31 / 71
2章 少年期
9話 初戦闘
しおりを挟む
カイトは短剣を構えると、わざと正面から斬りかかった。
魔物はカイトに向かって行き、重心を落として下から突き上げようとする。
カイトは右に跳んで魔物の側面を斬りつける。
だが、魔物はとっさに身体を左に捻ったため傷が浅い。
(こいつ猪みたいな姿のくせに猪突猛進じゃねぇのかよ!…)
改めて魔物と獣の差を思い知らされるカイト。
魔物は傷つけられたことに怒り、足踏みをする。
もう一度突っ込んできた魔物を同じように右によけるカイトだったが、見えない何かに吹っ飛ばされるカイト。
起き上がって良く見ると、魔物の角から緑色の魔力が溢れ出ていた。
(おいおい…そんなのありかよ)
カイトは土を払うとまたもやこちらに突っ込んで来る魔物に短剣を投げつける。
魔物は飛んできた短剣を角で弾き飛ばすと、そのまま突っ込む。
しかし、そこにカイト居らず空振りする魔物。
カイトは魔物の上から、真っ直ぐに予備の短剣で脳天を突き刺した。
魔物は絶命すると、ゆっくりと倒れた。
刺さった短剣を抜き取ると、カイトは血振りをして腰の鞘に戻した。
カイトが飛ばされていたもう1本の短剣を拾って同じようにしていると後ろから、声がかかる。
「いやー。初めてにしては見事だったよ~。良くとっさにあんなことができたものだね?」
「ははは…」
あの時カイトは魔物の注意が投げつけた短剣に向いたのを確認すると、真上に跳躍して魔物の視界から消えたのだった。
後は、カイトが居た場所に突進して空振り、混乱する魔物の脳天に予備の短剣に全体重を載せた攻撃を繰り出しただけだった。
(まさか本当に成功するとは思わなかったけど…)
「この調子なら問題無く我が領までの護衛代わりになるね?」
「ありがとうございます」
「じゃあこの調子で頑張ってくれたまえよ?」
そう言ってポトスは馬車に戻って行った。
(ああ言ってくれてるし、向こうに着くまでには魔物に慣れないとな…)
カイトは装備品の確認をすると、魔物を解体しているマーガレットを手伝いに行くのだった。
━━━村の宿屋━━━
あれからも頻繁に魔物が出たためカイトが応戦いたが、村の近くまで来ると数は減っていった。
「定期的冒険者が間引きしているから、この辺は魔物の数が少ないねぇ」
(やっぱりそうなんだ)
カイト達は日が暮れる前に村にたどり着いたため、魔物の素材などを商店で売り払い宿屋も2部屋とることが出来た。
カイトが装備品の手入れをしていると、扉がノックされる。
入ってきたのはポトスとマーガレットで、どうやら食事に誘いに来たらしい。
カイトはやっていた手入れを中断すると、扉に鍵を閉めて2人と一緒に1階の食堂へ向かった。
食堂の料理は優しい味で美味しく、カイトは前世の母親のことを思い出し涙が出そうになった。
食事を終わらせ、一足先に部屋に戻ると手入れを再開しながら考え事をしていた。
(よくよく考えたら、俺って親孝行なにも出来ないままこっちに来ちまったんだよな…)
その日の夜は前世の夢を見てしまうカイトであった。
魔物はカイトに向かって行き、重心を落として下から突き上げようとする。
カイトは右に跳んで魔物の側面を斬りつける。
だが、魔物はとっさに身体を左に捻ったため傷が浅い。
(こいつ猪みたいな姿のくせに猪突猛進じゃねぇのかよ!…)
改めて魔物と獣の差を思い知らされるカイト。
魔物は傷つけられたことに怒り、足踏みをする。
もう一度突っ込んできた魔物を同じように右によけるカイトだったが、見えない何かに吹っ飛ばされるカイト。
起き上がって良く見ると、魔物の角から緑色の魔力が溢れ出ていた。
(おいおい…そんなのありかよ)
カイトは土を払うとまたもやこちらに突っ込んで来る魔物に短剣を投げつける。
魔物は飛んできた短剣を角で弾き飛ばすと、そのまま突っ込む。
しかし、そこにカイト居らず空振りする魔物。
カイトは魔物の上から、真っ直ぐに予備の短剣で脳天を突き刺した。
魔物は絶命すると、ゆっくりと倒れた。
刺さった短剣を抜き取ると、カイトは血振りをして腰の鞘に戻した。
カイトが飛ばされていたもう1本の短剣を拾って同じようにしていると後ろから、声がかかる。
「いやー。初めてにしては見事だったよ~。良くとっさにあんなことができたものだね?」
「ははは…」
あの時カイトは魔物の注意が投げつけた短剣に向いたのを確認すると、真上に跳躍して魔物の視界から消えたのだった。
後は、カイトが居た場所に突進して空振り、混乱する魔物の脳天に予備の短剣に全体重を載せた攻撃を繰り出しただけだった。
(まさか本当に成功するとは思わなかったけど…)
「この調子なら問題無く我が領までの護衛代わりになるね?」
「ありがとうございます」
「じゃあこの調子で頑張ってくれたまえよ?」
そう言ってポトスは馬車に戻って行った。
(ああ言ってくれてるし、向こうに着くまでには魔物に慣れないとな…)
カイトは装備品の確認をすると、魔物を解体しているマーガレットを手伝いに行くのだった。
━━━村の宿屋━━━
あれからも頻繁に魔物が出たためカイトが応戦いたが、村の近くまで来ると数は減っていった。
「定期的冒険者が間引きしているから、この辺は魔物の数が少ないねぇ」
(やっぱりそうなんだ)
カイト達は日が暮れる前に村にたどり着いたため、魔物の素材などを商店で売り払い宿屋も2部屋とることが出来た。
カイトが装備品の手入れをしていると、扉がノックされる。
入ってきたのはポトスとマーガレットで、どうやら食事に誘いに来たらしい。
カイトはやっていた手入れを中断すると、扉に鍵を閉めて2人と一緒に1階の食堂へ向かった。
食堂の料理は優しい味で美味しく、カイトは前世の母親のことを思い出し涙が出そうになった。
食事を終わらせ、一足先に部屋に戻ると手入れを再開しながら考え事をしていた。
(よくよく考えたら、俺って親孝行なにも出来ないままこっちに来ちまったんだよな…)
その日の夜は前世の夢を見てしまうカイトであった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
102
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる