【完結】魔法が使えると王子サマに溺愛されるそうです〜婚約編〜

ゆずは

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第7章 魔法が使える世界で王子サマに溺愛されてます。

23 腕の中の幸福 ◆クリストフ




 ある程度の形や色については聞いていた。
 仮縫いの状態であっても、それをアキが纏うと黒髪が引き立ちよく似合っていた。
 ヴェール越しの瞳は艶めかしさすら感じた。
 化粧がされてなくとも、宝石で飾られていなくとも、拐いたくなるほど綺麗だ。

 婚礼衣装の合わせが終わりアキのほっとした顔が見れたが、続いての夜会服の合わせに顔色をなくしていた。呆然としたその表情も可愛らしい。
 途中、メリダが用意した茶や菓子を食べていたが疲労は取れないらしく、終わる頃にはぐったりと椅子に座っていた。

 夜会服の他にも数着の依頼をかけ、ソリア達が片付けている間にアキを風呂場に連れて行った。
 抱き上げれば首にしがみついてくる。
 首筋に顔を埋め、深く息を吸い込んでるうちに、肩からは力が抜けていく。

「疲れたか?」
「疲れた…。魔法の練習のほうがいい…」

 本音なのだろう。
 確かに魔法を使っていたアキは生き生きとしていた。
 脱衣所でアキを降ろし、額に口付けながら身につけていた飾りも全て外して棚の上に置き、服を脱がしていく。
 肌着も脱がせ、何の跡も残っていない左肩に口付けた。

「ん……」

 痩せているが、筋肉がついていないわけでもない身体。肋が浮いて見えるほどの痩せ方をしていないだけ、まだ安心できる。
 裸の背筋に手を這わせる。
 僅かに汗ばんだ背中は、手によく馴染む。
 アキが俺にしていたように、俺もアキの首筋に顔を近づけ匂いを嗅いだ。

「クリス……っ、俺、今汗臭い……っ」
「そんなことない。……欲情した匂いがする」
「~~~っ!!そ、そんな匂い、絶対ウソ…!!」

 大慌てで俺を引き離そうとするアキの狼狽えぶりに、思わず笑ってしまう。
 顔を赤くしながら俺から視線を外すアキの顎を捉え、軽く頬に口付けてから、薄っすらと開き俺を誘う唇に重ね触れ合わせる。

 閉じない瞳は俺を見続ける。
 黒く美しい瞳の奥に、確かな揺らめきが見える。
 顎から手を離し、両手で首筋を辿り肩を擦る。
 ふるりと震えて、アキは目を閉じた。
 絡ませてる舌は応え続け、俺を捕らえて離さない。
 肩を擦り、また、首筋を撫で、鎖骨の形に指を這わせ、プクリと硬くなった胸の飾りを指で押しつぶす。

「は………ん……」

 一瞬離れた口をすぐにまた塞いだ。
 指の中で更に硬くなっていく飾りを抓むように揉んでいけば、だらりと下げたままだったアキの両手が、所在無げに動き出し、躊躇いがちに俺の腕に触れてきた。
 アキの喉が鳴る。
 飲み込んだのを確認して唇を離すと、潤んだ瞳と赤く濡れた唇が俺を誘う。
 首筋に唇を落とし、なめらかな肌を唇で辿った。
 腰に腕を回し引き寄せれば、互いの昂りが触れ合う。
 硬く尖り赤く熟れた胸の飾りを唇で挟み、先端を舌でくすぐってやれば、アキの口からは堪えきれない熱い吐息が漏れてきた。

「や……ぁ、くりす、あせ、かいた、って…ぇ…っ」
「それほど気になるなら風呂に入ろうか」
「ん……っ、でも、そりあさん、たちが……」
「もう用事は済んだ。後はメリダがどうにかするから問題ない」

 大体、こんなに身体を昂らせて、蕩けた表情をしているアキを、他人に見せるわけもないだろう。
 胸の飾りに吸い付きながら、ズボンの中で下着の紐を解いた。
 何度もしているのに、アキはこの瞬間を酷く恥じらう。
 素肌に手をすべらせ、ただの布になった下着をズボンごと足元に落とす。
 もう一度口付けながら、自分の服も脱いだ。全てを脱いで再びアキを抱き寄せれば、触れ合う素肌に耳まで赤くしていく。
 口付けたまま、アキの小ぶりな尻に手を当て、背中を支えて抱き上げる。…いや、持ち上げる、の方が正しいか。

「あ、んっ」

 俺の身体に擦れたのが刺激となったのか、昂ったままのアキのペニスから、とろりと蜜がこぼれ始めた。
 濡れた感触でそれがわかったのか、アキは唇を離すと顔を隠すように俺にしがみついてくる。
 アキを抱くのは婚姻式の夜だと決めたのに、気持ちが揺らいでしまう。

