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第3章 遠征先でも安定の溺愛ぶりです。
20 遠征2日目…冒険者さん達と出会う。
しおりを挟む遠征2日目。本日もとてもいい天気。
ぐっすり眠った俺は、特に疲れを持ち越すことなく、きっちり早朝に目覚めることができた。
俺よりも少し早く起きていたクリスは、さっさと身支度を整えていて、ちょっと寝ぼけ気味の俺の寝間着を剥ぎ取り、手荷物から肌着と下着を取り出して俺に着せた。
自分でできるから!っていう抵抗ができるほど頭がしっかり目覚めてるわけでもなかったので、されるがままでした。
制服もしっかりと着せられ、ブレスレットも確認。最後はイヤリングをつけて完成。
その頃になって、ようやくはっきりと目が覚めた。
使った桶とかタオルとかを持って外に出ると、日が昇りきらない青空の下、隊員さんたちは皆忙しく動き回っていた。
桶の水は適当な場所に流して、乾かすためにおいておく。タオルは所定の場所に。
ザイルさんに果実水を渡されて、一気飲みしてから、クリスの傍を離れて調理番の方に手伝いに行った。
「それじゃ、鍋の中混ぜててください。ちょっと干し肉足すんで」
「了解!」
それくらいなら俺にもできるよ!
大きな鍋の中身をぐるぐるかき混ぜる。昨日の夜とは違うスープだ。
んー、なんだかキャンプみたいで楽しい。かなり不謹慎な気がするけど。
干し肉を取りに行った隊員さんは、すぐに戻ってきてスープの中に干し肉を裂きながらいれた。
ぐるぐるかき混ぜながらちらりとクリスの方を見たら、オットーさんとなにか話してる。流石に内容までは聞こえない。
「よし…、いいですね。アキラさん、殿下の分も一緒に持てます?」
「うん。大丈夫」
「それじゃ、今盛りますんで、スプーンと一緒に持っていってください。先に食べてていいですから」
「はい。ありがとです」
指定されたスプーンを2本持って、スープがたっぷり盛られた器を2つ持って、クリスのところに戻った。揺れると跳ねる。熱い。
「クリス、はい」
こぼさずなんとか受け渡し完了。
「ありがとう」
目を細めて受け取ってくれたクリス、格好いいです…。
クリスの隣に腰掛けて、スプーンも渡すと、果物やパンが出された。さっき飲みきった果実水も、もうおかわりが注がれてる。
「いただきます」
配膳された人から順次食事開始。
あー、干し肉が柔らかくて美味しい。
パンをちぎってスープを染み込ませて食べるのも美味しい。
「アキは本当に美味そうに食べるな」
クリスが隣で笑う。
「だって、美味しいよ?外で食べるとかもいいよね!」
クリスが口元に運んできた果物に齧りつく。んー、甘い。
「城にいるときより元気に見える」
「そう?んー、俺、そんなにアウトドア派じゃないんだけどなぁ」
「あうとどあ…?」
「ああ、ええと、外で活動すること?旅行したりとか、キャンプしたりとか。俺、あまりそういうの興味なかったから、学校以外ほとんど家の中で過ごしてたよ」
完全なインドア派だったからなぁ。
でも、こっちの世界に来てから、外に出るのも嫌いじゃないと感じてる。
静かで、目に映るもの全てが珍しくて、ちょっとゲームぽくて、何より、クリスがいてくれる。
「外に出るのが好きなのかと思った。楽しそうだからな」
「ん……、だって、お城にいるときより、クリスが傍にいるから」
外なら堂々とクリスの隣にいられるんだよ。
フフッと笑って、傍らのクリスに寄りかかると、クリスが肩を抱いてくれる。
「抱けないんだから抑えが効かなくなるようなことを言うな」
「ほんとのことだし」
クリスは空を仰ぎ見てから、ため息をついた。
それから俺の耳元で、「愛してるよ」って、囁いた。
朝食を食べ終わったらすぐに出発した。
その後は休憩無しで、ひたすら馬を駆る。
途中、何匹か魔物が出たけど、被害なし。瞬殺でした。多分、ウォーウルフ的なやつだったかな。
太陽が中点に差し掛かった頃、進行方向に鬱蒼とした木々が見え始めた。
比較的安全な平野は終わり。
あの森からが、今回の本番。
「オットー」
「でます」
指示を出されたわけでもないのに、オットーさんと他2人の隊員さんが、先に進んだ。
野営地は森の中には設置しない。森の中だと視界は悪いし、魔物も潜伏しやすいから危険なので。その辺りは大丈夫。わかってる。伊達にいろんなゲームやってきたわけじゃないから。
落ち着いていられるのはそのあたりのこともあるのかな。もちろん、生身、って所に怖さとか、感じない訳じゃないんだけど。
先行がでてからそれほど時間をあけず、俺たちも合流した。
そして、俺は目が釘付け。
冒険者と思われる人たちだけで、10人以上いる。
装備は様々。金属鎧の人もいれば、ローブ系の人も。剣を腰に装備している人とか、背中に大剣背負ってる人とか、あ、短剣ぽいのを2本腰の後ろ側に装備してる人も。なんだろ、二刀流?双剣?やばい。テンション上がる!
ただ、種族的には皆さん『人間』と思われる。エルフさんとかに会えるかもと思ってたから、そこだけは残念。
冒険者の人たちの集団から少し離れたところで馬から降りて、隊員さんに手綱を渡した。
「……ああ」
集団をよく見たクリスが、何かに気づいたのか声を上げた。その理由はよくわからない。
マントを少し直しながら、クリスが集団に向かう。俺は一歩分くらい後ろからついていく。先に到着していたオットーさんが話していた人物の前で、クリスは立ち止まった。
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