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二人で半分こ
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赤や橙、黄に茶。
まるで秋の葉のように染まり、それは降り積もる。それがとても綺麗で見てると泣きたくなるくらい温かく見えて、それに触れたくて手を伸ばす。
そうすれば鞭で打たれて痛い身体も、何もなく暗く寂しい部屋も何処か遠くに消えていく。替え玉の贄姫として教会で過ごした数週間の記憶が目紛しく過ぎ去っていく。
その光景にはたと自分が今現実にいるのではなく、走馬灯の中にいる事に気が付く。
気付けば場面は変わり、あの崖の上に立っていて、真っ逆さまに地面に落ちていく。あの浮遊感も絶望感も感じるのにただ会いたい衝動に駆られて手を伸ばす。そうして堕ちた崖の下には案の定、竜が居て眠っていた。
陽光を浴びて赤や橙、黄に輝く鱗を身体に纏い、すぅすぅと呑気に眠る美しい一体の竜。
綺麗で心配になる程優しくて、ほっとけない程抜けている可愛い俺だけのオランジェ。
冷たく俺を必要としない世界でも、お前がいれば俺の世界に秋の色づく葉のように様々な色で明るく色付けてくれる。
利用するより守りたくて。愛して欲しいと思う以上に愛したい。大事な大事な俺だけのオランジェ。
「悪かったな。長生きするって言ったのにな」
十二の頃の貧弱な足で駆け出し、十六の頃の少し大きくなった手を伸ばし、二十二の頃の少し逞しくなった手が触れ、三十七の今の俺がオランジェを抱き締める。
「せめて、最期は笑って逝くつもりだったのにな」
どうせ、忘れろって言ってもお前はきっとお前は忘れてくれないだろうから。俺の死が千年以上もお前の中に、昨日の事のように鮮明に残ってしまうなら、少しでもいい思い出として残りたかった。
「じゃあ、まだ思い出にならないでよ」
抱き締めたオランジェが腕の中で秋の葉のように散っていき、新緑の瞳が俺の腕の中から俺を見上げる。白く細い手が俺の頰に触れ、柔らかな唇が俺の唇に重なる。
「僕を半分クライスに上げるから」
その言葉にお前は本当に半分こが好きだなと思わず笑う。半分なんかじゃ足りない。くれるんなら全部寄越せよと冗談混じりで返せば、俺のオランジェは困ったように眉を下げた。
「じゃあ、残り半分は帰って来たら上げるから」
「そりゃ、いいな」
「本当に? ……なら、帰って来たら僕はもうクライスだけのものだね!」
そうオランジェが嬉しそうに俺の胸に頬擦りする。
それが可愛くて本当にこのまま全部俺のものにしたくて、もう一度今度はこちらから唇を重ねる。だが、一度じゃ足らなくて、触れるだけのキスじゃ満足出来ない。
「ふぁ、ん、んんぅ…」
「ん…、ふっ。息は止めるなよ。鼻でゆっくり。………そう、上手」
少しじゃ味わい切れなくて、逃したくなくて腕の中に閉じ込める。
大好きだ。愛してる。例えこれが死ぬ最期に見る幻覚だったとしても構わない。
「オランジェ…」
そう愛しいその名を呼び、目を開けば、よく晴れた青空が広がっていた。
なんだか軽い身体。刺された腹に触れれば、赤くべっとりと血がついているが、傷が見当たらない。
訳が分からず、辺りを見回せば紅葉が降り積もったかのように鱗が辺りに散らばっていて、人の姿のオランジェが俺の横に横たわるように倒れていた。
「…オラン?」
その頰に触れれば、何時もよりも温かな体温を感じる。何時もは少し冷たいのに人のように温かい。
「クライス…様?」
