10 / 27
9.冷たい視線と温まる視線
しおりを挟む
―――冷たい視線が辛かった。
ミシェルはエバーガーデニア王国でのジェイドや町の人々の目を思い出す。どこにいても、「なぜ、泣くんだ・・・なぜ?」と問い詰めら続けているような日々。自分でも心の制御をしなければならないと思っても、その視線を感じると自分の目にも関わらず言うことを聞いてくれなかった。
(でも・・・)
「どうかされましたか? ミシェル様」
ミシェルが悩んでいると、侍女が心配そうにミシェルの顔を覗き込む。ミシェルはマハラジャに連れてこられたのはガラハラ王国の王宮に着いた。
「い、異国に来たのは初めてでしたので、戸惑ってしまいまして、すいませんっ」
エバーガーデニア王国とは違うオリエントな雰囲気に戸惑っていたのも事実だったが一番の原因はそうではなかった。
「ふふっ。あぁ、すいません。でも、ミシェル様、どうか謝らないでください。私もこの国から出たことが無いのですが、もしよろしければエバーガーデニア王国のお話を聞いてもよろしいですか?」
侍女はとても和やかにミシェルに話しかけた。
「あっ、はいっ。私でよければ・・・」
ミシェルはたどたどしく話をしたけれど、侍女はミシェルの話をとても楽しそうに聞き、ミシェルも人に話をするのがこんなにも楽しいのは久しぶりだと、心が弾んだ。
「なにやら、楽しそうですね」
「マハラジャ様」
マハラジャがやってくると、侍女は慌てて頭を下げた。エバーガーデニア王国に向かう際に着ていたマハラジャの服も大層高級なものではあったけれど、旅行というのもありやや軽装だったが、着替えてきたマハラジャはとても豪華な服を着ていた。服には、ガラハラ王国で良く取れるダイヤやサファイアやルビー、エメラルドなどの宝石が細部にまで施されており、優しい顔しているマハラジャだったが、位の高さを物語っており、ミシェルは自然と、頭を下げていた。
「ミシェル様、こちらへどうぞ」
マハラジャにとってミシェルは大事なお客様であり、ミシェルが頭を下げたのと同じようにマハラジャも頭を下げ、王座の間へと案内する。
「あの・・・マハラジャさま? もしかしてですけど、マハラジャ様は・・・」
「申し遅れました。僕、マハラジャは第12代目ガラハラ王国の国王をしています」
エバーガーデニア王国のジェイド王子と婚約しており、普通ならば多少びっくりしても順応できるかもしれない。
「ミシェル様・・・?」
けれど、ミシェルは自身の能力に見合わなないほどに小心者なのである。マハラジャが動かなくなったミシェルの目の近くで手を振るけれど、ミシェルの目は条件反射で追うこともせず、微動だにしない。
「気絶されているようだ」
ミシェルはエバーガーデニア王国でのジェイドや町の人々の目を思い出す。どこにいても、「なぜ、泣くんだ・・・なぜ?」と問い詰めら続けているような日々。自分でも心の制御をしなければならないと思っても、その視線を感じると自分の目にも関わらず言うことを聞いてくれなかった。
(でも・・・)
「どうかされましたか? ミシェル様」
ミシェルが悩んでいると、侍女が心配そうにミシェルの顔を覗き込む。ミシェルはマハラジャに連れてこられたのはガラハラ王国の王宮に着いた。
「い、異国に来たのは初めてでしたので、戸惑ってしまいまして、すいませんっ」
エバーガーデニア王国とは違うオリエントな雰囲気に戸惑っていたのも事実だったが一番の原因はそうではなかった。
「ふふっ。あぁ、すいません。でも、ミシェル様、どうか謝らないでください。私もこの国から出たことが無いのですが、もしよろしければエバーガーデニア王国のお話を聞いてもよろしいですか?」
侍女はとても和やかにミシェルに話しかけた。
「あっ、はいっ。私でよければ・・・」
ミシェルはたどたどしく話をしたけれど、侍女はミシェルの話をとても楽しそうに聞き、ミシェルも人に話をするのがこんなにも楽しいのは久しぶりだと、心が弾んだ。
「なにやら、楽しそうですね」
「マハラジャ様」
マハラジャがやってくると、侍女は慌てて頭を下げた。エバーガーデニア王国に向かう際に着ていたマハラジャの服も大層高級なものではあったけれど、旅行というのもありやや軽装だったが、着替えてきたマハラジャはとても豪華な服を着ていた。服には、ガラハラ王国で良く取れるダイヤやサファイアやルビー、エメラルドなどの宝石が細部にまで施されており、優しい顔しているマハラジャだったが、位の高さを物語っており、ミシェルは自然と、頭を下げていた。
「ミシェル様、こちらへどうぞ」
マハラジャにとってミシェルは大事なお客様であり、ミシェルが頭を下げたのと同じようにマハラジャも頭を下げ、王座の間へと案内する。
「あの・・・マハラジャさま? もしかしてですけど、マハラジャ様は・・・」
「申し遅れました。僕、マハラジャは第12代目ガラハラ王国の国王をしています」
エバーガーデニア王国のジェイド王子と婚約しており、普通ならば多少びっくりしても順応できるかもしれない。
「ミシェル様・・・?」
けれど、ミシェルは自身の能力に見合わなないほどに小心者なのである。マハラジャが動かなくなったミシェルの目の近くで手を振るけれど、ミシェルの目は条件反射で追うこともせず、微動だにしない。
「気絶されているようだ」
18
あなたにおすすめの小説
醜い傷ありと蔑まれてきた私の顔に刻まれていたのは、選ばれし者の証である聖痕でした。今更、態度を改められても許せません。
木山楽斗
恋愛
エルーナの顔には、生まれつき大きな痣がある。
その痣のせいで、彼女は醜い傷ありと蔑まれて生きてきた。父親や姉達から嫌われて、婚約者からは婚約破棄されて、彼女は、痣のせいで色々と辛い人生を送っていたのである。
ある時、彼女の痣に関してとある事実が判明した。
彼女の痣は、聖痕と呼ばれる選ばれし者の証だったのだ。
その事実が判明して、彼女の周囲の人々の態度は変わった。父親や姉達からは媚を売られて、元婚約者からは復縁を迫られて、今までの態度とは正反対の態度を取ってきたのだ。
流石に、エルーナもその態度は頭にきた。
今更、態度を改めても許せない。それが彼女の素直な気持ちだったのだ。
※5話目の投稿で、間違って別の作品の5話を投稿してしまいました。申し訳ありませんでした。既に修正済みです。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
【完結】「第一王子に婚約破棄されましたが平気です。私を大切にしてくださる男爵様に一途に愛されて幸せに暮らしますので」
まほりろ
恋愛
学園の食堂で第一王子に冤罪をかけられ、婚約破棄と国外追放を命じられた。
食堂にはクラスメイトも生徒会の仲間も先生もいた。
だが面倒なことに関わりたくないのか、皆見てみぬふりをしている。
誰か……誰か一人でもいい、私の味方になってくれたら……。
そんなとき颯爽?と私の前に現れたのは、ボサボサ頭に瓶底眼鏡のひょろひょろの男爵だった。
彼が私を守ってくれるの?
