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お付き合いを始めることになりまして side:征人
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しおりを挟むしくしくしててもしゃーないので、さっぱりしてから智大の部屋に戻った。
そっとドアを開けたら、智大はもうベッドで寝てた。
足音を立てないように気をつけて、ベッドに近づく。
……智大の寝顔、可愛いな。
睫毛、長いし。
唇とか、ふっくらしてるし。
このちっちゃな口を思い切り開けて、俺のを咥えるとか…。
上目遣いで『舐めようか?』…なんて、勃つだろ。出るだろ。駄目だろ。エロすぎだろ。
ベッドの傍らに座って智大の前髪をすくってみた。
さらさら流れて気持ちがいい。
…俺、今まで智大のことどう見てたっけ?
可愛いな、ってのは思ってた。子犬か子猫かそんな感じで。
でも友達だと思ってたから、色々言ったよな?そんとき付き合ってた女の子たちのこととか。胸が大きいとか、匂いがいいとか、柔らかいとか。
彼女が変わるたびに智大に紹介して。
「…ごめんな。辛かったよな」
友達だからって、なんであんなに律儀に彼女のこと紹介してたんだろ、俺。
よくよく思い出せば、彼女を紹介したとき、智大変な笑い方してたよな。ぎこちないような、…泣きそうな。
「ほんとごめん…。沢山幸せにするから。大好きだよ、智大」
眠ったままの智大の額に軽くキスをする。
それから食べ終わった食器とかを持って部屋を出た。
その時智大が真っ赤になってでも笑いながら布団をかぶり直したなんて、気づきもしないで。
台所の方に行くと、啓さんと奏汰さんがテーブルでお茶をしてるところだった。
「ごちそう様でした」
「ちーちゃんは?」
「えっと、薬も飲んで寝てます」
「ふーん…。食器、そっち置いといて。征人座って」
「はい」
……保護者二人が真正面に座るこの状況……。俺、説教でも食らうのか。
ビクビクしてたら啓さんが立ち上がって余計ビクッとした。
でも何かされるわけでなく、啓さんは台所に立つとお茶を淹れ始めた。智大も好きな花の香の紅茶。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
ぺこっと頭を下げて、火傷しないように一口飲むと、舌がヒリヒリした。
…そーいや、熱々のお粥を口に突っ込まれたんだっけ…って思い出し、なんとなく笑ってしまった。
「征人君」
「はいぃっ」
気が緩んだところに、奏汰さんの低い声。
心臓がバックンバックンし始める。
「熱が出てぐったりしてるのに智大のこと襲ってたんだって…?」
「ひ……っ」
「君は馬鹿なのかな?」
「す、す、すみませんでした……!!!」
ほんとうに地を這うような低い低い声音に、身体が震える。怖い、怖いよ…奏汰さん…!!
両肘ついて指を組んでるその姿に、某有名ロボットアニメの総司令の姿が重なる。眼鏡じゃないけど。
「若さゆえ…っていうのは、まあ、僕もわからなくはないけどね」
ふう…って溜息をついた奏汰さんから、怒気を感じなくなった。
「で、いつ帰るの?」
うう。
それって暗にすぐ帰れ、って言われてるんだろうか。
「あ、明日の、夜まで……いたい、です……」
尻すぼみになりながら答えたら、二人分の視線で殺されるかと思った。
反対されると思ったけど、それは俺の勘違いだったようで、すぐ二人から頷かれた。
「そうだね。智大もきっと君に傍にいてほしいだろうし、ここで帰ったらただのヤリ逃げだしね?啓もいいよね?」
「ちーちゃんが泣くとこは見たくないから、俺。仕方ないね」
啓もさんは自分のお茶を一口飲むと、俺に視線を向けてきた。
「智大ね」
「はい」
「征人に会ってから凄く笑うようになったんだよ。楽しい、って。…でも、やっぱり辛いね、って、泣くときもあったけど」
「智大…」
「俺も奏汰さんも夜遅くなることが多いから、元々家事は頑張ってくれてたけど、征人が家に来て時々ご飯食べていくようになったら、もっと美味しいもの作りたい、って、それも頑張ってさ」
「え」
「全然気づいてなかっただろうけど、征人が来てるときの夕飯はほとんど智大が作ったものだよ」
「……知らなかったです」
「パパのためじゃなくて、好きな人のために料理上手くなりたいとか…っ。悔しいけど智大、本当に健気で良い子……!本当に天使……!」
あ、いつもどおりの奏汰さんだ。なんかほっとする。
でも……そっか。俺のためにそんなとこまで頑張ってくれてたんだ。
「……可愛くて健気で料理うまでエロい嫁……」
嬉しくて呟いてた。
「「エロ……」」
「あ」
保護者二人の前でなんてこと言ってるんだ、俺。
「…すみま」
「そんっなにエロかったの?僕の天使」
「え」
「まあ、準備してるときから色気はダダ漏れだったけど」
「えっ」
そういえば、啓さんに準備してもらった、って言ってたよな…。
「あ、あの?」
「どうエロかった…!?」
「ええ!?」
「可愛い僕の天使が好きな男のためとはいえ、啓にお尻を向けてアナルの仕込みしてもらったなんて…、それだけでよからぬお店みたいで興奮するのに」
「……奏汰さん、変な性癖こじ開けないで」
「だって、啓だって気になるでしょ!?」
「そりゃ……、まあ……」
「――――で!?」
……もんのすごい前のめりで聞かれた。
保護者……って、こんな感じだっけ……?
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