また裸のオランを「しょうがないな」と抱き寄せようとすれば、俺を呼ぶ間抜けな声がした。振り向けば、涙で汚れた顔のユランがあろう事か、汚れた顔のまま俺ごとユランを抱き締める。
「ゔ…、ゔぅ。ひっく。ぐすん」
「おい、泣いてないで状況を説明しろ、阿呆。後、どさくさに紛れてオランの肌に触れるな」
ペシンッと抱きつく腕を叩き落とせば、「感動の場面じゃんか!?」と訳の分からん事を訴えてくるがそんなもの俺とお前の間にはない。ユランの上着を剥ぎ取ってオランジェを包めば、「いつものクライス様だ」と泣いていたマーク達が泣き笑い合う。
抱き締めたオランジェは温かく息はしているが、ぐったりとして見える。
「《£¢;*″.》め。遂に龍の誇りまで捨てたか」
地を這うような恐ろしい声が鼓膜を揺らす。
「そんな! オランジェ様が封印した筈だ」
ミゲルの絶望感のある声に崖の上を見て自身が死んだ時には無かった大木が見え、そして目の前に降り立った邪竜を見て何となく状況を理解した。
オランジェを守る為に邪竜を睨み、隠すように抱き締めるが、領民達が邪竜の前に立ち塞がり、行かせまいと手を広げる。
「地を這う事しか出来ぬ人間風情が」
そう邪悪に嗤うものの邪竜の歩みは止まる。よく見れば、邪竜の周りの植物は緑のまま生い茂っている。あれ程強大に見えた魔力を邪竜から感じない。その事実についほくそ笑む。
「では天を飛ぶ事しか出来ぬ邪竜殿が人間風情に何用か?」
邪竜は俺の買い言葉を鼻で笑い、ゴミを見るような目で俺を見た。そして俺を無視して話し出す。
「いや、もうそれは《£¢;*″.》ですら無かったな。誇り高き龍としての名を捨て、龍である事をやめた愚か者。己を構成する魔力を人間風情の為にゴミのように棄てるくらいならば余に全て寄越せば良かったものを」
邪竜の言葉に目を見開き、腹にあった筈の傷に触る。周りに降り積もった鱗を見て、人の姿になったオランジェを見つめた。
「本当にお前は馬鹿だ。俺なんかの為に《龍》である事を捨てたのか」
自分の本当の名を捨て、龍としての生涯を捨ててまで、俺を生かす事を選んだ。それが申し訳なくて、俺をそこまでして選んでくれた事が嬉しくてついつい笑みが溢れる。
ならば、俺のやる事はひとつ。お前の為にしてやれる事はひとつ。
そう覚悟を決めて邪竜を見下し、盛大に鼻で笑って見せる。
「成程、それが本当であればお前はとんでもない愚か者だ」
邪竜は牙を剥き、食って掛かろうとするが、残念ながら力でなく言葉の殴り合いなら俺の十八番。お前に反論の余裕など与えやしない。
「お前はオランジェに負けたのだろう? 当たり前だ。最初からお前よりもオランジェの方が遥かに優れている」
「貴様…。余がその愚か者に劣ると言うのか」
「劣る? 馬鹿いえ、最初から勝負にもなっていない。そもそも立ってる土俵が違う。お前はオランジェを殺す気で戦った。だが、オランジェはただお前を追い払う為に力を使った。その差が分からぬと言うのならお前は本当に救いようのない馬鹿だ」
殺気をこちらに向けるが、やはり邪竜は、決して先程の戦いの時のように向かってくる事はない。
当たり前だ。コイツは確かにオランジェに封印された。ここにあるのは命からがら抜け出して来た邪竜の残りカス。
最初の二匹の龍は世界の魔力だまりから生まれたとオランジェは言っていた。
オランジェは父親の魔力を分けられて産まれたのだと。
つまり、龍は魔力の塊。龍という存在は魔力で構成されている。
コイツは自身の龍である魔力の大半をあの大木の中に封印された龍の力を行使できない残りカス。もうコイツに戦う余力はない。
「ソイツを寄越せ。残りカスだがありがたく喰ろうてやろう」
