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「えーーーっ!」
「しっ!声が大きい!」
「あ、すみません。」
マイヤさんの話は相当にショックなものだった。
なんと、あの非の打ちどころがないように思えるダニエル様には、重大な秘密があったんだ。
いや、秘密とは言えない。
そのことは、町のみんなが知っていて、知らないのは余所者の私だけだったんだから。
つまり…ダニエル様は、並外れて女癖が悪い人なんだって。
若くて美しい女に目がないそうで、若い頃から、女性絡みの不祥事が後を絶たないとのこと…
さらにショックだったのは…このお屋敷のメイドになれるのは、若くなくて美しくない女性に限られているとのこと。
全く酷い話だ!
あ、まだあった。
ここでお化粧が禁止なのは、ダニエル様は、普段から若くて美しい女しか相手にしないとはいえ、万が一のことがあってはいけないとの配慮からなんだって。
そっか…そんなに女癖が悪いのか…
ま、あれだけ完璧な見た目をした人だもの。
少しくらい、人間性に難があっても仕方がないのかもしれないけど…
でも、並外れた…ってことは、私が思ってる以上のことなんだろうし、そもそも、良く考えてみれば、私はダニエル様の内面を知ろうとしたことは一度もなかった。
馬鹿だよね…
見た目だけで好きになるなんて、三十路にしてはあまりにも情けない。
それに、私は『優しくて格好良い人』が理想だったはずなのに、見た目に現を抜かして、優しいかどうかも気にしてなかった。
それだけじゃない。
そもそもダニエル様が好きなのは『若くて美しい女』なんだから、私がどれだけ好きになったところで、脈なんてないんだ。
(なぜ、そんなことに気付かなかったんだろう…?)
今更にして、私は自分の愚かさにものすごく落ち込んでしまった…
「しっ!声が大きい!」
「あ、すみません。」
マイヤさんの話は相当にショックなものだった。
なんと、あの非の打ちどころがないように思えるダニエル様には、重大な秘密があったんだ。
いや、秘密とは言えない。
そのことは、町のみんなが知っていて、知らないのは余所者の私だけだったんだから。
つまり…ダニエル様は、並外れて女癖が悪い人なんだって。
若くて美しい女に目がないそうで、若い頃から、女性絡みの不祥事が後を絶たないとのこと…
さらにショックだったのは…このお屋敷のメイドになれるのは、若くなくて美しくない女性に限られているとのこと。
全く酷い話だ!
あ、まだあった。
ここでお化粧が禁止なのは、ダニエル様は、普段から若くて美しい女しか相手にしないとはいえ、万が一のことがあってはいけないとの配慮からなんだって。
そっか…そんなに女癖が悪いのか…
ま、あれだけ完璧な見た目をした人だもの。
少しくらい、人間性に難があっても仕方がないのかもしれないけど…
でも、並外れた…ってことは、私が思ってる以上のことなんだろうし、そもそも、良く考えてみれば、私はダニエル様の内面を知ろうとしたことは一度もなかった。
馬鹿だよね…
見た目だけで好きになるなんて、三十路にしてはあまりにも情けない。
それに、私は『優しくて格好良い人』が理想だったはずなのに、見た目に現を抜かして、優しいかどうかも気にしてなかった。
それだけじゃない。
そもそもダニエル様が好きなのは『若くて美しい女』なんだから、私がどれだけ好きになったところで、脈なんてないんだ。
(なぜ、そんなことに気付かなかったんだろう…?)
今更にして、私は自分の愚かさにものすごく落ち込んでしまった…
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