五大魔法で最強なのは雷魔法ではないだろうか?

荒井 恭介

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パーティー結成!

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 魔法……それは魔術師が魔力を使い、世界の理を覆すものである。魔力を有する者達は神に選ばれた者達である。魔法は五つ種類があり五大魔法と言われている。
 
 『はぁ…………暇だ。』
 そう呟いたのは神に選ばれた者の一人、ラミエル・バルキエル雷を司る名前を与えられている。ラミエルは少し他の者とは違う。それは崇拝する神が悪神であると言うことである。
 本来崇拝するべきなのは善神の配下である者達なのだが、ラミエルは悪神アンラ・マンユの配下である悪魔との契約下にある。悪魔との契約と言われる物の例を挙げるのならファウスト伝説が有名なのではないだろうか。
 ファウスト伝説とは大間かに言うとファウストの望みを叶える代わりにその魂を悪魔ミフィストフェレスと取り交わすと言うものである。その代わりに与えられるのは圧倒的と言われるほどの絶大な力。
 ラミエルは下級魔法でも上級魔法の効果を発揮する。何故ラミエルは雷魔法を取得したのか。その理由はじつに単純明快。その使い勝手の良さからである。この場で例を挙げるのは簡単だがそれはまた今度にしよう。
 この物語は、ラミエルが最強になる物語牽いては世界の救済するための物語である。
 
 ラミエル視点
 『はぁ…………暇だ』
 あまりにも暇すぎたのでそう呟いてしまった。何しようか魔法の鍛練はめんどくさいから却下。…そうだなぁ。
 あっ、そういえばこの前なんか貼り紙してあったよな……確か内容は暴走したバフォメットの討伐だったか?
 ……バフォメットかー久し振りに刈るか。アイツの皮は電気耐性あるから結構使い勝手がいいだよな。そうと決まれば行くか。
 『サンダーエンチャントスピード』
 そう呟き俺は自分の体に雷を纏わせた。この原理は簡単だ。人間は、電気信号で動いているからそれを早くすれば速く動けるんじゃね?って思ってやったら出来た。俺にしか出来ないオリジナルマジック。スピードだけに回せば只ひたすらに速い。まぁそのせいで音が聞こえないというデメリットもあるんだが……
 そのお陰で目的の場所まで千キロあった道のりも十分でついた。
 『パラライズレーダー展開』
 この魔法はざっくり言うと自分を中心に電気を発生させバフォメットを探すと言うものなんだが,これまたオリジナルマジックだ。というか言っちゃうと雷を使えるのは実際には俺一人しかいないから、全て俺のオリジナルマジックになるって訳。五大魔法と言われてはいるが、実際雷を扱うには才能がないと確実に死ぬ。何故かと言うと雷を司る神は皆等しく厳しいのだ。他の属性を司る神は結構多いので甘い神もいるらしいのだが、雷はまず少ないから甘い神はいないに等しい。だから俺みたいに最初は神から行くのではなく雷を使える魔獣や悪魔を倒せばいいのだがそんな危険を犯すなら簡単な道を選んだ方がいいということで雷を使えるのは俺一人という状況が出来たわけだ。まぁこんな無駄なことを考えてる間にレーダーに反応があった。
 
 黒山羊の頭、筋肉質な体、三メートルを越える巨体バフォメットだ。本当は翼をあるんだが贄が足りていないのだろうまだ生えていない。この程度なら楽勝だ。
 『エンチャント解除』
 そういうと周りの音が戻ってきた。そして何故か誰かの泣き声が聞こえてきた。……ん?女か?女は悪魔に良く狙われるからな。バフォメットにでも狙われたんだろう。
 『いやっ‥…来るなぁ‥…こないでぇ‥まだ‥…死にたくない‥…っ、誰か‥助けて』
そう泣き叫ぶ声が聞こえてくる。するとバフォメットは口元を酷く歪め女を殺すために拳を振り上げた。
 『はぁ、面倒くせぇ……セット、サンダーショック』
 魔法名を呼ぶと一筋の落雷がバフォメットに降り注ぐ。少しのうめき声をあげよろめいた。そして俺に気付いたのだろうこっちに向かって走り出してきた。俺はゆっくりとバフォメットに指を向け
 『サンダーバレットチャージ……バースト』
 そういうと俺の指から凄いスピードの電撃が発射されバフォメットの頭を撃ち抜いた。まぁいくら耐性があっても俺の魔法はそんなに耐えられる程の威力じゃない。そして俺は女の方へ歩き出した。すると、女は目に涙を浮かべ
 『ありがとうございます。このご恩は何があっても忘れません。何か恩返しさせてください。』
 恩返しねぇ?
 『あっ、そういうのいいんで……』
 そう言うと女は
 『いやそう言うわけにはいきません。何かさせてください。こう見えて私魔法も使えますし。』
 この女面倒くせぇ。つうか魔法使えるなら自分でどうにかしろよ。
 『はぃ?魔法が使えるとか言ってるけどバフォメットも倒せんやつに出来ることはねぇ。』
 と、思っていることをそのまま言った。すると女は痛いところを突かれたと言わんばかりに落ち込みながら
 『た、確かにバフォメットは倒せませんが回復魔法が使えますし』
 はいはい回復魔法ね……って回復魔法だとっ
 『はぁーーー?回復魔法が使えんのかあんた』
 回復魔法は確か一国に一人しかいないとかなんとかだったはず。女はいきなり声をあげた俺に吃驚したのであろう。体をビクッてした後
 『は、はい。使えますダメでしたでしょうか?』
 『ダメじゃねぇ寧ろ最高だ。おいあんた契約した神は』
 『神ではなく癒しの天使ラファエル様です。』
 ラファエルとはまたビックネームじゃねぇか。おいおいこの女俺のヒーラーになってもらうか?
 『おいあんた名前は?』
 『私の名前はアニエル・イズラーです。』
 『アニエル俺のヒーラーになれ』
 するとアニエルは何故か顔を真っ赤にして俯いてしまった。何故に?
 『あ、あのそういうのには順序というか段階が……』
 とても小さな言葉であまり聞こえなかったが、微かに聞こえたのは、順序とか段階がどうしたとか……あっ
 『ち、違うそういうことじゃなく普通の回復役だーー』
 『え?そういうことでしたの?』
 『あぁそういうことだ。』
 『わ、私ったらなんて勘違いを』
 さっき俺が言ったことはプロポーズの常套句なのだ。ヒーラーというのはそれだけ前衛を支える存在ということだ。
 『い、いや気にするな俺の言い方が悪かった。』
 『い、いえそんなことは……』
 や、ヤバイ気まずい……ここは無理矢理にでも話題を変えなくては。
 『そ、そんなことよりそのなんだ、回復役になってくれるのか?』
 『は、はい勿論喜んでやらせていただきます。』
 『そ、そうかじゃあこれからよろしくなアニエル。』
 『はい。よろしくお願いします。あっ、あのお名前教えて頂いても?』
 『あぁラミエル・バルキエル』
 こうして、俺たちの歪なパーティーは結成した。
 
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