348 / 560
閑話 ②
腐女子的分析 ◆セシリア
しおりを挟む*5章、エーデル領から王都に帰還する馬車内の小話です。
何度も言うが、この世界では同性同士の結婚が認められている。
それでも血筋を絶やさないため、後継ぎには異性を娶ることが推奨されてる。ま、それだって、家族の理解があれば超えられる壁だ。
だから、同性愛はハードルが低い。成就しやすい。
人口的に壊滅状態にはなっていないのだから、少数であることは確かなことだ。圧倒的に異性愛者が多い。うん。当然。世界が成り立たなくなる。
私の周りには異性愛者しかいなかった。
街には同性の伴侶を持つ人も何組かいたけれど。
けど、なんだろう。
エーデル領を訪れた、第二王子殿下一行。
腐女子の感が冴えまくる。
クリストフ殿下とアキラさんは、語るまでもない。どこからどう見ても愛し合ってる恋人同士。
アキラさんはこの兵団を『クリス隊』と呼ぶ。正式な名称はないらしい。
クリス隊の皆さんは、各々レベルが高い。
腕じゃなくて見目で選ばれたのか!?と思うほどに見目がいい…。いや、そんなことはないのだけれど。
まず、団長のオットー様。
普段の言葉使いはとても丁寧。物腰も柔らか。でもたまに殺気が飛ぶ。この人は絶対に攻め。攻めしかない。
副団長のザイル・リクシー様。
貴族ってこともあって、身のこなしがどこか優雅。気のいいお兄さん!って感じの人。んで、彼は受け。多分受け。流され系受け。強気受けにせまられる弱気攻めなら可。
ディック様は、ちょっとヘタレ系攻め。
ミルド様は、ヤンデレ系受け。
ケイン様は妻帯者だった…。
ネイトリン・オルブライト様は構いたがりな攻め。
ヘイデン・キャロウ様はチャラそうに見えて一途攻め。
ブランドン・ガードナー様は色気振りまく攻め。数人いけそうね…。
リオ様は、元気だけど甘えたがりな受け。
ユージーン・アディントン様は甘えるのが苦手な受け。
………うむ。
分類はこんなところか。
つまりはあれだ。
クリス隊は私の腐女子としての心を奮い立たせる絶好の素材ということ…!!
「うふふふ」
「……リアさん怖い……」
「素晴らしい!!素晴らしいのよ、アキラさん!!!」
馬車の小窓から、外を眺めてつぶさに観察して。
団長と副団長の近さに悶えつつ。
たまに見せるリオさんの小悪魔な表情にドキドキして。
「お願いだから、俺のことはネタにしないで……」
引きつった笑顔でミナを膝に乗せてぎゅっと抱きしめてるアキラさんも、可愛らしい。
「……アキラさん」
「なに?」
「殿下のどこを好きになったの?」
「え!?」
「馴れ初めは聞いたけど、それは過程の話でしょう?」
過程だけではなくて、心の動きを知りたいわけよ。腐女子としては。
「えと……」
アキラさんの目が泳ぐ。
何度か窓の外に視線が流れて、殿下のお姿でも確認したのか、頬を染めて口籠る。
………可愛い。可愛すぎる。
「……わかんないよ。最初からイケメンだなぁとは思ったけど」
「強引にされて絆されたパターンか……」
「絆されたのかなぁ…」
元々の性指向でないなら、絆されたんでしょう。
それならそれで、ある意味王道。
「……ほんと。あの溺愛ぶり。素晴しい……」
真っ赤な顔のアキラさん。
素が出まくってる私も私。
「大丈夫!」
「何が?」
「私は何があっても、アキラさんの味方だから!ずっと応援し続けるから!」
「え」
「だから、この先も殿下とのお話を聞かせてくださいね?」
耳まで真っ赤にさせたアキラさんが、小さく頷く。勢いの勝利。
「婚姻式には絶対出席するわ。お父様にお留守番してもらいましょう」
「うん」
恥ずかしそうに、でも、嬉しそうに。
ほんとに可愛い。
弟みたい。……現状、私の方が年下だけど。
その後、休憩のときにアキラさんは殿下にさらわれていった。
皆から少し離れた場所に連れて行かれて、戻ってきたアキラさんはやっぱり真っ赤で。
馬車に乗ることなく、殿下に抱きしめられながら殿下の愛馬に乗っていたアキラさんは、とても幸せそう。
……はぁ。
ご馳走様です……。
137
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。
フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」
可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。
だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。
◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。
◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる