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 掃除したい。

 おれは別に潔癖症ではないけど、転がった酒瓶やら、食べ散らかした皿にハエがたかっているの見て、無性にそう思った。

 あれからしばらくして、何人かの男がやってきて、おれとメアリーちゃんを荷車に乗せた。大きな汚い男たちは、おれを気持ち悪い目で見てくる。コンドルに吊るされても平気だったのに、見られただけで気が遠くなった。

 怖い。

 背中がゾクゾクする。

 それでもおれが踏ん張れたのは、メアリーちゃんがいたからだ。おれが意識を失ったら、誰がメアリーちゃんを守るんだ。それに、おれたちは人知れずさらわれたわけじゃない。みんなが見ている。すぐに捜索されるはずだ。

 荷車の揺れでメアリーちゃんが目を覚ました。上げかけた悲鳴を飲み込んで、ぐっと歯を食いしばる。怖いだろうに、分別がある。いい子だなぁ。

「華姫さま」

 おれにだけ聞こえる小さな声で、メアリーちゃんがつぶやいた。おれは首を横に振って、人差し指を口に当てた。

「ハリーって呼んで」

 異世界人と知られたら、まずい気がする。

「あら、起きたのぉ。おはよう。アンタはこれからぁ、アタシの娘としてぇ、一緒に玉の輿に乗るのよぉ」

 余計なこと言うなや! 幸いメアリーちゃんは『なりすまし』とでも思ったのか、この女が実の母親かも知れないとは、微塵も思っていなさそうだ。

 パーツはパパ子爵さまにそっくりだし、パパ子爵さま、比べる頭髪な⋯⋯ゲフンゲフン。とにかくケバいおばさんにはあまり似ていない。

「それよりメアリー、この子だぁれぇ?」

「メアリーちゃんの父上の客です」

「やっだぁ、お仲間ぁ? アンタもカモりに行ったのぉ?」

 メアリーちゃんと会話をさせたくなくて割り込んだら、詐欺師にされた。どんな思考回路だ。

「姐さん、こいつらどこに入れときやすかい?」

「こいつらだなんてぇ、失礼なぁ。こっちの子はぁアタシの娘としてぇ大事にしとかなきゃあ。でもぉ、どうせこんなチビっちょたちじゃあ、逃げられないものぉ。奥の部屋でぇ、いいんじゃなぁい?」

 イライラするーーッ!

 夜会の時の勘違いお嬢さまも凄かったけど、このおばさんなんなわけ⁈ おっさんたちも、なんでこの甘ったるい口調にデレデレ出来るの? 

「じゃあアタシぃ、ちょっとぉあの方のところにぃ、行ってくるわぁ」

 おばさんは強烈なウィンクを残して去って行った。子爵、なんであのおばさんに引っ掛かったんだろう。女性としての魅力を感じない⋯⋯。

 荷車から下ろされて、自分で歩く。メアリーちゃんの手は離さない。押し込まれた奥の部屋、とやらは生活感が溢れすぎていた。⋯⋯取り繕っても仕方ない、はっきり言って汚部屋だった。奥の部屋だけじゃない、通ってきた全てが汚い。と言うことは汚屋敷じゃないか。

 おれの中で、何かが恐怖に打ち勝った。

「こんなところに押し込むなんて、天使のメアリーちゃんが病気になったらどうするんですか⁈ そこのおじさん、流しは何処ですか? バケツとモップを用意してください!」

「は⋯⋯ハリーさま?」

「大丈夫だよ、メアリーちゃん。お姫さまはハンカチで口を押さえていて。ぼくが綺麗にするからね」

「お姫さまはハリーさま⋯⋯」

「ぼくは男だから、レディを守らせて」

 こんな汚い部屋で、むさいおっさんに囲まれるなんて、メアリーちゃんに対する冒涜だ!

 おれの剣幕に押されて、髭面親父がバケツとモップを持ってきた。空のバケツふたつ用意させて、食器と食べ残しを突っ込んだ。

「流しに持って行って」

 おれは羽織を脱いで、メアリーちゃんを頭から覆った。埃が舞うから別のところに避難して欲しいけど、目の届くところじゃなきゃダメだ。

「見張りのついでに、高いところにハタキをかけてください。ハタキがない? その辺の棒に捨てるシャツでも括ってください。それとも、姐さんの大事なお嬢さまになる方を、こんな汚部屋に閉じ込めますか?」

