443 / 560
第7章 魔法が使える世界で王子サマに溺愛されてます。
23 腕の中の幸福 ◆クリストフ
ある程度の形や色については聞いていた。
仮縫いの状態であっても、それをアキが纏うと黒髪が引き立ちよく似合っていた。
ヴェール越しの瞳は艶めかしさすら感じた。
化粧がされてなくとも、宝石で飾られていなくとも、拐いたくなるほど綺麗だ。
婚礼衣装の合わせが終わりアキのほっとした顔が見れたが、続いての夜会服の合わせに顔色をなくしていた。呆然としたその表情も可愛らしい。
途中、メリダが用意した茶や菓子を食べていたが疲労は取れないらしく、終わる頃にはぐったりと椅子に座っていた。
夜会服の他にも数着の依頼をかけ、ソリア達が片付けている間にアキを風呂場に連れて行った。
抱き上げれば首にしがみついてくる。
首筋に顔を埋め、深く息を吸い込んでるうちに、肩からは力が抜けていく。
「疲れたか?」
「疲れた…。魔法の練習のほうがいい…」
本音なのだろう。
確かに魔法を使っていたアキは生き生きとしていた。
脱衣所でアキを降ろし、額に口付けながら身につけていた飾りも全て外して棚の上に置き、服を脱がしていく。
肌着も脱がせ、何の跡も残っていない左肩に口付けた。
「ん……」
痩せているが、筋肉がついていないわけでもない身体。肋が浮いて見えるほどの痩せ方をしていないだけ、まだ安心できる。
裸の背筋に手を這わせる。
僅かに汗ばんだ背中は、手によく馴染む。
アキが俺にしていたように、俺もアキの首筋に顔を近づけ匂いを嗅いだ。
「クリス……っ、俺、今汗臭い……っ」
「そんなことない。……欲情した匂いがする」
「~~~っ!!そ、そんな匂い、絶対ウソ…!!」
大慌てで俺を引き離そうとするアキの狼狽えぶりに、思わず笑ってしまう。
顔を赤くしながら俺から視線を外すアキの顎を捉え、軽く頬に口付けてから、薄っすらと開き俺を誘う唇に重ね触れ合わせる。
閉じない瞳は俺を見続ける。
黒く美しい瞳の奥に、確かな揺らめきが見える。
顎から手を離し、両手で首筋を辿り肩を擦る。
ふるりと震えて、アキは目を閉じた。
絡ませてる舌は応え続け、俺を捕らえて離さない。
肩を擦り、また、首筋を撫で、鎖骨の形に指を這わせ、プクリと硬くなった胸の飾りを指で押しつぶす。
「は………ん……」
一瞬離れた口をすぐにまた塞いだ。
指の中で更に硬くなっていく飾りを抓むように揉んでいけば、だらりと下げたままだったアキの両手が、所在無げに動き出し、躊躇いがちに俺の腕に触れてきた。
アキの喉が鳴る。
飲み込んだのを確認して唇を離すと、潤んだ瞳と赤く濡れた唇が俺を誘う。
首筋に唇を落とし、なめらかな肌を唇で辿った。
腰に腕を回し引き寄せれば、互いの昂りが触れ合う。
硬く尖り赤く熟れた胸の飾りを唇で挟み、先端を舌でくすぐってやれば、アキの口からは堪えきれない熱い吐息が漏れてきた。
「や……ぁ、くりす、あせ、かいた、って…ぇ…っ」
「それほど気になるなら風呂に入ろうか」
「ん……っ、でも、そりあさん、たちが……」
「もう用事は済んだ。後はメリダがどうにかするから問題ない」
大体、こんなに身体を昂らせて、蕩けた表情をしているアキを、他人に見せるわけもないだろう。
胸の飾りに吸い付きながら、ズボンの中で下着の紐を解いた。
何度もしているのに、アキはこの瞬間を酷く恥じらう。
素肌に手をすべらせ、ただの布になった下着をズボンごと足元に落とす。
もう一度口付けながら、自分の服も脱いだ。全てを脱いで再びアキを抱き寄せれば、触れ合う素肌に耳まで赤くしていく。
口付けたまま、アキの小ぶりな尻に手を当て、背中を支えて抱き上げる。…いや、持ち上げる、の方が正しいか。
「あ、んっ」
俺の身体に擦れたのが刺激となったのか、昂ったままのアキのペニスから、とろりと蜜がこぼれ始めた。
濡れた感触でそれがわかったのか、アキは唇を離すと顔を隠すように俺にしがみついてくる。
アキを抱くのは婚姻式の夜だと決めたのに、気持ちが揺らいでしまう。
しがみついているアキを落とさぬよう、浴室に入る。
アキが目覚めてからは浴室で隅々まで洗い、まだ硬く緊張の解けない蕾を愛撫している。毎日解し、アキの身体が傷つかないように。
そしてベッドで俺の熱を伝える。
無垢な身体に俺を教え込み、アキが安心して受け入れるように慣らしていく。
「アキ、洗うぞ」
「んっ」
低い椅子に腰掛けて、いつものように足の上に座らせる。
髪も、身体も。
アキを綺麗にしていくのは俺の特権。アキ自身にも触れさせない。
「今日のアキはとても綺麗だったよ」
「ん……っ、おれじゃなくて、それは、ふくが…」
石鹸をつけた指をアキの蕾に押し込めていく。
「ん……ふ……っ、ぁ…っ」
「服じゃない。あれを着たアキが綺麗なんだ」
「ん……っっ」
柔らかく熱い場所を何度も指でかき混ぜ、二本の指が自由に動かせるまで解れたところで、少しずつ湯を流し込み石鹸を洗い流す。
その間にもややふっくらしたその場所を、指の腹で優しく撫でてやる。
「ぁ……くりす、くりす……っ」
はくはくと短い呼吸を繰り返すアキの唇に、啄む口づけを何度も落とした。
「婚姻式が待ち遠しい」
あんなアキは誰にも見せたくない。俺だけが見られればそれでいい。
けれど、逆に、皆に見せつけたい欲求もある。
「くりす……、ゃっ、ぁっ、ぁ……っ」
「イっていい」
「や、やだっ、まえ、さわ、って、まえ、も……っ」
「中だけでイけるだろ?」
「ん………んぅっ、や、あっ、あんんっ」
