タイムトリップはいかがですか?

神在琉葵(かみありるき)

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タイムトリップ

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「ち、畜生!!」



最悪だ。 
今度の旅では、ほぼ現実通りに進んでしまった。 



あいつの誕生日が近付くにつれ、俺は不安になり、必死に貯めたその金を飲み代に遣ってしまったのだ。 



酔いが覚め…馬鹿なことをしてしまったとうちしひがれ… 



夜汽車の固い座席で眠りについたのが最後の記憶だった。 



「おいっ!どうして何も変わらないんだ!
最初の時は、現実と違う過去を体験出来たのに!」

「ですから…それは最初にお話した通りです。どのような過去を体験されるかは、私共にコントロール出来ることではありません。
納得されないかもしれませんが、これは岩崎様ご自身が選ばれた体験なのです。」

「そ、そんな馬鹿な…俺はこないだの体験の続きがしたくて…それで必死に働いて…」

感情が高ぶり過ぎて、胸がいっぱいになり涙がこぼれそうだった。
まるで子供だ。 



そんな自分が情けなかった。 
俺はもうそれ以上何かを言う気力もなくしてしまい、その場を離れた。 



 思い出したくなかったあの体験は、俺の心を深く傷付けた。 
すでに忘れていたような細かなことまでが、体験によって、すべて鮮明によみがえったのだから。



「ふふ…ふふふ…」



サイエンストリップ社近くの公園のベンチに座った途端、堰を切ったかのように涙が溢れだした。 
なのに、俺は笑っていた。 



期待し過ぎていたのか、その反動は思いがけず大きかった。
俺は人目もはばからず、泣いた。



あいつと会えなかったことが…自分の愚かさが…辛くてたまらなかった… 



やはり、あいつとやり直すことなんて無理なんだ。 
それがたとえ夢物語でも… 



そう思ったら、たまらない気持ちになって、俺は暗くなるまで、ベンチで泣き続けた。 
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