「いや、姐さん平気だし」

「ぼくが嫌です」

 ロベルトさんが言っていた。駄犬を躾けるのは飴と鞭。おれは思いっきり冷ややかに言った。

「玉の輿に乗ろうかと言う方が、そんなことでどうします?」

 それからは早かった。高いところはもちろん床拭きまでおっさん達に押し付け、おれは流しに向かった。メアリーちゃんも連れて行く。案の定タイル貼りのシンクは汚れた皿でいっぱいで、床に無造作に置かれた木箱には新しい食材が入っていた。

「食べ物を床に置くなんて、なにを考えているんですか?」

 見張りの男を睨むと、木箱をパントリーに運ばせる。袂に忍ばせていたタスキを掛けて、シャツの袖もまくる。先ずは食器を洗わねば。

 メアリーちゃんが手伝いたいと言ったので(天使!)、お皿を拭いてもらうことにした。意外と手つきが良くて驚いた。

「先生が、極めなくてもいいけど、女中の仕事とはどんなものか知っておきましょうねって」

 いい先生だなぁ。ホントにお母さんみたいだ。九歳の娘の母親には若いけど、十五歳でも結婚できるから無いこともない。あの強烈なおばさんとは比べ物にならない。

 あらかた食器を洗うと、おっさんに拭かせた棚にしまう。シンクの底からガビガビになった鍋やフライパンが出てきて、仕入れてきた食材はどうするつもりだったのかと不安になった。

「やれば出来るじゃないですか! これで料理もしやすくなりましたよ」

 おれはおっさん達を褒めた。鞭の後には飴をやらねば。微笑んで振り向くと、ショボーンとしたおっさん達。

「この間、唯一マシな飯を作れたヤツがしょっ引かれちまってよ」

「は?」

「姐さんは小綺麗にして男にたかっているみてぇだが、俺たちゃこの面相よ。しばらく旨いもの食ってねぇなぁ」

「ハリーさま、おじさまたち、可哀想⋯⋯」

 メアリーちゃん、マジ天使! いや、待て。と言うことは、おれたちのご飯は?

 仕方ないな。

「あなたたち、何人いるんですか? ぼくが料理しますから、交代でお風呂に入ってきてください。汚れたままのひとは、食卓につかせませんよ」

 二時間後、さっぱりしたおっさんたちが、感動に咽び泣いていた。なんか脱力する。おれ、おっさんなら平気かも? うーん、女官長さまの尻に敷かれた宰相さまを思い出した。

 食事の片付けを終える頃には、メアリーちゃんがうとうとしはじめた。昨夜は子供にしては夜更かしだったし、朝から色々ありすぎた。疲れたんだろう。奥の部屋に寝台があったので、点検してからメアリーちゃんを寝かせた。窓の内鍵をしっかり確認して、灯りを落とす。掃除の時に見つけておいた木片は、おれが眠るタイミングで扉に噛ませてつっかいにしよう。

 メアリーちゃんの寝息が聞こえてくると、部屋を出た。扉の近くの椅子に陣取り、おっさんたちに向き合う。集団でこっちを見られるとやっぱり怖いので、距離は空けている。

「ぼくたちを帰してくれませんか? 姐さんが玉の輿に乗って、あなた方に何の得があるんですか? ぼくを一緒に誘拐した時点で、手筈は狂っていると思いますが⋯⋯」

「そりゃそうなんだけどよ。なんか姐さんがどっかでデカいヤマ見つけてきたとかで、前金がっつりせしめてきたから、ここを動けないんだよ」

「前金もらって玉の輿? すみません、外国人なので言葉の意味がよく分からなくて」

「ああ、そりゃ別口だ。玉の輿は地方の野心家お貴族さまで、ヤマは王都の土地無しお貴族さまだっつう話しだ。なんでもポカやらかしたボンボンを、南の保養地に極秘で護衛して行くらしい」

 南の保養地? ロベルトさんから地理で習ったよ。元々暖かい気候な上温泉地で、歓楽街もあるらしい。帝国領内だけど、隣の領国だったはず。

「護衛? 失礼ですが、あなた方は真っ当なお仕事されてませんよね? そんなあなた方に、どうして護衛を依頼するんでしょう?」

「あっちも真っ当じゃねぇからに、決まってるだろうよ」

 あ、そっか。夜逃げみたいなことするのに、正規の護衛なんて頼めないのか。

「今夜王都を発って、明日の朝、ここで落ち合う手筈になってるのさ」

 オイ、いいとこの坊ちゃんを汚屋敷に連れ込む気だったのか? あ、ばつの悪そうな顔してる。自覚あったんだ。

「いや、兄ちゃんのお陰で助かった」

「あれ、姉ちゃんじゃねぇの?」

「どっちだ?」

 一斉にこっち見るな! 怖いんだよ!

