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自由の国『リーデンベルグ』
閑話 マシロは『メイド』さん
しおりを挟む「あね、あきぱぱとぉ、ういすぱぱとぉ、いっしょ、ごはん!」
「うん。そうだね」
そういえばここのところ、ずっとお昼ごはんが別々だった。マシロのはしゃぎぶりもわかる。
うふふ、と笑うマシロ。
それにしても、こんな服、持っていたっけ?
多分、エプロンドレスとか言うやつ。
ベースは黒で、肩がふんわりした作りで、レースとかエプロン部分が白。手首にも白のレースと黒のリボンでできた飾りをつけていて可愛い。
白と黒以外は、愛用のポシェットだけど……、おかしいな。俺の記憶が確かならば、マシロの服がゴスロリ……、いや、違うか。特殊なカフェの店員さんの制服に見えるんだけど。
ちらりとリアさんを見たけど、いつもの笑顔だけで、特に企んでそうな雰囲気はない。
たまたまかな……?って、あまり気にしないことにした。
城下町の散策だけど、護衛さんはいる。もちろん、いつもの護衛コンビ以外の。普段あまり接点のない、近衛騎士団の副団長さんとか、いつもどこにいるんだろう……という面々や、リーデンベルグ側からも護衛がつけられている。
でもこんなにぞろぞろと歩いてたら、街の人に迷惑だよね……ってことで、護衛コンビ以外の護衛の方々は、市井の方に扮しているから、正直俺は誰が誰だかわからない。多分クリスは把握しているはず。
まぁ、とりあえずそれはいい。
お昼は伯爵推薦のレストランで食べることにしてた。
お店を貸し切るわけじゃないし、他の護衛さんもいる状況なので、テーブルにつくのは俺とクリスとマシロとリアさんだけ。みんなごめんなさい。
サンドイッチみたいな軽食をお持ち帰りように包んでもらって、とりあえず護衛コンビに渡そうかとか考えていたんだけど、全部真っ白になるような事件が起きた。
「あーね」
「ん?」
クリスの膝の上に座ったマシロが、でてきた料理に向かって、両手を突き出した。
まだ小さくて短い指で、『はーと』を作りながら。
「おいちくなぁれぇ!」
「!?」
「もぇ~きゅん?」
「!?!?」
は!?
え、なんで!?
「マシロちゃん、ぐー!!」
「えへ」
いやいやいやいや。
ぐー!
じゃ、ないでしょ、リアさん!!
「リ、リアさん、なに教えてんの……!!」
「だって可愛いでしょ?」
「か……可愛い、可愛いけどさぁ!!!」
「あきぱぱ、もっと、きゅん、しゅる?」
「うううう、可愛いマシロ……!!」
「かぁい?」
「めっちゃ可愛い」
「めっちゃ!」
大喜びのマシロが、クリスの膝の上から降りて、その場でくるりと回った。……メイドさんみたいなワンピースがふわっとしてこれも可愛い。
「うれち!」
可愛すぎて、俺、撃沈した。
テーブルに頭を突っ伏してたら、クリスが頭を撫でてくれた。
「セシリアに教えてもらったのか」
「う!ういすぱぱも、かぁい?」
「そうだな。帰国したら父上たちにも見せると良い。きっと喜ぶ」
「あぃ!もぇきゅん、しゅる!」
「ふふ……マシロちゃんカフェしなきゃですね」
いいけど。
いいけどさ。
可愛すぎで俺のダメージがすごいんですけどっ。
とりあえず、お店の中の他のお客さんたちよ。マシロが可愛すぎてあれだけど、そのデレっとした顔を隠して欲しい………。
*****
お昼に食べた薬膳カレーにお腹をやられまして。薬膳なのに、体調崩しました。
ので、短いお話を……。
体調戻ったら次は普通に本編に戻ります……。
や、もしかして、これもある意味本編……?
ヘッドドレスはつけてません。多分…。
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