夢を叶える妖精

神在琉葵(かみありるき)

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「わぁっ!!」

 私の持ってる箱の蓋が急にぱかっと開いて、そこから何か虫みたいなものが飛び出し、私はびっくりして思わず声を発してしまった。



 『あんたが開けてくれたのね!』

 「えっ!?」

 良く見ると、その虫みたいなものは、ちっちゃいけど人間の姿をしてる。
 人間の姿で、背中に羽が生えてて、私の顔の前で羽ばたいてる。



 (嘘…私…夢見てるの…??)



あまりにびっくりし過ぎて、私が何も言えないでいると、ちっちゃい奴がまた言葉を続けた。



 『あぁ、やっぱり外は最高!
 本当にありがとう!』

 「あ…あの…
あなた…何者なの?」

 『私?私はリアナよ、あんたは?』

 「えっ!?わ、私はデイジーよ。」

 名前を知りたかったわけじゃなかったんだけど…なりゆきで、私達は自己紹介を交わした。



 『そう?よろしくね、デイジー。
あ、その指輪はあんたにあげるから。』

 「指輪…?」

 『ほら、それよ。』

リアナは、そう言って、箱に近付いた。



 (あ…あった……)



 箱の隅に、確かに指輪があった。
 曇った金色の指輪だ。



 『はめてごらんよ。』

 「え…?」

 『さぁ!』

 「う、うん。」

 急かされて、私は焦って指輪をはめた。
 指輪は子供の私の指には大きくてブカブカで…



「えっっ!!」

ブカブカだった指輪はみるみるうちに縮まって、私の指にぴったりとおさまった。
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