「成程。力を奪われたお前は龍でなくなったオランジェの魔力目当てに、ハイエナのように戻って来た訳だ。天下の邪竜様が聞いて呆れる。どうせ、オランジェに勝てないお前はオランジェが弱っている内に食べてしまおうと魂胆なのだろう?」
だが、相手はそれでも人より力のある龍。思考を続けろ。言葉を切るな。
どう邪竜を追い払うか。
「要はお前は龍でなくなった今のオランジェですら怖いんだろ?」
「ハンッ! そんな訳無かろう。相手にすらならん。余が今喰ろうてやるのは慈悲だ」
欲しい言葉を引き出して、俺のペースに持っていく。出て来た言葉から一つの突破口を掴み取る。
「慈悲? 馬鹿馬鹿しい。龍でなくなった今、オランジェは不憫だとでも言いたいのか?」
「龍という誇り高き種族から堕ちたのだ。哀れだろう」
「馬鹿言え。これからオランジェは幸せな人生を俺と歩むんだよ。龍の時なんざ比べ物にならないくらい幸せな日々を」
俺の言葉に反論しようとする邪竜を指差して、俺は宣言する。これは本心であり、大博打。人生最大の賭け。
「もしそれを否定したいというのならば、しっかりその目で見てから否定しろ。オランジェの命が潰えるまで。そうでなければ、お前は口だけのただの愚か者で臆病者だ」
邪竜は俺の言葉に馬鹿にするように嗤う。だが、その目は標的をオランジェから俺に変え、ギラギラと光る。
「いいだろう。どうせ、龍から龍人に成り下がった者の寿命などあっという間だ。その時が来たら貴様の愚行を笑い、貴様諸共喰ろうてやろう」
俺の売った喧嘩をお高く買った邪竜は宣言通りその時を待つ為に翼を広げて飛び去った。
幾ら弱っていたとしても相手は龍。
首の皮一枚で何とか邪竜の襲来を口八丁で先送りに出来た。
緊張が解けるとドッと冷や汗が身体から吹き出し、深々とため息を吐く。
「はぁ…。取り敢えず、帰るか。俺達の屋敷に」
腕の中で眠るオランジェを抱き上げ、邪竜を追い払い疲れた俺は屋敷へと足を向けた。
まるで秋の葉のように染まり、それは降り積もる。それがとても綺麗で見てると泣きたくなるくらい温かく見えて、それに触れたくて手を伸ばす。
そうすれば鞭で打たれて痛い身体も、何もなく暗く寂しい部屋も何処か遠くに消えていく。替え玉の贄姫として教会で過ごした数週間の記憶が目紛しく過ぎ去っていく。
その光景にはたと自分が今現実にいるのではなく、走馬灯の中にいる事に気が付く。
気付けば場面は変わり、あの崖の上に立っていて、真っ逆さまに地面に落ちていく。あの浮遊感も絶望感も感じるのにただ会いたい衝動に駆られて手を伸ばす。そうして堕ちた崖の下には案の定、竜が居て眠っていた。
陽光を浴びて赤や橙、黄に輝く鱗を身体に纏い、すぅすぅと呑気に眠る美しい一体の竜。
綺麗で心配になる程優しくて、ほっとけない程抜けている可愛い俺だけのオランジェ。
冷たく俺を必要としない世界でも、お前がいれば俺の世界に秋の色づく葉のように様々な色で明るく色付けてくれる。
利用するより守りたくて。愛して欲しいと思う以上に愛したい。大事な大事な俺だけのオランジェ。
「悪かったな。長生きするって言ったのにな」
十二の頃の貧弱な足で駆け出し、十六の頃の少し大きくなった手を伸ばし、二十二の頃の少し逞しくなった手が触れ、三十七の今の俺がオランジェを抱き締める。
「せめて、最期は笑って逝くつもりだったのにな」
どうせ、忘れろって言ってもお前はきっとお前は忘れてくれないだろうから。俺の死が千年以上もお前の中に、昨日の事のように鮮明に残ってしまうなら、少しでもいい思い出として残りたかった。
「じゃあ、まだ思い出にならないでよ」