「まぁ、どっちでもいいや。なぁ別嬪さんよ、お嬢は姐さんが連れてってしまうとしてだな、お前さん、ここで飯番しねぇか?」

「お、そいつぁいい考えだ。ついでにおれの嫁さんにならねぇか?」

「なに言ってんだ、別嬪さんの旦那はいちばんの色男の俺様だぁ」

 おっさんたちはガッハッハと大口開けて笑った。不思議と身の危険を感じない。おれをダシにして遊んでいるだけなのがわかる。

「冗談はさておき」

 ほら、やっぱり。

「飯番の件は本気だ。食い物かっぱらってきてあるのに、餓死しそうになるなんざ、二度と御免だ」

 しみじみ言われた。後ろの方のおっさんが「俺なんて生肉齧って腹下して死にかけた」とか洒落にならないことを言っていた。

「ぼく、メアリーちゃんが連れて行かれたら逃げますよ。美味しい食事がしたかったら、メアリーちゃんを姐さんに渡さないでください」

 なにがなんでもふたりでいなきゃダメだ。引き離されても命の危険は無さそうだけど、あの自分のことしか考えていないおばさんに、メアリーちゃんを渡しちゃダメだ。まだ母親だって気付いていないけど、一緒にいたらなにを吹き込まれるか分からない。頼りないけど優しいパパ子爵さまとお母さんみたいな先生に育てられたメアリーちゃんは、幸せにならないとダメだ。政略結婚ありきの養子縁組なんて、絶対ダメ!

 それにここでじっとしていれば、必ず助けが来る。迷ったときは動かない。はぐれたときの鉄則だもん。

「あの嬢ちゃん、ハイネン子爵んとこの嬢ちゃんだろ? 何度かたかりに行ったよ。行方不明の嫁さんの捜索を請け負って、調査費用の追加っつってよ。一回、姐さんに渡された指環を持って行って、闇市で買い戻したって言ったらよ、涙流して嫁さんの心配して、俺のことねぎらって⋯⋯いい人だよなぁ」

 おっさんが語り出した。なけなしの良心が疼いているらしい。詐欺及び誘拐犯罪グループのおっさんに、しみじみ『いい人』って言われるパパ子爵さま。どんだけなんだ。

「その『いい人』、今度は娘まで行方不明にしちゃうの?」

 なんか切なくなって来た。胸が痛いや。

「別嬪さん、泣くなよ。今日は疲れたろ? もう寝ろや」

 言われて頷く。聞きたいことはまだあるけど、いっぺんにはダメだ。勘ぐられる。

 大人しく部屋に入って、木片を速攻で扉と床板の間に差し込んだ。ついでにカーテンのタッセルを外して来て、それは上部に噛ませる。物理的に壊されたらおしまいだけど、時間稼ぎにはなる。

 メアリーちゃんの横にそっと潜り込むと、彼女は俺の気配に身動ぎした。薄く目を開けて揺れる声で言った。

「先生、お怪我してないかなぁ」

 ポロリと涙を零して、そのままスゥっと眠りに落ちた。自分のことより、先生の心配かぁ。ホントにいい子だな。

 みんな心配してるよね。誰かブライトさまに知らせたかなぁ? しばらく会えないのは覚悟してたけど、旅程を外れてこんな目に遭うなんて予想もしなかった。

 それからおれは、浅い眠りを繰り返した。ブライトさまの腕の中じゃ、ぐっすりだったのに。カーテンの向こうがうっすら明るくなった頃、ザワザワと人の話し声が聞こえて来て、それ以上眠るのを諦めた。

 そうか、王都の夜逃げボンが到着したのか。面倒だから、顔を見せない方がいいなぁ。だるい体を起こす。どうしたものかと思案していると、部屋の扉が叩かれた。遠慮がちなノックに苦笑が漏れる。

 飴が効きすぎたみたい。違うな、胃袋掴んじゃった感じ?

「別嬪さん、起きてるかい?」

「おはようございます」

「悪いがボンボンに、なにか食わしてやってくれねぇか? 夜通し移動して、気が立ってやがる。我儘野郎で気が滅入るが、姐さんが引き受けちまったから、しょうがねぇや」

 生肉齧らせるわけにも行かないよね~。

「ぼくが用意しないと、無理ですか? メアリーちゃんをひとりにしたくないんです」

 キッチンに籠ると扉の前で監視ができない。むさいおっさんに、メアリーちゃんの寝顔を見せてたまるか。おにーちゃんは断固天使ちゃんを守ります!

