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第1章 魔法を使ったら王子サマに溺愛されました。

18 夢と現

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 とても暖かくて気持ちが良かった。

『アキ』

 何度も口付けられて、腰を揺さぶられる。
 全身がクリスをもっと感じたいと悲鳴を上げてるようだった。

『は……、あ、あ』

 クリスが腰を打ち付けてくる度に、つながったその部分から湿った音が出る。俺の中でクリスが何度か果てているから、そんな音が出るのも当たり前で。

『アキ、可愛い』

 乳首をかじられた。
 悲鳴のような声が上がってしまうが、そこは痛みではなく快感を生んでいる。
 その証拠に、噛まれた瞬間、俺の中に入っているクリスの男根を思い切り締め上げていた。

『や……やだ……っ』

 俺自身が放ったもので腹部はもうどろどろだ。

『嫌ならやめる』

 ニヤリと笑ってクリスは体を離した。

『あ…』

 大きく足を広げられ、その奥に男根を咥えさせられたまま、見下される。
 耐えきれなくて手を伸ばしてクリスに抱きつく。

『きもちいいから』

 涙声だ。

『もっと』
『もっと、なんだ?』
『………もっと、きもちよくさせて……』

 クリスが笑った。
 俺の中に埋め込まれた男根は、また一回り大きくなった。

『ん、ん』

 軽く腰を揺らしながら、クリスは俺を支えたまま仰向けになってしまう。

『ひ……っ』

 クリスの上に跨るような格好になって、自分の重みで更に深いところまでクリスの男根を迎え入れる羽目になってしまった。

『あ、あ、やだ、深…いっ』
『気持ちいいだろう?』

 クリスが下から突き上げてきた。

『ひぅ…っ』

 気がついたら自分の腰も揺れていた。
 クリスの動きに合わせて、もっと快楽が得られるように。

『あ、あ、いく、いくぅぅ』
『アキ』

 体を起こしたクリスが、俺の耳の中に舌をねじ込んできた。

『いけ』
『………っ、あ、あ、ああああーーーっ!!』
『…っ、く………』

 ドクドクと中に注がれるクリスの体液。
 俺のそこからは、たらたらと薄い白濁のものが流れ出るだけだ。イかされ続けて出るものもなくなっているらしい。

『クリス……クリス……好き…もっと、もっと欲しいっ』
『ああ。俺も愛してる。アキが欲しいだけしてやる』
『うん…うんっ』

 抜かれることはないまま、またクリスが動き出した。

『クリス……大好き……愛してる』







「――――っ!!!」

 物凄く唐突に目が覚めた。
 日が昇ったようで、天幕の中も明るくなっている。
 それよりも何よりも、俺、なんて夢見てるんだよ…っ!?
 心臓がバクバクして体が熱い。

「――――」

 すぐ近くから声がした。
 よくよく見ると、たくましい胸元が目の前にある。

「うわ…っ」

 夢と重なった。
 いや、本当にあれは夢だったのか。

「…っ、クリス、離して」

 あんな夢を見てしまったからか、自分の下半身がとてもまずいことになってる自覚があった。
 離してって言ってるのに、クリスは聞こえていないのか、更に体を引き寄せ、太腿を俺の足の間に割り込ませてきた。

「ちょっ…」

 そんなことされたらまじやばいから!!

「――――」
「何言ってんのかわかんない!!とにかく、離してっ」

 そこで、はたと、クリスの動きが止まった。
 少しホッとして見上げたら、クリスの「思い出した」みたいな表情と出くわした。

「なに……………んっ!?」

 同じ目線の高さまで引き上げられ、のしかかってきたと思ったら、唇を重ねられた。
 すぐに舌が入り込み、勝手気ままに暴れだした。

「ん、んん、は、あ…」

 深い口づけについうっかり身を委ねていたら、クリスが徐に腰を揺らし始めた。

「ちょ…っ」

 文句を言うのに唇を離そうとしたら、あっという間に塞がれる。
 その間も腰は動いて下腹部を刺激してくるものだから、頭の中が真っ赤に染まっていくようだった。

「や…」

 自分の意志とは関係なく、体がビクビク跳ねる。
 そのうち、口の中に流し込まれ溜まった唾液を飲み込んだ。そうしないと苦しくて。

「クリス……ゃだ…ぁ」

 涙声になってしまった。
 頭がおかしくなるんじゃないかと思うほどに、気持ちが良すぎて。

「やめたほうがいい?」

 耳元の甘い声。
 ゾクゾクと背中が震えた。

「今やめたらつらいのはアキの方だぞ」
「…だって」

 恥ずかしいじゃないか。

「アキ」

 耳元の声は反則だ。

「ズボンの前をくつろげて。下着が汚れてしまう」

 ……着替えがないから、正直、それは困る。けど、多分、もう色々遅い。

「アキ」

 熱っぽく呼ばれて喉が鳴った。
 震える指先で、ズボンのホックを外してファスナーをさげる。

「いい子だ」

 クリスの手がすぐに入り込んできた。

「っ」
「ああ…もう遅かったか」

 直接触れられた。
 軽く握られただけなのに、ビリビリとした快感が体を走り抜けた。

「アキ…愛してる」
「……ぁっ」

 下着ごとズボンが引き降ろされた。

「っ」

 もう恥ずかしすぎて死にそう…っ。
 ぎゅっと閉じた目から、涙が落ちてしまった。

「アキ」

 目元に唇の感触。

「これ以上のことはしない。大丈夫。ここにいるのは俺とアキだけだ」
「……クリスっ」
「処理をするだけ。わかるか?」

 コクコクと頷くしかない。
 クリスの手が俺のものを軽く上下にしごき始めた。

「ん…っ、ぁ、ぁ」
「きもちいい?」
「う、ん」

 まだ涙が流れてる目元に、絶え間なく口づけられる。
 手の動きが早くなるにつれて、射精感が強くなった。

「ぁ、くりす……くりすっ」
「イけ」
「ひぁっ、あ、ああっ」

 クリスに思い切りしがみついていた。
 ビクンビクンと腰が震え、クリスの手に擦り付けるような形になってしまった。

「ん……っ、は、ぁ…」

 心地よい疲労感が体を満たしていく。

「くりす……」
「もう少し眠れ」
「ん…」

 耳元の甘い声。この声、好きだ。
 意識が遠のいていく。

「くりす………」
「ん?」
「………………好き…………………………かも………………」
「っ」

 夢と現実があやふやで。
 自分が何を口走っていたのか理解してなくて。
 すぐに眠りに落ちてしまったから、このときクリスがどんな顔をしていたのか、見ることができなかったけど。

「だから、それは反則だ…アキ」

 って、つぶやきが聞こえた気がした。


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