
ほのかな月明かりに照らされる咲哉を私はずっとみつめていた。
彼との楽しかった月日が思い出され、涙が溢れて止まらなかった。
時間が経つにつれ…私に理性が戻り始めた。
咲哉をこのままにしておくことは出来ない。
私は慣れないスコップを持ち、深い穴を掘り続けた。
(どうしてこんなことに……)
私は汗と涙にまみれながら、敷地に深い穴を掘った。
さっきの咲哉の言葉が、頭の中を駆け巡る。
『おまえみたいな年増の相手はもうこりごりだ。
いくら金のためだって思っても、俺にも限界ってもんがある。』
嘘よ…
さっきのことはきっと夢…
質の悪い夢なんだわ…
『俺が別荘で何してたか、知ってるんだろ?
やっぱり若い女は良いよなぁ…
誰かさんとは肌の張りも違うし、感じ方も全然違う…』
そう言って、咲哉ははくすくすと笑って…
『おまえもいい年してるんだから、いい加減気付けよな。
いくら金持ってるったって、おまえみたいな女が、俺に本気で愛されるはずなんてないだろ?』
彼がそう言って馬鹿笑いをしている時、私はそばにあったスコップを咲哉の頭に振り下ろしていた。
それは一瞬の出来事だった。
生温かいものが私の全身を濡らし、咲哉が低い呻き声を上げて倒れ…
そのまま動かなくなった。
手足の震えが止まらなかった。
私はその場にしゃがみこみ、しばらく咲哉を見ていたけれど、彼はその後ぴくりとも動くことはなかった。
「咲哉……咲哉!」
呼びかけても揺さぶっても、彼は全く反応をしない。
目の前の状況が、現実なのか夢なのか、私にはまだよくわからなかった。
(咲哉……)
ほのかな月明かりに照らされる咲哉を私はずっとみつめていた。
彼との楽しかった月日が思い出され、涙が溢れて止まらなかった。
時間が経つにつれ…私に理性が戻り始めた。
咲哉をこのままにしておくことは出来ない。
私は慣れないスコップを持ち、深い穴を掘り続けた。
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