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カキナの日常編
海上で海の幸のお祭りっ!
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今日の放課後は、モモミ校長に呼ばれて校長室に行くことになった。また耳かきASMRでもやらせるつもりなのかな……?
「失礼します。……あれ、缶詰め隊の皆さんも?」
ドアを開けると、椅子にオデン隊長、サバキさん、タラバさんの三人が腕を組みながら座っていた。
「よぉカキナ。今日も来てくれてご苦労だ」
「あ、あの……今日はモモミ校長にご用があって来たんですけど……」
「俺達も同じに決まってんだろぉカキナぁ? もうすぐ来るからよ、ほら、そこ座れ」
サバキさんに圧を掛けられながら、僕も椅子に座らせて貰った。やっぱり雰囲気が出てるなぁ……。
「皆様、大変お待たせしました」
「おまたせー! あ、カキナちゃんも来たね! じゃあ改めて、今回集まってもらった理由を話そっか!」
何やら様々な資料を抱えながら、モモミ校長と教頭が歩いてきた。そして、僕たちにその資料を渡してきた。
「なになに……(海の幸大漁ゲット祭り!)だって。楽しそうな祭りですね」
「でしょー!? 取った魚は食べ放題なの! これをみんなで行ってきてほしーの!!」
──は? いや、完全に行かないつもりでああいうリアクションしたんだけど。僕が漁船に乗るって事?
「実はね、毎年このお祭りにさんかしてるんだけどー、今回はきゅーよーが入っちゃってねー、だから代わりに行ってほしーの!」
「私からもお願い致します。毎年参加させて貰っている大会で、今回行かないと、ある契約を切らされてしまうので、必ず参加しなければならないのです」
「へぇ、何の契約だか知らないけど、楽しそうじゃない。道楽も喜ぶな。あたしは参加するよ」
「俺もいいぜぇ。海の幸が食い放題なら、答えを出すより先に足が動いちまうぜぇ」
「……モモミ校長の言う事なら、断る理由もない。喜んで行かせてもらいます。な、カキナ」
──結局、僕も行く事になるのね……。
※
ここで説明するのも何だけど、今の季節は初夏である。半袖じゃないと暑くなってくる時期だ。
海面に太陽が反射してギラギラ光る。今日はとてもいい天気だ。
海には大量の漁船が浮かんでいる。10隻くらいだろうか。
「それでは、只今より海の幸大漁ゲット祭りを開催します! 皆さん、楽しんでくださいね!」
大会MCのお姉さんの声が漁港に響き渡ると、祭りの参加者が次々と船に乗り出し、次々と出港させた。
「じゃあ、僕達も乗りましょうか。にしても……モモミ校長って自分の船持ってるんですね」
「自家用消防車持ってるくらいだろぉ? こんな小型の舟きっと100隻は持ってるだろうな」
「確かに、否定できないです……そういえば、この船誰が運転するんですか?」
小型船って、免許が必要じゃなかったっけ? そんな人、ここにいるのか……?
「あたしが運転するよ。なんせ、2級小型船免許持ってるからさ」
いた。タラバさん、高校生でそんな高等な免許持ってるなんてすごいな……。
「そういや、カキナには言ってなかったなぁ。タラバの家は魚屋で、定期的に漁に出てるんだよ」
「そ、そうだったんだ……あれ、隊長ずっと黙り込んでいてどうしたんですか?」
そういえば、朝から隊長の様子がおかしかった。乗り気じゃないというか、気分が沈んでいたような。
「──やべ、忘れてた。隊長、船酔いするタイプの人だったんだ……」
隊長は船の隅で体育座りをしながら蹲っている。顔色も悪い。
「隊長、今なら間に合うっす! 無理しない方が……」
「……馬鹿野郎、今更引き下がるなんて、男が廃る。タラバ、俺らの船も出航だ……」
「ど、どうなっても知らないですよ!!」
タラバさんは呆れた顔をしながら、運転席へ乗り込んだ。そして、船は徐々にスピードを上げて、全速前進した。
「ウッ……ウプププ……」
まだ300mくらいしか出てないのに、隊長は早くもリバースしてしまった。綺麗な海が汚れてしまった。
「隊長! 奥に酔い止めの薬があったっす! ささ、早く飲んで……」
サバキさんは隊長の口を拭き、酔い止めの薬を飲ませた。……だんだんと顔色も良くなってきた。
「あ、ありがとよサバキ……あれ、何だあの船。こっち近づいてきてこねぇか?」
隊長が指差す方を見ると、確かに1隻の船がこちらに近づいてきた。その中にはグラサンを掛けた男性が立っている。
この日差しなら掛けていても不自然じゃないが、よく見ると、年がら年中グラサンを掛けている人だった。
「缶詰め隊、降参しろ」
そう。イチヂク団団長の、イチヂクだ。
─────────────────────
次回へ続く。
「失礼します。……あれ、缶詰め隊の皆さんも?」
ドアを開けると、椅子にオデン隊長、サバキさん、タラバさんの三人が腕を組みながら座っていた。
「よぉカキナ。今日も来てくれてご苦労だ」
「あ、あの……今日はモモミ校長にご用があって来たんですけど……」
「俺達も同じに決まってんだろぉカキナぁ? もうすぐ来るからよ、ほら、そこ座れ」
サバキさんに圧を掛けられながら、僕も椅子に座らせて貰った。やっぱり雰囲気が出てるなぁ……。
「皆様、大変お待たせしました」
「おまたせー! あ、カキナちゃんも来たね! じゃあ改めて、今回集まってもらった理由を話そっか!」
何やら様々な資料を抱えながら、モモミ校長と教頭が歩いてきた。そして、僕たちにその資料を渡してきた。
「なになに……(海の幸大漁ゲット祭り!)だって。楽しそうな祭りですね」
「でしょー!? 取った魚は食べ放題なの! これをみんなで行ってきてほしーの!!」
──は? いや、完全に行かないつもりでああいうリアクションしたんだけど。僕が漁船に乗るって事?
