呪いのネックレスの効力は絶大でしたけれど、結婚前夜に妬んだ妹が奪ってくれたので婚約破棄します。

西東友一

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「苦しい・・・助けて・・・・・・誰か・・・・・・誰かっ!!」

 私はもがき苦しんで、ベッドから落ちてしまう。けれど、落ちた痛みなんて全く感じないくらい頭と胸が痛い。
 私は化粧台の椅子に捕まり何とか立ち上がると、化粧台の鏡に映る私は涙を流していた。その涙は痛いからじゃない、もっと心の奥底から湧き上がったものだと私は感じた。

「うぅ・・・・・・」

 そして、星空の光のせいかネックレスが輝いているような気がして、私は必死にネックレスを両手で触る。

「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・」

 すると、急に痛みが消えて、心が穏やかになっていった。

「そう言えば、ロベルトがこのネックレスには呪い避けの効果があると言っていたっけ」

 私はネックレスを愛しくなって優しく擦ると、不安や悲しみ、そして痛みはもう無くなっていた。

「でも、どうしちゃったのかしら・・・・・・私」

 訳が分からない不安は消えたけれど、体調としての不安は残っている。

「素敵なロベルトとの結婚にマリッジブルーになるわけないし・・・・・・」

 とりあえず、誰かとこのことについて話がしたい。

「ドクターか・・・、それとも・・・・・・」

 ロベルトか。

「いいえ、駄目よ。ロベルトには迷惑を掛けちゃいけないわ。ロベルトに迷惑を掛けるくらいなら死んだ方がまし。というか、死ぬべきよ、私。ドクターに診て貰いましょ」

 私は寝間着の上に上着を羽織り、廊下へと出た。

「お姉様・・・・・・?」

「うわっ」

 びっくりした。
 扉を開けたすぐそこの陰に妹のジャーネットがいたのだ。
 彼女も当然明日の結婚式に親族として招かれており、一緒に彼の家へに招かれているから会うのは不思議じゃないのだけれど、登場の仕方がとても怖かった。

「驚かさないでよ・・・ジャーネット」

「お姉様、どうかしたの?」

 ジャーネットは少し・・・・・・人の話を聞かない。だから、私の言葉なんか無視して、私の目も見ず自分が聞いてきた。姉としてもう慣れたことなので、そこに目くじらを立てる気はないけど、少し将来が心配だ。つい最近も、数十回目のお見合いで過度な要求をして、先方からお断りの連絡を受けたばかりなのだから。

「ちょっと、ドクターに・・・」

「睡眠薬? それなら、あるわよ」

 そう言って、ジャーネットは白い錠剤がたくさん入った瓶を私に見せてきた。

「あぁ、そうね。睡眠薬もいいわね・・・」

 適当な相槌を打つ私。
 だって、さっきから目を合わせないジャーネット視線が気になるのだもの。彼女の目線は私のネックレスから外れることはなかったし、まばたきの回数も私は今回まだ見ていない気がする。それに、暗いせいか、ジャーネットの瞳孔はとても開いているようで、真っ黒な目に見えたのが姉妹と言えど少し怖かった。

(怖いと言えば、私・・・なんで、苦しんでいた時に、ロベルトじゃなくて、「誰か」に助けを求めたのかしら・・・)
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