タイムトリップはいかがですか?

神在琉葵(かみありるき)

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タイムトリップ

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残念なことに、三度目も四度目も同じ結果だった。 
三度目は、幸いにも稼いだ金を使い果たす前に目が覚めた。
四度目は二度目の時とほぼ同じ…
気は滅入ったが、さすがにこの間ほど傷付くことはなかった。



気が付けば、俺の体にはいつの間にか筋肉が付き、酒も飲まずに早寝早起きの生活を送っていたせいか、体調も良くなっていた。 



ある時、新聞の紙上で、懐かしいケイジの姿を見た。
画像はもちろんのこと、そこに書かれた名前を見ても、すぐにはそれがケイジだとはわからなかったくらいだ。
髪は染めているのか、黒く艶やかで、そのせいか俺よりも随分若く見えた。
あいつは、今、家業を継いで、経営もすこぶる順調なようだ。



俺のことなんて、あいつはもう覚えてないかもしれない。
それに、昔の友達だなんて言って、連絡を取ろうとしたところで、取り次いでもらえないかもしれない。
そう思い、一週間近く迷ったが、俺はやはり気になって、ついにケイジに連絡をしてしまった。
会社の受け付けに、俺は名前と携帯の番号を預けた。
対応はあまり良くはなかった。
おそらく取り次いではもらえないだろう。



その次の日は、タイムトリップの日だった。
五度目のタイムトリップだ。



何度行ってもお決まりの手順を踏まなくてはいけない。
面倒だが、それが決まりなのだ。



「では、どうぞ、素晴らしい旅を…」

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