魔法が使えると王子サマに溺愛されるそうです〜伴侶編〜

ゆずは

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新婚旅行は海辺の街へ

11 ◆クリストフ

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 オットーとザイルには、そろそろ伝えるかと思っていた矢先のことだったからよかったものの、誰に聞かれるともわからない廊下でする話ではなかった。
 俺の気のゆるみの結果だが、まあ、これはこれでいいとする。

 話しが終わり二人を戻らせてから、アキを改めて抱き上げた。

「クリス?」
「風呂に入って休もうか」
「ん」

 アキの表情からは憂いは感じられない。…全く。アキに余計な負担をかけたあの男が気に入らない。…男爵の息子もそうだ。最初の態度からしておかしい。親は特に問題なさそうだというのに。

「クリス?」
「ん?」
「怖い顔してる」

 頬にアキの温かい手があてられる。
 …どうやらアキの意識を逸らすことはできたらしい。

「大丈夫だ」
「そう?」
「ああ。それより、今日はマシロはいいのか」
「あー…」

 珍しくアキの目が泳いでいた。
 マシロは風呂と訊いてもう自分の寝床で耳を伏せて丸くなっている。

「今日は……いいかな」
「そうか」

 ならば、と、アキを風呂場に連れ込んだ。
 俺が服を脱がせていくのを、少し頬を染めて受け入れている。
 …可愛いな。

「アキ」
「んっ」

 互いに裸になってから口付けをする。
 裸の背中を撫でおろせば、面白いくらいに体が跳ねた。

「あ、あの」
「ん?」

 肌が手に吸い付くようだ。
 心地いい。
 柔らかな黒髪に口付けて抱き上げると、アキの顔はますます赤みを増していった。

「あの、クリスっ」
「ん?」

 浴室の中は十分温まっていた。
 風呂椅子に腰かけ、アキを対面に抱きなおす。
 赤く染まった頬と、僅かに潤む瞳に、どうしても惹きつけられる。

「あ、あの、マシロに、感情が繋がりやすい、って」
「ん?…ああ。繋がりやすいというか、アキの感情が流れ込みやすいんだろうな」
「う゛。そ、それって、……えと」

 ……大体、何を聞きたいのか理解した。
 楽しいからこのままアキが口にするのを待ってみるか。
 開いては閉じる唇に見入りながら、アキの背中にゆっくりと湯をかける。
 乳首はすっかり勃ち上がっていて、舐めしゃぶりたくなる。

「ん、クリス」
「聞いてる」
「あの……っ」

 先に髪を洗ってしまおう。
 アキの髪を洗うのは、俺だけの特権だ。

「……マシロに流れる感情、って」
「ああ」

 用意されていた洗髪用石鹸からは柑橘系の香がした。これはいい香りだな。アキにもよく合う。
 頭皮をマッサージするように指を動かすと、アキの口からは気持ちよさそうなため息が漏れ出る。

「気持ちいいか?」
「うん……、いい…」
「それで?」
「ん……っ」

 洗髪を終えて体を洗う。
 手のひらで、撫でるように、揉むように。

「ん…っ、クリス、ちょ、っとまって、…っ」
「なんだ?」
「話……させて……っ」
「してるだろ?」

 口付けたいのにそれだけはしないようにしているのだから。
 アキは潤んだ瞳で俺を睨んでくるが、全く怖くない。…ねだられているようにも見える、困った瞳だ。

「ほら。話の続きは?」

 細い体を両手で撫でまわす。
 両の親指でプクリと硬くなった乳首を押しつぶすように撫でれば、隠しようのない反応したアキのペニスが、ぷつっと雫をにじませた。

「や……っ」
「アキ」

 耳元で、舌を穴にいれながら。

「ひぅぅん…っ」

 アキの腰も揺らめき始め、すでに硬く形を変えている俺のペニスに、アキのそれがこすり付けられた。

「や…っ、あ、まって、まって…っ」
「腰を揺らしてるのはアキなんだが」
「やあっ」
「一度出しておけ。…これじゃ話せないだろ?」
「んぅぅぅっ」

 俺にしがみついてくるアキ。
 笑いそうになるのを口元だけにして、お互いのペニスを手に包み込み扱き上げた。

「ん…っ、んぅっ、ふあ……っっ、イく、イく…っ」
「ああ。イけ」
「ひゃ……あ!!!」
「……っ」

 アキの熱に引かれるように、俺も熱を吐き出した。
 手の中に二人分の白濁が溢れる。

「あ……あ……」

 体をびくびくと震わせながら、アキが腰を押し付けてきた。
 …この仕草も可愛い。

「あ………ん……っ」

 少し萎えたアキのペニスをもっといじり倒してやりたいが、そこまですると怒りだす気もする。
 このまま蕾に指を入れて馴染ませたいが、まずは湯をかけて白濁を洗い流した。

「ん………」
「落ち着いた?」
「ん……」

 小さくコクコク頷くアキは、まだ俺にしがみついたまま。

「話せる?」
「う、ん」

 頷くけれど、離れる気はないらしい。

「……あのね」
「ん」
「俺が、クリスのこと、好きっていう気持ちとか、…………クリスと、……その、シ、てるときの、きもち、いいとか、そういう、気持ちとかも、マシロに、流れちゃうのかな、って……、思って……っ」

 そうか。気持ちいいと思ってくれているのか。
 わかっていることだが、言葉にされるとやはり嬉しいし、滾る。気持ちがよいなら、遠慮することもないだろう、と。

「気持ち、というか、感情、だな」

 とりあえず自分の欲はもう少し後だ。
 アキは勝手に一人で思い悩む性質だから。

「嫌だと感じること、楽しいと感じること、そういうものがマシロにも流れてるんだと思う」
「……きもち、いい、とか、は?」
「そうだな……。『嬉しい』って思いはもしかしたら流れているかもしれないな。あとは、俺のことを『好き』っていう感情も、流れているんだろ。だから、マシロはいつも俺に突っかかってくるんだ」

 そこまで伝えてようやくアキは顔をあげた。

「……ほんとに、それだけ、だと、思う?」
「そうだろ。そうじゃなかったら、まだ成獣でもないのに、マシロが発情してるはずだ」
「は、つ」
「アキは口付けだけで俺に発情するから」
「っっ」
「ほら……、今だって発情してるだろ?」

 蕾に指を這わせれば、すぐにそこは柔らかくほぐれていく。

「ん…っ、だって、それは、クリスだって……っ」
「ああ。俺はいつだってアキに発情するぞ?」
「っ」

 また隙間のないほどにしがみついてくるアキ。

「婚姻したばかりの愛しい、最愛の伴侶だ。発情しないわけがない」
「クリスっ」
「だからな、アキ。今すぐ抱かせてくれ」

 耳元で、甘く、甘く。
 アキが頷くまで、優しく背中を撫でるだけ。

 そのうち、アキは小さく頷く。
 真っ赤な顔を俺にむけて、口付けをねだって。

 なんの憂いも感じないほど、俺に抱かれればいい。
 俺のことだけを考えて。
 俺のことだけを想って。

 愛してるよ、アキ。



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