 しがみついているアキを落とさぬよう、浴室に入る。
 アキが目覚めてからは浴室で隅々まで洗い、まだ硬く緊張の解けない蕾を愛撫している。毎日解し、アキの身体が傷つかないように。
 そしてベッドで俺の熱を伝える。
 無垢な身体に俺を教え込み、アキが安心して受け入れるように慣らしていく。

「アキ、洗うぞ」
「んっ」

 低い椅子に腰掛けて、いつものように足の上に座らせる。
 髪も、身体も。
 アキを綺麗にしていくのは俺の特権。アキ自身にも触れさせない。

「今日のアキはとても綺麗だったよ」
「ん……っ、おれじゃなくて、それは、ふくが…」

 石鹸をつけた指をアキの蕾に押し込めていく。

「ん……ふ……っ、ぁ…っ」
「服じゃない。あれを着たアキが綺麗なんだ」
「ん……っっ」

 柔らかく熱い場所を何度も指でかき混ぜ、二本の指が自由に動かせるまで解れたところで、少しずつ湯を流し込み石鹸を洗い流す。
 その間にもややふっくらしたその場所を、指の腹で優しく撫でてやる。

「ぁ……くりす、くりす……っ」

 はくはくと短い呼吸を繰り返すアキの唇に、啄む口づけを何度も落とした。

「婚姻式が待ち遠しい」

 あんなアキは誰にも見せたくない。俺だけが見られればそれでいい。
 けれど、逆に、皆に見せつけたい欲求もある。

「くりす……、ゃっ、ぁっ、ぁ……っ」
「イっていい」
「や、やだっ、まえ、さわ、って、まえ、も……っ」
「中だけでイけるだろ?」
「ん………んぅっ、や、あっ、あんんっ」

 アキは頭を緩慢に横に振りながら、涙の滲んだ瞳で俺を見つめてきた。

「きょ……は、や、だ…っ、………ねが、ぃっ、シて……っ」
「……そんな顔で言われたら従ってしまうな」

 可愛らしくて、綺麗で、妖艶で。
 俺を惹き付けてやまない存在。
 浴室においてある小瓶を手に取り、中身を少し指に絡める。普通の香油。アキが好みそうな甘い香りのもの。
 それを纏わせた指を再び蕾の中に潜り込ませ、前立腺を嬲りながら雫をこぼすペニスを軽く扱いていく。

「あ、あん、あんんっ」

 のけぞる首筋を食む。

「イ、ぃ、きもち、いい……っ、くりす……っ、イく、イ………っ」

 少し強く中を擦り、ペニスの先端も満遍なく刺激していけば、アキの身体は小刻みに揺れ始める。
 赤く色づくのは顔だけじゃない。
 首筋も、肩も、胸の飾りも。

「イく……っ、あ、あ………っ、あぁ……!!!」

 達する瞬間、アキは俺の首に腕を回し、強くしがみついてきた。
 ビクビク震える身体。
 蕾の中の指を締め付ける媚肉。
 俺の手だけでなく、腹にまで飛ぶ白濁。

 達してしまえば身体は脱力し、俺の胸元に寄りかかってくる。
 ゆっくりと蕾の中から指を引き抜き、大きく揺れる肩から湯をかけ汗も白濁も洗い流していく。

「アキ」

 抱き直し顔を見れば、今すぐにでも寝てしまいそうなほどぼうっとしていた。

「眠っていい」
「ん……」

 額に軽く口付ければ、安心したようにアキは目を閉じた。
 くたりと脱力したアキを抱え湯に浸かり、身体が温まった頃に湯から出る。
 その頃にはアキからは穏やかな寝息が聞こえてきていた。

 脱衣所で湯上がり用のタオルで身体を拭き、別のタオルでアキを包み一旦ソファに横たえる。
 俺の身支度を手早く終わらせ、メリダが用意していったらしい寝間着をアキに着せた。

 改めて抱き上げ部屋に戻れば、すっかり片付き家具の位置も戻っていた。
 テーブルの上には果実水。
 ベッドは整えられ、いつでも眠れる準備ができている。
 メリダ自身の姿はなかったが、欲しいものはすべて整っていた。

 ベッドにアキを寝かせ、冷えた果実水を口移しで飲ませる。
 ……そういえば夕食はこれからだな…と思い出したが、アキを起こすのは可哀想だ。このままゆっくり眠らせてやりたい。

 俺もアキの隣で横になり、そっと抱き寄せる。
 僅かに口元に笑みを浮かべるアキ。
 その表情も好きだな。

 婚姻式まで短いわけではないが、長くもない。
 そして案外、俺は浮かれているらしい。
 アキが腕の中にいるこの現状に。
 手を伸ばせば触れられるこの距離に。

「愛してるよ……アキ」

 愛しい存在を腕の中に抱き、俺も幸福の中で目を閉じた。



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