※ヒーローは最初弱くてかっこ悪いですが、回を重ねるごとに強くかっこよくなっていきます。
※ざまぁ有り、死ネタ有り
※他サイトにも投稿予定。
「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」
「地味でつまらない」と追放された令嬢、いつのまにか故郷で無双していました
きまま
恋愛
王太子に婚約を破棄され、「地味でつまらない」と笑われた令嬢アリシア。
居場所を失い、父の治める辺境へ戻った彼女は、かつて学んだ戦略と剣技を手に再び立ち上がる。
そして王都が彼女の才に気づくときには、もう彼女は遠い存在になっていた。
※拙い文章です。読みにくい箇所があるかもしれません。
※作者都合の解釈や設定などがあります。ご容赦ください。
役立たずと追放された令嬢ですが、極寒の森で【伝説の聖獣】になつかれました〜モフモフの獣人姿になった聖獣に、毎日甘く愛されています〜
腐ったバナナ
恋愛
「魔力なしの役立たず」と家族と婚約者に見捨てられ、極寒の魔獣の森に追放された公爵令嬢アリア。
絶望の淵で彼女が出会ったのは、致命傷を負った伝説の聖獣だった。アリアは、微弱な生命力操作の能力と薬学知識で彼を救い、その巨大な銀色のモフモフに癒やしを見いだす。
しかし、銀狼は夜になると冷酷無比な辺境領主シルヴァンへと変身!
「俺の命を救ったのだから、君は俺の永遠の所有物だ」
シルヴァンとの契約結婚を受け入れたアリアは、彼の強大な力を後ろ盾に、冷徹な知性で王都の裏切り者たちを周到に追い詰めていく。
本当に妹のことを愛しているなら、落ちぶれた彼女に寄り添うべきなのではありませんか?
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアレシアは、婿を迎える立場であった。
しかしある日突然、彼女は婚約者から婚約破棄を告げられる。彼はアレシアの妹と関係を持っており、そちらと婚約しようとしていたのだ。
そのことについて妹を問い詰めると、彼女は伝えてきた。アレシアのことをずっと疎んでおり、婚約者も伯爵家も手に入れようとしていることを。
このまま自分が伯爵家を手に入れる。彼女はそう言いながら、アレシアのことを嘲笑っていた。
しかしながら、彼女達の父親はそれを許さなかった。
妹には伯爵家を背負う資質がないとして、断固として認めなかったのである。
それに反発した妹は、伯爵家から追放されることにになった。
それから間もなくして、元婚約者がアレシアを訪ねてきた。
彼は追放されて落ちぶれた妹のことを心配しており、支援して欲しいと申し出てきたのだ。
だが、アレシアは知っていた。彼も家で立場がなくなり、追い詰められているということを。
そもそも彼は妹にコンタクトすら取っていない。そのことに呆れながら、アレシアは彼を追い返すのであった。
偽りの呪いで追放された聖女です。辺境で薬屋を開いたら、国一番の不運な王子様に拾われ「幸運の女神」と溺愛されています
黒崎隼人
ファンタジー
「君に触れると、不幸が起きるんだ」――偽りの呪いをかけられ、聖女の座を追われた少女、ルナ。
彼女は正体を隠し、辺境のミモザ村で薬師として静かな暮らしを始める。
ようやく手に入れた穏やかな日々。
しかし、そんな彼女の前に現れたのは、「王国一の不運王子」リオネスだった。
彼が歩けば嵐が起き、彼が触れば物が壊れる。
そんな王子が、なぜか彼女の薬草店の前で派手に転倒し、大怪我を負ってしまう。
「私の呪いのせいです!」と青ざめるルナに、王子は笑った。
「いつものことだから、君のせいじゃないよ」
これは、自分を不幸だと思い込む元聖女と、天性の不運をものともしない王子の、勘違いから始まる癒やしと幸運の物語。
二人が出会う時、本当の奇跡が目を覚ます。
心温まるスローライフ・ラブファンタジー、ここに開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる