回復最強の加護を捨てるまで

西東友一

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「「はっはっはっはっ」」

 楽しそうにしているテッドとギース。そして、その二人を取り巻く回復師たち。

「ちっ」

 この状況を面白く思っていない人がいた。 
 レイラだ。

 彼女は爪を噛んで悔しがり、ギロっと私を見る。

「あんたが、余計なことを言うから・・・くっそっ」

(え~~~っ)

 お門違いな発言に困惑してしまう私。確かに今までのメンバーなら、私は神に仕える者というのもあって、彼らに媚びることなんてしてこなかった。だから、可愛げのあるレイラが二人にちやほやされていたという状況ができていた。

 というか、回復師として無欲・清心・貞潔の三要素を守る気がない彼女達は・・・うん。恋したい気持ちは私だって分からないわけではないけれど、テッドたちに対して、というのがなんだかなと思ってしまった。

「美魔法をかけなさい」

「だから、私のは魔法というより加護なんですけど・・・」

「早くしなさいっ」

 本当にレイラを含めて私のパーティーたちは私の話を聞かない。
 けれど、初めての仲間。その上私は回復師だから攻撃する術はほぼない。つまり、冒険を続けるなら誰かとパーティーを組まなければならない。

「わかったわ・・・」

 私は自身のやりたいことのため、自分の望む生き方のためにレイラの急なわがままに一縷の望みをかけつつ、祈るために両手を組んで意識を集中させる。

「エスティック」

 私はレイラに加護を与える。
 すると、レイラの少し荒れていた肌が活性化されて、ひびが入ったような化粧も消えていき、綺麗な肌になっていく。

「よし、良い感じ」

 レイラは鏡を取り出して、自分の顔を満足そうに見る。

「それじゃあ・・・」

「ちょっと、テッド、ギースっ!!」

 私が話しかけようとしたけれど、そんなことお構いなしのレイラは私の前を通り過ぎてテッドとギースの二人に近づいていき、声を掛ける。

「遊んでないで真面目に考えましょ。命を預け合う仲間を決めるのだから。ルーシーはレベル25。レベル30台はいるかしら?」

 レイラは該当者が手を挙げて返事をするように自分の右の手を挙げたが、さっきまではしゃいでいた回復師たちは黙ってしまう。一気に楽しい雰囲気が審査会場になってしまった。

(というか、私がパーティーから外れるのは確定事項なの?)

 私はとても嫌な気分になった。
 私はみんなのために祈って加護を使い、みんなは私を見捨てて逃げた。そして、普段から私の口を開くと嫌な顔をして、警鐘を鳴らしたら、はい、さようなら。

 それでも、神は隣人を愛しなさいと言うだろうけれど、これ以上私から歩み寄ることはできないと心が訴えていた。



 
 


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