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3章 ダンジョン編
16話 決着
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カイトは自分の近くに着地したベオウルフに向けて魔剣を振り下ろした。
ベオウルフはとっさに硬化を自分にかけて防ごうとしたが、込められた魔力で鋭さの増した魔剣によって体内への侵入を許してしまった。
ベオウルフは硬化を諦め魔剣を筋肉で固定すると、咆哮でダグラスとカイトを吹き飛ばす。
2人に追撃をかけようとするが、刺さったままの魔剣に魔力を吸われて膝をついてしまう。
カイトもダグラスと同じくかなり吹き飛ばされたが、ニヤリと笑うと魔剣に短距離転移で飛んで魔剣を媒介に魔力操作でベオウルフの魔力を暴走させ、短距離転移で逃げる。
ベオウルフは暴走させまいと魔力操作をするが、自分と吸収したカイトの魔力を制御しきれず大爆発を引き起こしてしまった。
ドッッッカーーーーーーーン
パラパラパラ
魔剣に魔力を吸われていたとはいえ、かなりの魔力を使った爆発によって爆心地から半径100mが吹き飛ばされたようで、壁が崩壊している場所もある。
ちなみに天井と地面は抉れはしたものの、大穴は開いていない。
「痛てててて……ギリギリ間に合ったか…あれ?魔剣は?」
ヒュンヒュンヒュン
ザクッ
「うわ!?…あっぶねぇ…」
魔剣はカイトの両足の間の地面に刺さり、熱量からか煙をあげている。
「うーん…煙で詳しくは分からないけど、傷1つ見当たらないなんて……一体どんな硬度してんだ?」
しばらくして、カイトはだいぶ冷めた魔剣を背負って爆心地に向かって歩き始める。
着いてみるとそこには、バランスボールの半分程の大きさの輝く球体、魔石が落ちていた。
どうやらダグラスも魔石の回収に来たようで、向こうから現れる。
「どうにか生き残ったね」
「ああ、はっきり言ってさっきまで生きた心地がしなかったがな…」
「うん。あまりにもギリギリの戦い過ぎた」
「もう、気を抜いたらそのまま動けなくなっちまいそうだぜ」
そこで、2人の視線はベオウルフの魔石に移る。
「…さて、魔石はどっちが貰う?」
「……今回はヴァルに譲ってやるよ!倒したのは俺様じゃねぇしな…その分報酬金額は多く貰うがな?」
「ふふっ…良いよ?今回の報酬金額は3割だけ貰うことにするよ」
カイトが笑みを浮かべながら魔石を拾ってカバンに積めると、2人の目の前にバッジが現れる。
「どうやら、これで本当に踏破完了みたいだね」
「ああ!やっと休める」
2人は同時にバッジを受け取り、光に包まれる。
目を開けたときにはもうダンジョンの外に出ており、目の前には驚いた顔をしたギルドマスターと職員、口角の少し上がったムウが居たのだった。
「お帰りなさいませヴァルさん、ダグラスさん」
「た、ただいま?」
「お、おう」
その後、ディスラプターズの2人はギルドマスターにこってりと絞られ、お咎めは無かったものの違約金1000sを払うハメになった。
独断で2人をダンジョンに入れたムウはギルド職員を解雇、実家の宿屋で働くことになったらしい。
心配に思ったカイトは宿屋に戻った後、本人に聞いてみると。
「ああ、そのことですか。実は私この度結婚することになりまして、どちらにしろ受付嬢を辞めて女将さんになるつもりだったんですよ。相手は婿に入ってくれるらしくて、だから丁度良かったんですよアレ」
と、笑って答えたのだった。
ベオウルフはとっさに硬化を自分にかけて防ごうとしたが、込められた魔力で鋭さの増した魔剣によって体内への侵入を許してしまった。
ベオウルフは硬化を諦め魔剣を筋肉で固定すると、咆哮でダグラスとカイトを吹き飛ばす。
2人に追撃をかけようとするが、刺さったままの魔剣に魔力を吸われて膝をついてしまう。
カイトもダグラスと同じくかなり吹き飛ばされたが、ニヤリと笑うと魔剣に短距離転移で飛んで魔剣を媒介に魔力操作でベオウルフの魔力を暴走させ、短距離転移で逃げる。
ベオウルフは暴走させまいと魔力操作をするが、自分と吸収したカイトの魔力を制御しきれず大爆発を引き起こしてしまった。
ドッッッカーーーーーーーン
パラパラパラ
魔剣に魔力を吸われていたとはいえ、かなりの魔力を使った爆発によって爆心地から半径100mが吹き飛ばされたようで、壁が崩壊している場所もある。
ちなみに天井と地面は抉れはしたものの、大穴は開いていない。
「痛てててて……ギリギリ間に合ったか…あれ?魔剣は?」
ヒュンヒュンヒュン
ザクッ
「うわ!?…あっぶねぇ…」
魔剣はカイトの両足の間の地面に刺さり、熱量からか煙をあげている。
「うーん…煙で詳しくは分からないけど、傷1つ見当たらないなんて……一体どんな硬度してんだ?」
しばらくして、カイトはだいぶ冷めた魔剣を背負って爆心地に向かって歩き始める。
着いてみるとそこには、バランスボールの半分程の大きさの輝く球体、魔石が落ちていた。
どうやらダグラスも魔石の回収に来たようで、向こうから現れる。
「どうにか生き残ったね」
「ああ、はっきり言ってさっきまで生きた心地がしなかったがな…」
「うん。あまりにもギリギリの戦い過ぎた」
「もう、気を抜いたらそのまま動けなくなっちまいそうだぜ」
そこで、2人の視線はベオウルフの魔石に移る。
「…さて、魔石はどっちが貰う?」
「……今回はヴァルに譲ってやるよ!倒したのは俺様じゃねぇしな…その分報酬金額は多く貰うがな?」
「ふふっ…良いよ?今回の報酬金額は3割だけ貰うことにするよ」
カイトが笑みを浮かべながら魔石を拾ってカバンに積めると、2人の目の前にバッジが現れる。
「どうやら、これで本当に踏破完了みたいだね」
「ああ!やっと休める」
2人は同時にバッジを受け取り、光に包まれる。
目を開けたときにはもうダンジョンの外に出ており、目の前には驚いた顔をしたギルドマスターと職員、口角の少し上がったムウが居たのだった。
「お帰りなさいませヴァルさん、ダグラスさん」
「た、ただいま?」
「お、おう」
その後、ディスラプターズの2人はギルドマスターにこってりと絞られ、お咎めは無かったものの違約金1000sを払うハメになった。
独断で2人をダンジョンに入れたムウはギルド職員を解雇、実家の宿屋で働くことになったらしい。
心配に思ったカイトは宿屋に戻った後、本人に聞いてみると。
「ああ、そのことですか。実は私この度結婚することになりまして、どちらにしろ受付嬢を辞めて女将さんになるつもりだったんですよ。相手は婿に入ってくれるらしくて、だから丁度良かったんですよアレ」
と、笑って答えたのだった。
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