夢を叶える妖精

３４

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 （素敵……！）



ブラッド様の服を着こんだアーサーは、さすがに貴族の息子らしく、品があって、美しいたらありゃしない。



 「すまなかったな、君にはいろいろと面倒をかけて…」

 「いえ、そんな……
あ、そんなことより、私、大切なことを訊き込んで来たんです。」

 私はローザさんのことを話した。
アーサーは、その話を聞いて、とても辛そうな顔をした。



 「ローザには本当に悪いことをした…
あの頃の私は、彼女というものがありながら、他の女性達と遊びほうけて…
若くて美しい女を見ると、どうしてもその欲望が我慢出来なかったんだ…」



なるほど…
ダニエル様の女癖の悪さは、昔からバルロー家代々に受け継がれたものだったんだね…



「それで、古い方のお屋敷の傍に、お墓があるそうで…その場所は…」

 「それならわかる。
 私が１２の年に、この町の屋敷に移って来たのだ。古い方というのはそれまで住んでいたキルグの屋敷のことだろう？」

 「は、はい、そうです。
そこに、アーサーさんとローザさんのお墓があるそうです。
お二人を夫婦として、同じ墓になっているようですよ。」

 「そうだったのか…」

アーサーは、とても悲しそうな顔でそう呟いた。