アキは頭を緩慢に横に振りながら、涙の滲んだ瞳で俺を見つめてきた。
「きょ……は、や、だ…っ、………ねが、ぃっ、シて……っ」
「……そんな顔で言われたら従ってしまうな」
可愛らしくて、綺麗で、妖艶で。
俺を惹き付けてやまない存在。
浴室においてある小瓶を手に取り、中身を少し指に絡める。普通の香油。アキが好みそうな甘い香りのもの。
それを纏わせた指を再び蕾の中に潜り込ませ、前立腺を嬲りながら雫をこぼすペニスを軽く扱いていく。
「あ、あん、あんんっ」
のけぞる首筋を食む。
「イ、ぃ、きもち、いい……っ、くりす……っ、イく、イ………っ」
少し強く中を擦り、ペニスの先端も満遍なく刺激していけば、アキの身体は小刻みに揺れ始める。
赤く色づくのは顔だけじゃない。
首筋も、肩も、胸の飾りも。
「イく……っ、あ、あ………っ、あぁ……!!!」
達する瞬間、アキは俺の首に腕を回し、強くしがみついてきた。
ビクビク震える身体。
蕾の中の指を締め付ける媚肉。
俺の手だけでなく、腹にまで飛ぶ白濁。
達してしまえば身体は脱力し、俺の胸元に寄りかかってくる。
ゆっくりと蕾の中から指を引き抜き、大きく揺れる肩から湯をかけ汗も白濁も洗い流していく。
「アキ」
抱き直し顔を見れば、今すぐにでも寝てしまいそうなほどぼうっとしていた。
「眠っていい」
「ん……」
額に軽く口付ければ、安心したようにアキは目を閉じた。
くたりと脱力したアキを抱え湯に浸かり、身体が温まった頃に湯から出る。
その頃にはアキからは穏やかな寝息が聞こえてきていた。
脱衣所で湯上がり用のタオルで身体を拭き、別のタオルでアキを包み一旦ソファに横たえる。
俺の身支度を手早く終わらせ、メリダが用意していったらしい寝間着をアキに着せた。
改めて抱き上げ部屋に戻れば、すっかり片付き家具の位置も戻っていた。
テーブルの上には果実水。
ベッドは整えられ、いつでも眠れる準備ができている。
メリダ自身の姿はなかったが、欲しいものはすべて整っていた。
ベッドにアキを寝かせ、冷えた果実水を口移しで飲ませる。
……そういえば夕食はこれからだな…と思い出したが、アキを起こすのは可哀想だ。このままゆっくり眠らせてやりたい。
俺もアキの隣で横になり、そっと抱き寄せる。
僅かに口元に笑みを浮かべるアキ。
その表情も好きだな。
婚姻式まで短いわけではないが、長くもない。
そして案外、俺は浮かれているらしい。
アキが腕の中にいるこの現状に。
手を伸ばせば触れられるこの距離に。
「愛してるよ……アキ」
愛しい存在を腕の中に抱き、俺も幸福の中で目を閉じた。
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたから能力隠すのやめまーすw
ミクリ21
BL
婚約破棄されたエドワードは、実は秘密をもっていた。それを知らない転生ヒロインは見事に王太子をゲットした。しかし、のちにこれが王太子とヒロインのざまぁに繋がる。
軽く説明
★シンシア…乙女ゲームに転生したヒロイン。自分が主人公だと思っている。
★エドワード…転生者だけど乙女ゲームの世界だとは知らない。本当の主人公です。
【完結】一生に一度だけでいいから、好きなひとに抱かれてみたい。
村松砂音(抹茶砂糖)
BL
第13回BL大賞で奨励賞をいただきました!
ありがとうございました!!
いつも不機嫌そうな美形の騎士×特異体質の不憫な騎士見習い
<あらすじ>
魔力欠乏体質者との性行為は、死ぬほど気持ちがいい。そんな噂が流れている「魔力欠乏体質」であるリュカは、父の命令で第二王子を誘惑するために見習い騎士として騎士団に入る。
見習い騎士には、側仕えとして先輩騎士と宿舎で同室となり、身の回りの世話をするという規則があり、リュカは隊長を務めるアレックスの側仕えとなった。
いつも不機嫌そうな態度とちぐはぐなアレックスのやさしさに触れていくにつれて、アレックスに惹かれていくリュカ。
ある日、リュカの前に第二王子のウィルフリッドが現れ、衝撃の事実を告げてきて……。
親のいいなりで生きてきた不憫な青年が、恋をして、しあわせをもらう物語。
※性描写が多めの作品になっていますのでご注意ください。
└性描写が含まれる話のサブタイトルには※をつけています。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」さまで作成しました。
《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。
かざみはら まなか
BL
24歳の英雄公爵✕29歳の日本に帰りたい異世界転移した青年
2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。
ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。
異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。
二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。
しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。
再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。