「実はね、毎年このお祭りにさんかしてるんだけどー、今回はきゅーよーが入っちゃってねー、だから代わりに行ってほしーの!」
「私からもお願い致します。毎年参加させて貰っている大会で、今回行かないと、ある契約を切らされてしまうので、必ず参加しなければならないのです」
「へぇ、何の契約だか知らないけど、楽しそうじゃない。道楽も喜ぶな。あたしは参加するよ」
「俺もいいぜぇ。海の幸が食い放題なら、答えを出すより先に足が動いちまうぜぇ」
「……モモミ校長の言う事なら、断る理由もない。喜んで行かせてもらいます。な、カキナ」
──結局、僕も行く事になるのね……。
※
ここで説明するのも何だけど、今の季節は初夏である。半袖じゃないと暑くなってくる時期だ。
海面に太陽が反射してギラギラ光る。今日はとてもいい天気だ。
海には大量の漁船が浮かんでいる。10隻くらいだろうか。
「それでは、只今より海の幸大漁ゲット祭りを開催します! 皆さん、楽しんでくださいね!」
大会MCのお姉さんの声が漁港に響き渡ると、祭りの参加者が次々と船に乗り出し、次々と出港させた。
「じゃあ、僕達も乗りましょうか。にしても……モモミ校長って自分の船持ってるんですね」
「自家用消防車持ってるくらいだろぉ? こんな小型の舟きっと100隻は持ってるだろうな」
「確かに、否定できないです……そういえば、この船誰が運転するんですか?」
小型船って、免許が必要じゃなかったっけ? そんな人、ここにいるのか……?
「あたしが運転するよ。なんせ、2級小型船免許持ってるからさ」
いた。タラバさん、高校生でそんな高等な免許持ってるなんてすごいな……。
「そういや、カキナには言ってなかったなぁ。タラバの家は魚屋で、定期的に漁に出てるんだよ」
「そ、そうだったんだ……あれ、隊長ずっと黙り込んでいてどうしたんですか?」
そういえば、朝から隊長の様子がおかしかった。乗り気じゃないというか、気分が沈んでいたような。
「──やべ、忘れてた。隊長、船酔いするタイプの人だったんだ……」
隊長は船の隅で体育座りをしながら蹲っている。顔色も悪い。
「隊長、今なら間に合うっす! 無理しない方が……」
「……馬鹿野郎、今更引き下がるなんて、男が廃る。タラバ、俺らの船も出航だ……」
「ど、どうなっても知らないですよ!!」
タラバさんは呆れた顔をしながら、運転席へ乗り込んだ。そして、船は徐々にスピードを上げて、全速前進した。
「ウッ……ウプププ……」
まだ300mくらいしか出てないのに、隊長は早くもリバースしてしまった。綺麗な海が汚れてしまった。
「隊長! 奥に酔い止めの薬があったっす! ささ、早く飲んで……」
サバキさんは隊長の口を拭き、酔い止めの薬を飲ませた。……だんだんと顔色も良くなってきた。
「あ、ありがとよサバキ……あれ、何だあの船。こっち近づいてきてこねぇか?」
隊長が指差す方を見ると、確かに1隻の船がこちらに近づいてきた。その中にはグラサンを掛けた男性が立っている。
この日差しなら掛けていても不自然じゃないが、よく見ると、年がら年中グラサンを掛けている人だった。
「缶詰め隊、降参しろ」
そう。イチヂク団団長の、イチヂクだ。
─────────────────────
次回へ続く。
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