「ハリーさま、大丈夫です。起きました」

 ぽしょぽしょと声がして、モソモソ起き上がる気配がした。くるくるの巻き毛を手櫛で整えながら、メアリーちゃんがベッドから降りた。

 でも貴族ボンにメアリーちゃんの姿を見せるわけには行かない。貴族令嬢の誘拐事件はデリケートな問題のはず。保養地で面白おかしく旅行者に喋られたらたまらない。

「じゃあ、ここで待っていて。ぼくが部屋を出たら、ここを⋯⋯こうして、鍵の代わりにしてね。ぼくが戻るまで、木片をはずしちゃダメだよ」

 つっかいを見せながら説明すると頷いた。よし、メアリーちゃんは大丈夫。上部のタッセルは、スツールに登っても危ないから諦めよう。

「メアリーちゃんが起きたので行きます。絶対に部屋には入らないと約束してください」

「わかった、頼むよ」

 おっさんの声が疲弊している。よっぽどの我儘ボンボンなんだなぁ。

 キッチンに向かうとおっさんが数人、お湯を沸かしていた。助かる。

「まずお茶を入れますから、その間、タライで足湯してあげてください。ふくらはぎとか揉んであげると良いですよ」

 疲れて苛ついているなら、温まればちょっとは落ち着くかもしれない。

 お茶を蒸らしながらパンとハムをスライスし、生食用の野菜を千切る。昨日の残りが何かあればよかったけど、飢えたおっさんたちに食べ尽くされたので仕方がない。

 簡単なサンドウィッチと甘めのミルクティーが用意できると、おっさんのひとりに押し付けた。下手に顔を出さない方がいい。

 しばらくしておっさんがバタバタと駆け込んできた。おれはみんなの朝食の支度を始めていたけど、何事かと振り向いた。見ると慌てふためいたおっさんがあわあわしている。

「隠れろ、別嬪さん。あのボン、旨い飯を作った奴を、召し上げるって抜かしてやがる。挨拶に顔出せって抜かしてるから、早く嬢ちゃんとこに隠れな!」

 はぁ⁈ レストランでシェフを呼びつける食通か⁈

「俺たちの飯番、掻っ攫われてたまるかってんだ!」

 うわぁ、おっさん本心だだ漏れ~。いや、おれ食堂のオカンになったつもりないから! とにかく、そういう事なら隠れねば。せっかく一晩やり過ごしたのに、メアリーちゃんと引き離されてはまずい。

 調理ナイフだけ片付けて、おっさんの後に続く。でもドヤドヤと肩を怒らせて向こうからやってくる青年がいた。おっさんたちが宥めて引き留めている。おれは咄嗟におっさんの背中に隠れた。

 一瞬見えた、薄い氷の青。

 ハスキー犬の飢えた瞳。

ーー王都でポカやらかしたボンボン。

 アイツだ。怖い怖い、怖い!

「そこの後ろの者、こやつか?」

 おっさんの後ろから引きずり出される。掴まれた手が覚えている。おれを押さえつけて、殴った男だ。

「貴様! 何故こんなところにいる⁈ やはり下賤の女ではないか!」

 怖い怖い、気付かれた。怖い。

「ヤダッ」

 手を振り払ってしゃがみ込む。ガタガタと体が震えて、目の前が真っ暗だ。

「おいおい、別嬪さん。知り合いか? あんまりいい知り合いじゃなさそうだが⋯⋯」

「わたしが王都から出なければならなくなった原因だ! この阿婆擦れめ! ちょうど良い、この間の続きをしようじゃないか」

 ヤダ! 

 ハスキー犬野郎はしゃがみ込む俺の髪の毛を鷲掴んだ。痛い、怖い、助けて!

「部屋に案内しろ」

「坊ちゃん、そんな時間はありませんぜ。第一、俺達が受けたのは坊ちゃんの護衛だけだ。そう言うサービスはやってねぇ」

「ふん、ならばお前達も混じればいい。どうせこの阿婆擦れは、お前達の慰み者なんだろう?」

 ヤダヤダヤダ!

「ブライトさま、ブライトさま!」

 ブライトさま、おれはここ。こんな奴イヤ。

「ブライトさま、助けて!」
「あの時の騎士か? お前がこんなところにいるようじゃ、あやつも本当に騎ーー」

 突然の閃光。
 次いで、轟音。

 時が止まった。

 うっすらと紫電を纏って現れたのは、獅子の煌めき。

「ブライトさま⋯⋯」

 おれは呆然と呟いた。
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