抱き締めたオランジェが腕の中で秋の葉のように散っていき、新緑の瞳が俺の腕の中から俺を見上げる。白く細い手が俺の頰に触れ、柔らかな唇が俺の唇に重なる。
「僕を半分クライスに上げるから」
その言葉にお前は本当に半分こが好きだなと思わず笑う。半分なんかじゃ足りない。くれるんなら全部寄越せよと冗談混じりで返せば、俺のオランジェは困ったように眉を下げた。
「じゃあ、残り半分は帰って来たら上げるから」
「そりゃ、いいな」
「本当に? ……なら、帰って来たら僕はもうクライスだけのものだね!」
そうオランジェが嬉しそうに俺の胸に頬擦りする。
それが可愛くて本当にこのまま全部俺のものにしたくて、もう一度今度はこちらから唇を重ねる。だが、一度じゃ足らなくて、触れるだけのキスじゃ満足出来ない。
「ふぁ、ん、んんぅ…」
「ん…、ふっ。息は止めるなよ。鼻でゆっくり。………そう、上手」
少しじゃ味わい切れなくて、逃したくなくて腕の中に閉じ込める。
大好きだ。愛してる。例えこれが死ぬ最期に見る幻覚だったとしても構わない。
「オランジェ…」
そう愛しいその名を呼び、目を開けば、よく晴れた青空が広がっていた。
なんだか軽い身体。刺された腹に触れれば、赤くべっとりと血がついているが、傷が見当たらない。
訳が分からず、辺りを見回せば紅葉が降り積もったかのように鱗が辺りに散らばっていて、人の姿のオランジェが俺の横に横たわるように倒れていた。
「…オラン?」
その頰に触れれば、何時もよりも温かな体温を感じる。何時もは少し冷たいのに人のように温かい。
「クライス…様?」
また裸のオランを「しょうがないな」と抱き寄せようとすれば、俺を呼ぶ間抜けな声がした。振り向けば、涙で汚れた顔のユランがあろう事か、汚れた顔のまま俺ごとユランを抱き締める。
「ゔ…、ゔぅ。ひっく。ぐすん」
「おい、泣いてないで状況を説明しろ、阿呆。後、どさくさに紛れてオランの肌に触れるな」
ペシンッと抱きつく腕を叩き落とせば、「感動の場面じゃんか!?」と訳の分からん事を訴えてくるがそんなもの俺とお前の間にはない。ユランの上着を剥ぎ取ってオランジェを包めば、「いつものクライス様だ」と泣いていたマーク達が泣き笑い合う。
抱き締めたオランジェは温かく息はしているが、ぐったりとして見える。
「《£¢;*″.》め。遂に龍の誇りまで捨てたか」
地を這うような恐ろしい声が鼓膜を揺らす。
「そんな! オランジェ様が封印した筈だ」
ミゲルの絶望感のある声に崖の上を見て自身が死んだ時には無かった大木が見え、そして目の前に降り立った邪竜を見て何となく状況を理解した。
オランジェを守る為に邪竜を睨み、隠すように抱き締めるが、領民達が邪竜の前に立ち塞がり、行かせまいと手を広げる。
「地を這う事しか出来ぬ人間風情が」
そう邪悪に嗤うものの邪竜の歩みは止まる。よく見れば、邪竜の周りの植物は緑のまま生い茂っている。あれ程強大に見えた魔力を邪竜から感じない。その事実についほくそ笑む。
「では天を飛ぶ事しか出来ぬ邪竜殿が人間風情に何用か?」
邪竜は俺の買い言葉を鼻で笑い、ゴミを見るような目で俺を見た。そして俺を無視して話し出す。
「いや、もうそれは《£¢;*″.》ですら無かったな。誇り高き龍としての名を捨て、龍である事をやめた愚か者。己を構成する魔力を人間風情の為にゴミのように棄てるくらいならば余に全て寄越せば良かったものを」
邪竜の言葉に目を見開き、腹にあった筈の傷に触る。周りに降り積もった鱗を見て、人の姿になったオランジェを見つめた。
「本当にお前は馬鹿だ。俺なんかの為に《龍》である事を捨てたのか」
自分の本当の名を捨て、龍としての生涯を捨ててまで、俺を生かす事を選んだ。それが申し訳なくて、俺をそこまでして選んでくれた事が嬉しくてついつい笑みが溢れる。
