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本編 婚約破棄編(仮)
26 ???の視点
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「こいつは上玉だ・・・」
丁度半月の夜。思わぬ大物を見つけた。
ノーバルダム王国を見張っていた部隊から、早朝に2人の男女が南下しているという知らせを聞いて、最初はわが軍の攻撃により、疲弊したノーバルダム王国で暮らしていた男女が生活が困窮して駆け落ちでもしたのではないかと、無視しようと思っていた。
「情報を聞き出せるかもしれないな」
そう俺様が呟くと、部下の一人が「流石は聡明なる王っ」と当然のことを言った。まぁ、そんな部下の一言は余談でしかないが、俺様自身がそいつらから聞いた方がいいと判断し、機動部隊の少数精鋭でその二人の男女を追った。ノーバルダム王国のウォーリー伯爵は裏切者に厳しいのか、二人の男女は一般人にしてはかなり速い速度で移動をしていたので、なかなか追いつけなかったが、ようやく夜になって追いついた。そして、二人を真直で見て見れば、二人は駆け落ちの男女などでは無く、まさかの領主の娘ミシェルと、この頃見かけなかったが、わが軍に甚大な被害をもたらした、赤鬼アーサーだった。
アーサーから背後を取るのは、死神でも難しいと言われていたが、アーサーは我々が近づいているのに全く気付いていない。どうやら、目の前のミシェルにご執心のようだ。
「ふっ、赤鬼も女には勝てないのか。情けない」
ならば、もしも戦場でまみえたなら、わが軍が誇る女性部隊のアマゾネスを奴にぶつけてやれば、あっという間にアーサーの首を刎ねることができるかもしれない。
(いやいや、そんな状況は訪れないかっ。くっくっくっ・・・)
俺様の勘が正しかったということもだが、あの散々煮え湯を飲まされた赤鬼を出し抜けると思うと、たぎってきて仕方がない。
(おっとっと、俺様がたぎるということは、自制心がない兵士たちはもっとだろう)
俺様が兵士たちに目線で注意を促すと、兵士たちは俺の意図を悟って頷く。流石は我国の精鋭部隊、合図を送る必要はあっただろうが、すぐに俺様の意図を理解した。奴に親友を殺された奴もいるだろうに、全く大したものだ。
「はははっ」
「ふふふっ」
呑気に笑っているアーサーとミシェル。
そうだ、アーサーを倒すことも楽しそうだが、宝石のように輝いて見えるのはミシェルの方だ。あいつにはアーサー以上に価値がある。
「相変わらずだな・・・・・・お前は」
危ない、危ない。
この集中力が途切れてしまうところだった。
今はそんなことはどうでもいい。俺は合図を出す。
(アーサーの生死は問わない、ミシェルは・・・・・・生け捕りだ)
ミシェルを生け捕りにすれば、あの親バカなウォーリー伯爵は俺たちの言うことを聞かざるを得ないはずだ。そうすれば、ウォーリー伯爵領を簡単に手に入り、我が国の軍事・経済的基盤は盤石になる。
俺は欲しいもの、全て手に入れる。
昔も今も、そして、これからもだ。
丁度半月の夜。思わぬ大物を見つけた。
ノーバルダム王国を見張っていた部隊から、早朝に2人の男女が南下しているという知らせを聞いて、最初はわが軍の攻撃により、疲弊したノーバルダム王国で暮らしていた男女が生活が困窮して駆け落ちでもしたのではないかと、無視しようと思っていた。
「情報を聞き出せるかもしれないな」
そう俺様が呟くと、部下の一人が「流石は聡明なる王っ」と当然のことを言った。まぁ、そんな部下の一言は余談でしかないが、俺様自身がそいつらから聞いた方がいいと判断し、機動部隊の少数精鋭でその二人の男女を追った。ノーバルダム王国のウォーリー伯爵は裏切者に厳しいのか、二人の男女は一般人にしてはかなり速い速度で移動をしていたので、なかなか追いつけなかったが、ようやく夜になって追いついた。そして、二人を真直で見て見れば、二人は駆け落ちの男女などでは無く、まさかの領主の娘ミシェルと、この頃見かけなかったが、わが軍に甚大な被害をもたらした、赤鬼アーサーだった。
アーサーから背後を取るのは、死神でも難しいと言われていたが、アーサーは我々が近づいているのに全く気付いていない。どうやら、目の前のミシェルにご執心のようだ。
「ふっ、赤鬼も女には勝てないのか。情けない」
ならば、もしも戦場でまみえたなら、わが軍が誇る女性部隊のアマゾネスを奴にぶつけてやれば、あっという間にアーサーの首を刎ねることができるかもしれない。
(いやいや、そんな状況は訪れないかっ。くっくっくっ・・・)
俺様の勘が正しかったということもだが、あの散々煮え湯を飲まされた赤鬼を出し抜けると思うと、たぎってきて仕方がない。
(おっとっと、俺様がたぎるということは、自制心がない兵士たちはもっとだろう)
俺様が兵士たちに目線で注意を促すと、兵士たちは俺の意図を悟って頷く。流石は我国の精鋭部隊、合図を送る必要はあっただろうが、すぐに俺様の意図を理解した。奴に親友を殺された奴もいるだろうに、全く大したものだ。
「はははっ」
「ふふふっ」
呑気に笑っているアーサーとミシェル。
そうだ、アーサーを倒すことも楽しそうだが、宝石のように輝いて見えるのはミシェルの方だ。あいつにはアーサー以上に価値がある。
「相変わらずだな・・・・・・お前は」
危ない、危ない。
この集中力が途切れてしまうところだった。
今はそんなことはどうでもいい。俺は合図を出す。
(アーサーの生死は問わない、ミシェルは・・・・・・生け捕りだ)
ミシェルを生け捕りにすれば、あの親バカなウォーリー伯爵は俺たちの言うことを聞かざるを得ないはずだ。そうすれば、ウォーリー伯爵領を簡単に手に入り、我が国の軍事・経済的基盤は盤石になる。
俺は欲しいもの、全て手に入れる。
昔も今も、そして、これからもだ。
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