ならば、俺のやる事はひとつ。お前の為にしてやれる事はひとつ。
そう覚悟を決めて邪竜を見下し、盛大に鼻で笑って見せる。
「成程、それが本当であればお前はとんでもない愚か者だ」
邪竜は牙を剥き、食って掛かろうとするが、残念ながら力でなく言葉の殴り合いなら俺の十八番。お前に反論の余裕など与えやしない。
「お前はオランジェに負けたのだろう? 当たり前だ。最初からお前よりもオランジェの方が遥かに優れている」
「貴様…。余がその愚か者に劣ると言うのか」
「劣る? 馬鹿いえ、最初から勝負にもなっていない。そもそも立ってる土俵が違う。お前はオランジェを殺す気で戦った。だが、オランジェはただお前を追い払う為に力を使った。その差が分からぬと言うのならお前は本当に救いようのない馬鹿だ」
殺気をこちらに向けるが、やはり邪竜は、決して先程の戦いの時のように向かってくる事はない。
当たり前だ。コイツは確かにオランジェに封印された。ここにあるのは命からがら抜け出して来た邪竜の残りカス。
最初の二匹の龍は世界の魔力だまりから生まれたとオランジェは言っていた。
オランジェは父親の魔力を分けられて産まれたのだと。
つまり、龍は魔力の塊。龍という存在は魔力で構成されている。
コイツは自身の龍である魔力の大半をあの大木の中に封印された龍の力を行使できない残りカス。もうコイツに戦う余力はない。
「ソイツを寄越せ。残りカスだがありがたく喰ろうてやろう」
「成程。力を奪われたお前は龍でなくなったオランジェの魔力目当てに、ハイエナのように戻って来た訳だ。天下の邪竜様が聞いて呆れる。どうせ、オランジェに勝てないお前はオランジェが弱っている内に食べてしまおうと魂胆なのだろう?」
だが、相手はそれでも人より力のある龍。思考を続けろ。言葉を切るな。
どう邪竜を追い払うか。
「要はお前は龍でなくなった今のオランジェですら怖いんだろ?」
「ハンッ! そんな訳無かろう。相手にすらならん。余が今喰ろうてやるのは慈悲だ」
欲しい言葉を引き出して、俺のペースに持っていく。出て来た言葉から一つの突破口を掴み取る。
「慈悲? 馬鹿馬鹿しい。龍でなくなった今、オランジェは不憫だとでも言いたいのか?」
「龍という誇り高き種族から堕ちたのだ。哀れだろう」
「馬鹿言え。これからオランジェは幸せな人生を俺と歩むんだよ。龍の時なんざ比べ物にならないくらい幸せな日々を」
俺の言葉に反論しようとする邪竜を指差して、俺は宣言する。これは本心であり、大博打。人生最大の賭け。
「もしそれを否定したいというのならば、しっかりその目で見てから否定しろ。オランジェの命が潰えるまで。そうでなければ、お前は口だけのただの愚か者で臆病者だ」
邪竜は俺の言葉に馬鹿にするように嗤う。だが、その目は標的をオランジェから俺に変え、ギラギラと光る。
「いいだろう。どうせ、龍から龍人に成り下がった者の寿命などあっという間だ。その時が来たら貴様の愚行を笑い、貴様諸共喰ろうてやろう」
俺の売った喧嘩をお高く買った邪竜は宣言通りその時を待つ為に翼を広げて飛び去った。
幾ら弱っていたとしても相手は龍。
首の皮一枚で何とか邪竜の襲来を口八丁で先送りに出来た。
緊張が解けるとドッと冷や汗が身体から吹き出し、深々とため息を吐く。
「はぁ…。取り敢えず、帰るか。俺達の屋敷に」
腕の中で眠るオランジェを抱き上げ、邪竜を追い払い疲れた俺は屋敷へと足を向けた。
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